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死後の世界2

これで死後の転生までが終わります。

長いプロローグになってしまった・・・。

男が扉を潜り抜けた先は、何もない真っ白な空間だった。

辺りを見渡しても何もなく、男はもしや騙されたのか?と疑問を感じた時


 「待たせてすまなかった。

 異世界転居希望者だろう?早速手続きを始めようか。」


 突如響いた声に後ろを振り向くと、女性がいた。

男が見た中で、他に比べようもないぐらい美しい女性である。

・・・その頭に角があり、背中から翼が生えていることを除けばだが。

そんな人が、椅子に座り、テーブルへと書類を置きながら寛いでいるのだ。

先ほど見渡した時には確実に何もなかったはずなのに・・・。


 「どうした?そちらに立ってないで座ってくれ。」


 男が固まっているのを見かねた女性が声を掛けてきた。

男は、大人しく指示に従い対面に椅子に座る。

 

 「まずは名前を聞かせてくれるか?一応資料はあるが名前が書かれてなくてな・・・。」

 「俺の・・・名前・・・?・・・名前・・・。」

 「成る程、名前は消されたか、それならそれでいい。

 さて、ここに来たということは死神から勧められたんだろう?

 奴からはどこまで聞いたんだ?」

 「・・・・・・地球ではない他の世界に転生させる、そのために異世界転居の手続きをする必要がある。

 ・・・これぐらいです。」

 「つまり、ほとんど何も聞いてない、ということでいいんだな。

 よ~くわかった。」


 女性は溜息をつくと


 「異世界への転居と転生、この二つは似ているようで違う。

 まずはこの違いが分かるか?」

 「・・・・・・転生ってのは生まれ変わるってことですよね?

 転居ってのは普通引越しとかで使う奴だけど・・・ちょっとわかんないですね。」

 「そうだ。この場合の転居は地球という世界から異世界への星の引越しだと考えてくれていい。

 その際、管理する神が変わるからその手続きをしているものだと思ってくれ。

 転生ってのはお前が言ったとおり、生まれ変わることだ。

 本来なら神の加護がある支配域でのみ転生するのだが、極稀に不具合で他の世界に生まれることもある。

 この場合、その転生者は世界中から命を狙われる存在となってしまう。

 そうならないためにもここで転居の手続きをしてもらう、ということだ。」


 そこまで言い切ると何か質問は?と問いかけてくる。


 「不具合で生まれたのに、命を狙われるとはどういうことでしょうか・・・?」

 「簡単に説明すると自浄作用だ。

 不純物が入ったら体は取り除こうとするだろう?それが世界規模で起こるものと思ってくれ。」

 「恐ろしいですね・・・。」

 「それでも中には天寿を全うするまで、生きた強か者もいたがあんなのは例外だろう。」


 遠い目をしながら告げられる言葉。

過去にいたその転生者のことを思い出しているのだろう。

まぁいい、とかぶりを振ると他にはあるか?と問いかけてくる。

男は少し考えるが、特に思いつかないので先を促す。


 「今、転生者を募集しているのは・・・4つほどだな。

 1つ目は、世界中で戦争が起こっておる世界。

 2つ目は、発展が著しくない後退した世界。

 3つ目は、科学ではなく魔法へと発展した世界。

 4つ目は、地球とよく似ているが魔法もある世界。

 それぞれ理由もつけられておるが聞いておくか?」

 「・・・・・・そうですね、もうほとんど決まってるかもしれませんが聞いておきましょうか。」

 「了解した。

 1つ目の世界だが、どこもかしこも人手不足でな。

 転生者は育つと現地人より能力が優秀になることもあり戦力として欲しいそうだ。

 2つ目は、転生者の知識が欲しいそうだ。

 地球で起こった知識ごと転生させるからそれで発展させて欲しいと。

 3つ目も2つ目と同じく転生者の知識目当てだ。

 地球のように科学が発展しておらんから転生者の知識で魔法をさらに発展させたい。

 また、極稀におる、魔法が使えぬ者にも使える魔道具の開発をして欲しいそうだ。

 4つ目、この世界は比較的平和だが、近々悪魔どもの王を決める戦いがあるそうでな。

 転生者に協力を求めるとのことだ。」


 4つの候補とも、どれも理由だったり情勢だったりでどれもロクなもんじゃない。

男は考え込むが、どれも平和な人生を送れそうにない気がする。

1つ目は論外、2つ目、3つ目は自分の知識が役立てるとは思えないし、自由がなさそうだ。

4つ目は戦いだが、協力となっている。

内容次第だがこれに賭けるしかないだろうか。

まずは疑問点をぶつけてみる。


 「4つ目は悪魔の戦いの協力・・・ですか?

 一応詳しく聞かせてもらえませんか?」

 「4つ目の世界、名をバルグランドといってな。

 魔法もあり魔物、所謂モンスターもいるお前さん達のげえむとやらに近い存在だ。

 この世界では人族と魔族がおって悪魔は魔族に含まれる。

 そんな中で悪魔たちの王、いや今は女王か、が隠居するということで次世代の王を決める必要がある。

 ただ争うだけではなく、悪魔としての力を試すための戦いということで提示されておるのが

 【ダンジョンバトル】というものだ。

 各魔王候補達が色んなダンジョンを作り上げ一定期間内に、集めた総魔力が高いものが次代の魔王になる。

 転生者はその魔王候補の補佐としての役割だ。」

 「自分が戦ったりとかは・・・?」

 「自分から戦いたいと思わん限りないと思うぞ。

 転生させたものの動向は、ある程度こちらに報告はあるが過去の協力者が戦死したとは報告は来ておらん。」

 

 自分が戦う必要はない。それならばこれでいいのではないだろうか。

男はそう考え、女性に自分の考えを話す。


 「4番目の世界、ばるぐらんど?でお願いします。」

 「他の世界の説明を聞かずにいいのか?

 他の世界を気に入るかも知らんぞ?」

 「・・・まだましだと思うんでこれでいいです。」

 「それならば仕方ない。

 だそうだ。メフィストよ。後はそちらで頼む。

 他のものはすまないが今回は縁がなかったということで。」


 突如後ろに呼びかける女性の声を聞き、思わず後ろを見やると

いつの間にいたのか4人の男女が立っていた。

そのうちの1人の女性が、こちらに笑顔で手を振ってくる。

それに頭を下げ、少し目を放した隙に3人が消えていた。


 「私の世界を選んでくれてありがとう。

 詳しいことはさっちゃんに聞いたかしら?」

 「・・・さっちゃんってのは誰なのか分からないですけど・・・。

 悪魔の【ダンジョンバトル】ってのがあって、それの協力者になるのが転生の条件でしたよね?」

 「あら、あの子名前を名乗ってなかったのね~。

 まぁ、今後会うこともないでしょうけど。

 その通りよ~。悪魔と協力して立派なダンジョンを作り上げるのがお仕事。

 それ以外は基本自由よ~。」

 「・・・基本ってことは何かしら制約があるってことですよね?

 それを教えてもらっても?」

 「簡単なことよ~。自殺はダメ、妨害だったり協力して潰しあうとかはありだけど、

 相手の協力者を殺したりってのはダメとかそんなことよ。」

 「・・・後でルールブックか何かあったらお願いします。」

 「後で持ち物に入れておくわね~。

 それじゃ貴方のパートナーを紹介するわ~。

 らいちゃん、おいで~。」


 ほのぼのとした声が響くと、目の前に魔法陣が描かれ光を放つ。


 「御呼びでしょうか、悪魔女王様。」


 そこにいたのは虎の姿をした人であった。背中には翼があることを除けば獣人であると言えるだろう。


 「らいちゃん?こちらが貴方のパートナーになる人よ~。

 頑張ってね?応援してるわよ~。」

 「こちらが私のパートナーでございますか?

 ライカと申します。よろしくお願いいたします。」


 そう言って、手を伸ばしてくる。

男は、その手を握り返し、

 

 「此方こそよろしく頼む。名前は・・・ないけどな。」

 「それなら私が名前をあげるわね~。

 そうね~、ウォードってのはどうかしら~?うん、良いと思うわ~。」


 まだ何も男は答えていないのだが、名前が確定したらしい。

ウォード、か。新しい名前には少し違和感があるが問題はないだろう。


次回は転生しやっとダンジョン運営が始まるはずです。


誤字、脱字などありましたら報告いただけると嬉しいです。


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