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〜プロローグ〜オーバーアンドオーバー
「私になにか用があるのですか?」
長い髪の毛の隙間から覗き込むように見えた目から俺の表情を見るなりその瞳孔と、言動から推測するに警戒心しかなかった。
「あ、あ、あ、あの…わわわわわ私今な、なにもなくてお、お渡しできるものがあ、ありませんが、わ、私に出来ることがあれば、なんでもしますっ」
「あ、あのだな」
一声かけるも彼女は耳を貸す様子もなくただ、ひたすらに頭を下げ「すみません、すみません」と誤っていた。
「おい、違うんだ、」
「すみません、すみません」
「だから、話を…」
「すみません、すみません」
俺は頭に血が登り彼女の頭を鷲掴みにし俺の首を後ろから前へとフルスイングし、彼女のおでこへとぶつけた。
「すみまブベッ「聞けぇー」」
俺はこの十六年間の中初めて恋をした。
そう、この残念少女に。