26 平民街へ行くには
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私達が案内された部屋は白を基調とした普通の綺麗なお部屋だった。
貴族専用って言っても割と普通なんだ…と思ってたら、これが男爵位相当のグレードの部屋なんだそうで、もっと上の爵位ならもっと豪華なお部屋になるらしい。
受付する時の名前で爵位が分かっちゃうらしくて、フォンが付いたら男爵とかね。
ヴァン→王族・公爵
ファン→侯爵・辺境伯爵
フィン→伯爵
フェン→子爵
フォン→男爵
こんな感じなのは、実に分かりやすい。
因みに、名前だけなら平民、名前と家名だけなら騎士爵になる。
「あった!これこれ…これが見たかったの。」
私は早速目当てのものを見つけた。
さすが貴族用の宿。
お風呂がついてる!
お父様から聞いてとても楽しみにしていたのだ。
先ずは仕組みを見てみるーー魔道具に触れて魔力を流すと湯を沸かせるタンクの様な装置が浴槽の横にある。
問題は核となる水の魔石と火の魔石だね。
水の魔石は海で採れる魔物から手に入るとして、火の魔石は…買うと高いんだろうな。
後でギルドに行った時、聞いてみよう。
まあ、とにかくウチに帰ったらこれを参考に作る。
仕組みは単純だけど、一から試行錯誤を繰り返すより既に在るものなら、それを参考に更に便利な改良版を作る方が手っ取り早い。
多分、登録商標みたいなのも無いだろうし、そもそも見ただけで真似て作れるものじゃ無いらしいから、これを参考にしても大丈夫だと思う。
錬金スキル持ちの私ならきっと作れる。頑張る!
それに、ウチの領には沢山の錬金スキル所持者がいるから、私が試作品を作れればみんなで量産できて、領内全戸にお風呂を設置すれば、衛生管理が進むだろう。
そして、我が領の衣食住を充実させて、この異世界ライフを悠々自適に過ごすんだ。
と、その前に借金返さないとあかんかったわ。
王城に税を納めるのは明日の午前中にしたので、今から早速、平民街のギルドに行こう。
今回は宿の馬車(無料)を出してもらい、お父様と二人、平民街の商業ギルドまで送ってもらう。
商人になるなら商業ギルド、冒険者になるなら冒険者ギルドで登録すればいいのだ。
両方登録している人も居るらしい。
お父様の代理人をする事もあるだろうから、私も商人登録しておく。
私は両方登録しておこうかな。ついでにね。
冒険者ギルドからの情報も欲しいから。
ガチで戦ったりするのはやらないってか無理だけど、薬草採りとかならできるし。
自家用馬車を使わなかったのは、後で街の中を自由に歩いて見て回りたかったから。
帰りは街中を走る乗合馬車で貴族街への門前まで乗り、宿まで徒歩ですぐだ。
目的の場所は比較的治安がいいらしいので、多分大丈夫だろう。
明日も投稿するつもりです…
「老後を夢みる元聖女」も今日中に更新したい…(›´Д`‹ )




