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15 秘匿案件ね

お読みいただきありがとうございます

 白竜さんの鱗には浄化の作用があるらしい。


 で、私思ったんだけど、本当は白竜さんじゃなくて、聖竜さんなんじゃないのかな。


 薬液が入ってた白鱗も有り難く頂戴しときます。


 魔除けにもなるし、浄化作用のある器って便利よね。


 そうだ、ここにある万能薬草をうちの屋敷のお庭で栽培出来ないかな。


『無理だな。我の魔力を糧に育つ薬草だからな。』


 そっか…やっぱりこの白竜さんのお庭まで摘みにこないといけないのね。


『其方には瞬間移動があるではないか。それに異空間収納でどれだけでも運べるだろう。我も庭の手入れをしてもらえて助かるしな。あれはすぐに増えるのだ。』


 えー、幻の万能薬草を雑草扱いですか。


 でも、今すぐ完全な瞬間移動をマスターするのは無理だと思うんですけど。


 それに異空間収納も。


 すぐ朝になってしまうよ。


『そうだな、この前の様に時を止めるのはどうだ。』


 そんな同時に魔法発動するなんて…って、この前やってたわ。


 あっ。駄目だ。


 あの時、私が止められたのは、この森ぐらいの範囲だけで、村とかでは普通に時間が経ってたんだよ。


 だから、夜明けが来るのを遅くするとかは出来ないってことね。


『わかった。其方が習得するまで、我が送り迎えをしてやろう。』


 いえ、結構です。だってそれ、家でも練習できるもの。


 わざわざこの森に来て練習する必要ないでしょ。めんどくさい。


『実はあるのだ。理由がな。』


 理由って何よ。


『其方の身体は、神の言葉通り健康体である。だが、其方の魔力の上限はとても少ない。いつもすぐに疲れてしまうのは、魔力が欠乏してしまうからだ。だからこそ、この薬草が常に必要となるのだ。これを毎日飲み続ければ魔力の上限が伸びるぞ。』


 この万能薬草はマジックポーションなの?


『いや、病気も体力も魔力も状態異常も全快するな。おまけに全てのステータス値が伸びる。正に万能薬草だな。我の魔力で強化されておるからな。当然だ。』


 あ…これ表に出しちゃ駄目なやつだ。


 幻は幻のままそっと伝説にしておくべき案件だ。


 これ知られたら、大惨事になる。


 この森欲しい人達がこぞって侵略してくるよ。


『なに、其方だけが利用すれば良いだけだ。我が気に入った者にしかこの庭には入れんのだから。』


 でも、私の大事な人達が病気とかになったら、その人にこの万能薬草を使いたい事もあるかもしれない。


『その時は使えばいい。それまでに其方が何者にも屈しない力をつけておく必要があるがな。』


 でも、もし権力者、例えば王族とか大貴族が相手だと、うちのお父様は弱小男爵だから逆らえないよ。


『ふ…其方だけがこの森の深部に来れるのだ。瞬間移動でな。万能薬草の出所は推測はされるだろうが、我の庭まで来れるのは、我に招待された者のみ。』


 森の中には誰でも入ってるでしょ。


『亡者の領域は誰でも入れるし普通の薬草もあるが、そこより奥は迷いの魔法がかかっておる。我の許可がない者は入れんからな。』


 迷いの魔法が効かない強い人がいるかもしれないよ。


『仮に幻惑を抜けて来ても、我の庭には辿りつけん。反対側の海に出るだけだ。これは大昔、神が我の住むこの森に守護の力を授けられたのだ。』


 神様が?何故?


『神は、この世界を剣と魔法の世界として成長させたい、とかなんとか言っておったな。だから、我がこの森の深部にいるだけで魔法の概念が保たれるとか。』


 あー、なんか転生する時私にもそんな事言ってたな。私がこの世界で生きるだけでいいとか。


 …あ。転生したら記憶憶えてないとか言ってた気がするんだけど、私、前世思い出しちゃったよ。


 良かったのかかしら。この世界に余計な知識を持って来たとか怒られないかな。


 まあ、いっか。



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