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第57話 一緒に王都へ?

平成最後の投稿ですね。

令和でもよろしくお願いいたします。


 その後、シエルは王都に行くためにカウンターで手続きをする。


 最初は受付嬢の人と手続きをしていたが、途中でカリナさんに変わった。


「……行くんだね、シエルちゃん」

「うん、お姉ちゃん。絶対に帰ってくるから」


 昨日と違い、二人とも穏やかな笑顔を浮かべている。

 しっかり話し合えたというのは本当のようだ。


「わかってるわ。はい、これで手続きは終わり」

「ありがとうお姉ちゃん」

「うん、これでシエルちゃんは王都に行っても大丈夫。あとで王都のギルドに渡す紹介状をあげるから」


 ようやく手続きが終わり、王都に行けるようになったみたいだ。


「あのね、シエルちゃん。お姉ちゃんね、決めたことがあるの」

「ん? なに?」


 とてもいい笑顔で、カリナさんは言った。


「私も、王都に行こうと思うの」

「……えっ?」

「キョ?」


 カリナさんも、王都に?


「えっ、お姉ちゃん、それはできるの?」


 シエルはそう聞き返した。


 そうだよね、一応こんな人でもギルド長なんだから、そう簡単にいかないんじゃないの?


「ギ、ギルド長! 何言ってるんですか!」


 さっきまで手続きをしてくれていた受付の人が、慌てふためきながら話に入ってきた。


「今言った通りよ、私は王都のギルドに自分を左遷するわ」

「そ、そんな、自分で地位を下げてまで、王都に行くんですか!?」

「別にギルド長にこだわってないし、もっと大事なものがあるから」


 カリナさんは最後の言葉を、シエルを見ながら言った。


「だ、だけどそんな急に言われても……!」

「わかってるわよ、私も無責任に行くつもりはないから。色々やってから行くから、そうね……二週間でケリをつけるわ」

「そ、そんなに早くですか!?」

「そうよ、これから忙しくなるわ」


 な、なんかカリナさんが勝手に決めていってるけど、本当に王都に行くつもりのようだ。


「ということでシエルちゃん、私は二週間後には王都に行くから」

「いいの? 私一人でも大丈夫だよ?」

「お姉ちゃんが一人じゃダメなの。あの家に一人でいたら、寂しくて死んじゃうわ」


 その言葉に僕とシエルは驚く。

 まさかカリナさんがそんなことを言うとは思わなかった。


「ふふふ、お姉ちゃんはシスコンだなぁ」


 とても嬉しそうにシエルは言った。

 カリナさんも笑っている。


「王都で家を借りて、一緒に住もうね。キョースケも……まあ一緒でもいいわ」

「キョ!?」


 なんか僕の扱い適当じゃない!?


「ダメだよお姉ちゃん、キョースケいじめたら」

「だって最近シエルちゃんがキョースケばっかりかまってて、お姉ちゃん悲しい」


 二人は楽しそうに笑いながら話している。


 まあ二人が仲良くてよかった。

 昨日の感じを見てて心配だったから、安心した。



 そしてその後、カリナさんと別れて商店街に出かけた。


 明日には王都に出発するらしいので、今日は依頼を受けてないで準備をする。


「何を買うっすか?」


 アリシアが隣を歩きながらそう話し始める。


「まずは食料っすよね。王都までは馬車で1日ぐらいだから、そんなにはいらないっすけど」

「私一人なら半日足らずで着く」

「それは姉貴が魔法でめっちゃ速く行くからっす」


 アイリさんは風魔法が得意だから、一人だったらそれを使って移動するらしい。

 風魔法もすごいけど、半日中魔法を使っても大丈夫な魔力量もすごいな。


「アイリさん、本当にアイリさんの家に住んでもいいんですか?」

「良いと言ってる」


 先程カリナさんが王都で家を借りると言ったとき、アイリさんが自分の家に住めばいいと言った。


「私の家は無駄に大きい。シエルとカリナが来ても全然大丈夫。むしろ推奨」


 推奨した理由は……まあ説明しなくてもわかると思うけど。


 それでも僕だけが理由じゃなく、今までシエルたちの家に住ましてもらっていた恩返しみたいなものもあるようだ。


「アイリさん、ありがとうございます!」

「うん、これからもよろしく」

「あたしも一緒に住んでいるから、よろしくっす!」

「アリシアもよろしくね!」


 そしてその後、食料を買って馬車の手続きなどをし、明日のために今日は休みを取った。

 シエルと一緒に家に帰ると、引越しのために服とかをカバンに入れたり、部屋を片付けたりと、色々と準備をした。


 これから王都では、しばらくは三人と一匹。

 カリナさんが来たら四人と一匹で暮らしていくみたいだ。


 今までもシエルの家で楽しかったけど、アリシアも増えてさらに楽しくなりそうだ。


 しかしアイリさんの家って、どれくらいでかいんだろうか。

 S級冒険者だから大きいんだろうけど、シエルたちの家もでかかった。


 ギルド長のカリナさんと、A級冒険者だったお兄さんが買った家だ。

 それを超えるとはあまり思えないけど、アイリさんとアリシアの言い分からするともっと大きいみたい。


 そんな大きな家を見たこともないし、入ったこともない。


「アイリさんの家はどんな家だろうね。楽しみだね」

「キョー」


 シエルもワクワクしているようだ。


 そして僕たちは明日のために、準備を進めた。



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