【ダンジョンバトル】の準備 2日目 森に行こう
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「誠に申し訳ございませんでした・・・」
目の前で、土下座して誤っているライカ。
勿論、この世界に土下座なんてないから、やり方を教えたのは俺だ。
そんな、俺の周りではスライム達が、ピギィと鳴きながら飛び跳ねている。
「何事にも限度はあるよな?それはわかるよな?
初心者に対して、いきなりスライム6匹相手しろってなんなの?
それとも、この世界ではそれが普通だったりするわけ?」
あの後、どんどん数を増やされた俺は、最終的に6匹を相手させられた。
もはや、攻撃する暇もなく、足がもつれ転んだところでスライム達に拘束され負けが決まった。
それに対して、惜しかったですね~、と暢気に言ってきたので土下座を教え実行させているのだ。
「いえ・・・、初心者とは思えないほど動きが良かったので、経験があるのかと・・・。
それに、必死なところがかわいらしかったので、つい苛めたく・・・。」
「ん?最後が聞こえないんだが・・・。
まぁ、無我夢中だったから覚えてないが、動きは問題ないってことか。」
そんな俺の肩を、スライムの1匹が触手を伸ばしてポンポンと叩いてくる。
なんか、妙に人間臭いスライムだな。
「しかし、スライムに負けるか~。
この世界のスライムってどれくらいの強さなんだ?」
「普通のスライムは、攻撃はせずに、スカベンジャーの役割を果たしております。
スカベンジャーとは、所謂、死体を食べたりして環境に還元する役割の生物ですね。
プルプル震えたりして、大変かわいらしいのでペットとして人気だったりします。」
「こいつらは、普通に攻撃してきたんだが?」
そう言って、俺たちはスライム達を見る。
俺の視線を受けてなのか知らないが、スライム達はそれぞれポーズを決め、ピギィと鳴く。
「ここのスライムは、スライムの進化種でバトルに特化しているタイプですね。
本来なら、コアと呼ばれる部分を攻撃しなければ倒すことができず、動きとしては初心者向け、厄介さとしては中級者よりに分類されるはずなんですが・・・。」
「まじで・・・?よく偶然とはいえ倒せたな。
というか、何故最初からそんな奴と戦わせたんだ・・・?」
「モンスターの怖さを知ってもらおうと思ったのですが・・・。
勝ち続けてしまったので、行ける所まで行ってしまおうかな、と。」
呆れてしまって、何も言えなくなってしまった。
そんな、俺の周りでスライム達が踊り始めた。
やばい、ちょっとこの子達可愛すぎるな。
この世界では、スライムをペットとして飼ってるみたいだし、後で1匹飼ってみるか。
「それで、ライカ。
訓練の続きをするのか?」
「いえ、このスライム達相手に戦えるのなら、外の森ぐらいなら十分いけると思います。
危ない時は、私がフォローいたしますので。」
「わかった。
森にはどんなモンスターがいるんだ?」
「森にはゴブリンとコボルト、奥のほうにオークたちがいますね。」
「ほとんど、俺のダンジョンと構成は一緒ってことか。」
「ウルフ種がいないだけでそうなりますね。
危険度はDランク。
冒険者のレベルで言えば、このスライム達より下のレベルが基本来ることになります。
つまり、冒険者になったばかりの人達ですね。」
「ってことは、俺のダンジョンもそういった層を狙ったほうがいいのか?」
「いえ、この森では3種がそれぞれ敵対しておりまして協力しあうことがありません。
故に、危険度が一番低いランクとなっております。
私達のダンジョンであれば、協力して排除に向かうでしょうからC、森とクロが上手く機能すればBランクの冒険者たち相手でも時間稼ぎぐらいはできるでしょう。」
正直言って、ランクだとか言われてもわからないが、多分凄いことなんだろう。
ここら辺は後で説明してもらうとするか。
「それじゃあ、早速森に言ってみるとするか?」
「そうですね、移動しましょうか。」
俺は、なんとなくスライム達にバイバイと手を振ってみた。
ピギィと鳴いて、触手で同じようにしてくる。
やべぇ・・・、絶対飼おう。
訓練施設を出て、すぐに馬車が用意された。
なんでも、俺達ダンジョンバトルの参加者は国から支援されるようになっているとのこと。
メフィストさんは既に仕事に戻ったらしいが、頑張ってね~、と言付けを受け取った。
馬車に乗り込み、移動を開始して15分ぐらいで森に着いた。
「でっけぇ森・・・。」
「それでは、中に入りましょうか。
といっても、今は森の中には、ほとんどモンスターがいないかもしれませんが・・・。」
「なんかあったのか?」
「城に来た時に女王様が、リン殿が異常発生したモンスターを狩りに行ったと言っていました。
ですので、いたとしても数は少ないかと・・・。」
「リン殿っていった・・・」
ドゴオオオォォォン!
森の奥深くから急に大きな音が聞こえてくる。
ついで、獣達の騒ぐ声。
「どうやらリン殿が暴れているようですね。
少し見に行ってみますか?」
「危険はないよな?」
「大丈夫ですよ。
私達を攻撃してくることはありませんよ、多分・・・。」
「おい?最後が不安なんだが?」
「さて、いきましょうか。」
そう言うと、ライカが駆け足で行ってしまう。
「ちょ!?置いていくな!」
俺は慌てて、ライカの後ろを追いかけた。
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