始まりは浴室から
はじめての投稿なので、なにか不手際があれば
すぐにお伝えください!
「あぁ… また遅刻だ… 単位終わったな… ハハ…」
そう呟いた彼は寝ぼけたまま立ち上がり浴室へと
向かい、鏡を見る
「…ほんとにやる気のない面してるよなぁ、俺って」
(俺の人生平凡なのは分かってるけどほんと暇なんだよなぁ… 才能が欲しいとは言わないがなんかこうあるだろ!)
自分の顔にネガティブな評価を下し、この世についての不満を心の中で愚痴る。 これが彼の日常であった
(まぁ、なんとかなるだろ… とりあえず風呂入ろ)
服を脱ぎ、彼は浴室の扉を開ける。
するとそこには今までの平凡な日常にはなかった
非現実な光景が広がっていた
「…はぁ? なんじゃこりゃ? 俺はあれか?
天使にでもなったのか? …いや、違うだろ…」
眼前には雲のような地面があり、一歩踏み出してみると高級な絨毯のような感触がする。そして、目の前には神々しいという言葉では片付けられない程の輝きを放つ神殿のようなものがあり、彼の思考は混乱という2文字に収束していた
(なんだここは。天に召されたパターンか?
あれだな、パトラッシュパターンだな。そうだな。
そうに違いない。 …てか、俺裸じゃねえか!)
「入るがよい」
どこからか声が聞こえてきた瞬間に目の前の扉が開く
裸のまま入って良いのかという彼なりの逡巡もあったが意を決して扉をくぐる。
「うわぁ… すげえ… 輝きすぎて目がチカチカしてくる…」
内部は全てが金で出来ているといっても過言では
ない程の眩さを放っていた。しかし、その中で一風変わった椅子に彼は目を奪われた
(なんであれだけ木で出来てるんだ? いや、木で出来てるのに何故あの椅子だけがこんなにも俺の興味を
引くんだ?)
「それは始祖木ユグドラシルから作った木じゃよ。
金などでは比べ物にならんぐらいの価値があるんじゃ」
「うぉっ! なんだ!? …誰ですかあなたは?」
急に声を掛けられ、驚きながらそこを見ると極々平凡な男性が立っていた
「儂はあれじゃ。神じゃからな。敬ってもよいぞ?」
「…まじで? 見た目めっちゃ普通なのに?」
「まじじゃ。 そうだな… 一つ面白いことをしてやろう」
自称神が呟いた瞬間に神殿内に大きな雷が落ちる
「くっ! なにしてるんだよ! …すいませんでした。
ほんとに神様だったんですね。 ほんとすいませんでした」
雷が落ちた場所から巨大な龍が召喚され、
こちらを威嚇している
「分かればいいんじゃよ。 すまんね、このような真似をして。」
「いや、なんかこっちこそすいません。 えーと、とりあえず、なんで僕が神様のところにいるんですか?」
「それは君が願ったからじゃよ。 平凡な日常が嫌じゃと。 分かりやすく説明すると100年に一度だけその世界の住人の願いを叶えてやるという制度が神界には
あっての、君はそれに選ばれたんじゃ」
神様の発言に信じられないといった表情で立ち尽くす彼にある一つの疑問が浮かぶ
「えーと、じゃあ僕はなにかしらの才能をもらって終わりですか? それとも、僕自身が何かを決めれるんですか?」
その発言に対して神は黙り込み、重々しく口を開く
「本来は儂が君に加護を授けて終了じゃ。
ただのぉ… 君には協力してほしいことがあってなぁ… 聞いてくれるか?」
「えー、はい。 どうすればいいんですかね」
「君が住んでいる世界とは違うところで、魔物が凶暴化していてのぉ… 儂も迂闊には現世には手がだせんくてな… そこで、君の願いを叶えた上で儂からも加護を授けよう。 じゃから、その世界に行って魔物を倒してくれんかのぉ?」
「そうですねぇ… まず、僕自身がそういったことに慣れてないのとですね、あとはまぁ、頂ける加護次第ですね」
「魔物については君がいた世界の生き物とはかなり形態が違うから恐らく大丈夫じゃ。 不安であれば君の精神を強化しておこう。 加護は魔法と剣技の才能を授けるつもりじゃ。 あぁ、言葉や文字などは理解できるようにしておくから安心してくれたまえ」
「なるほど… まぁ、それだったら行かせてもらいます。 とりあえずどうすればいいですか?」
「おお! 感謝するぞ! では、名前の後にこの言葉を言ってくれないか?」
「えー、明見大輔は天上神ファクトゥの名において
転生を行う! 我に加護があらんことを!」
宣言の言葉を言い終えると大輔の身体が透明になっていき、10秒ほどで完全に消えていた
「あ、あっちの文化教えるの忘れておった…
えーと、どうするかのぉ… ………なんとかなるじゃろ…」
神様は適当であった