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第80話 難しい依頼?

ついに発表です、あとがきまでお読みください。


 僕たちが王都に来てから、三日が経った。


 今はシエルの朝の訓練を僕は空から見ている。


 訓練の様子はアイリさんとやっていたときよりも全然静かで、動きがないんだけど、終わったときのシエルの疲労具合は断然こっちの方が高い。

 朝の一時間ほどしかやってないのに、アイリさんと午後をずっと訓練していたときよりも疲れている。


 僕も空で訓練をしようとしたけど、王都の空で炎を出すわけにはいかないと思ったので、とりあえず緩急をつけて飛行をする練習をしている。

 魔力を使えば高速飛行ができるから、特に遅いときから一気にトップスピードになる練習をしている。


 前にタキシムと戦ったときに突撃したが、スピードが少し足りなかった。

 今後のために短い距離でトップスピードまで持っていけるように、しっかり練習しないといけない。


 そうしていると、シエルとヘレナさんの訓練は終わったようだ。


 下に降りていき、大の字に倒れているシエルの顔の横に着地する。

 ヘレナさんは朝ごはんの準備をしに屋敷に戻っていく。


「キョー」


 お疲れ様、シエル。


「はぁ、はぁ……うん、ありがとう、キョースケ」


 シエルは肩で息をしながら、上体を起こして地面に座る。

 魔法を一度も放っていないのに、汗だくで魔力もほとんど無くなっている。


 身体の中で魔力を意識的に循環させるだけで、これだけの訓練になるんだなぁ。


 シエルは息を整えて、立ち上がる。


「よし、じゃあ朝ごはんの前に、シャワー浴びようかな。キョースケも一緒に入る?」

「キョー」


 ということで僕たちはシャワーを浴びることになった。



 二人でさっぱりしてから食堂へ行くと、朝ごはんは人数分準備されていて、アリシアはすでに食べ始めていた。


「んっ……シエルちゃんおはようっす」


 アリシアは口いっぱいに含んだ食べ物を飲み込んでから、挨拶をする。


「おはよう、アリシア」

「今日もヘレナちゃんにしごかれてたっすねー。あっ、キョースケもおはようっす」

「キョー」


 ついでという感じで挨拶をされたが、いつも通りだから気にしない。

 言葉は通じないけど一応返事をする。


 席に着くと広い食堂に、二人と一匹だけ。


「やっぱりなんか寂しいっすね。昨日までは姉貴とマリーちゃんがいたんすけどね」

「そうだね……」


 S級冒険者のアイリさんとマリーさんは昨日、依頼のために王都を出発した。


 極秘依頼のようで、僕たちにすらどんな依頼か伝えずに。


 いや、まあアイリさんは「言うなって言われたけど、別にいいと思う」と言って話そうとしてたんだけど。

 マリーさんが「ダメよ! 私とアイリだけの秘密なんだから!」と言って喋らせなかった。


 一回口を滑らせてエルフの国に行くと言っていたが、何をしに行くのだろうか。


「今日も午後から依頼を受けに行くっすか?」

「うん、ごめんね、いつも付き合わせて」

「いいっすよ、あたしは楽できるっすから」


 シエルは朝の一時間で疲れ切った身体を癒すため、午前中は休憩として依頼を受けに行かないのだ。

 それにアリシアは付き合ってくれる。


 朝食を食べ終わり、シエルは部屋に戻ってベッドで軽く寝転がる。

 僕を抱き枕にして、一時間ほど眠るのだ。


 こうすることで魔力を少しでも回復しやすくしているらしい。

 この方法を教えてくれたのはヘレナさんだから、おそらく効率的なのだろう。



 そして正午になる前に、ヘレナさんからお弁当を貰って僕たちは冒険者ギルドへと向かった。


「今日は何を受けるっすか? 蜘蛛は……」

「いや!」

「っすよね。じゃあちょっと難しめの依頼受けるっすか。ヘレナちゃんとの訓練の成果も少しは出ているかもしれないっすよね」

「うーん、そんなに早く出るのかな……?」


 まだ少ししか訓練をやってないけど、あんなにキツくて辛いんだったら成果は出ているかもしれない。


「まあ物は試しっすよ。難しいのがあったら受けるってことで」

「うん、わかった。キョースケもそれでいい?」

「キョー」


 もちろん。


 ギルドに着いてカウンターに行き、受付嬢に難しめの依頼を見繕ってもらう。

 S級への依頼は受けられないが、A級向けの依頼は受けられる。


 そして選んでもらったのが、ある魔物の討伐依頼。

 強い魔物でA級以上じゃないと厳しいらしい。


「じゃあこれでいいっすよね?」

「うん、ちょっと不安だけど……」


 まだA級じゃないシエルは、依頼書を見ながらそう言った。


「大丈夫っすよ、あたしもいるし姉貴より強いキョースケもいるんすから」

「キョー」


 うん、危なくなったら絶対に助けるから。

 タキシムやドラゴンぐらいの相手じゃなかったら、余裕で倒せると思うしね。


「……そうだね。それにA級を目指してるんだから、それ相応の依頼もしっかり受けていかないとね」

「そうっすね。今回は虫の魔物とかじゃないっすから」

「うっ、嫌なこと思い出させないで……」


 少し身体を震わせて、シエルは苦笑いをした。


 そして僕たちはその依頼を受けて、ギルドを出て目的地へと向かった。





この度本作は、ドラゴンノベルスで書籍化いたします!

タイトルは

「不死鳥への転生 ドラゴン倒せるって普通じゃないよね?」

です、少し変わっています。

10/5に発売予定です。

詳しくはTwitterをやっているので、フォローしてくださると嬉しいです。

よろしくお願いします!

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