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短編集

嘘発見器

作者: Re:over


昼間になったので、弁当を取り出して食べようとした時、部下からの知らせが来る。


赤城あかぎという男性が自宅で血を流して倒れていたという通報があったそうだ。


刑事である清本きよもとは弁当を持って殺人現場へ向かう。部下に運転させ、車の中で食事をさっさと済ませる。そして、事件の情報を聞いてみた。


赤城という男性はアパートで一人暮らしをしており、その自宅で倒れているのを大家さんが発見。その後警察に連絡したそうだ。


現場に着き、赤城の部屋である201号室に入る。


既に検視の人達が死体を処理していたが、リビングには死体のあった位置を示すテープが貼られていた。


死因は出欠多量、ナイフで腹部を刺された後、ナイフを引き抜かれた衝撃で異常なほど血が飛び散って死んだのではないかという推測だ。


凶器であるナイフはその場に捨てられていて、指紋は拭き取られている。それにはちょっとした細工がされており、ボタンを押すと傘のように刃が開くのだ。


ナイフを刺した後にボタンを押して引き抜いたせいで普通より大きく傷口が開いたのだろう。


リビングの床は血の絨毯と化している。その血で気がつく。


「あれ、これダイイングメッセージじゃないか?」


死体のあった場所の隣にダイイングメッセージのようなものがあり、「仲地太一」としっかり名前が書かれている。


「そのようです。一応現在この人物を捜索中です」


「わかった」


もう犯人は捕まったと同じだ。理由は簡単で、去年導入された「嘘発見器」によって言い逃れは出来ないから。


この嘘発見器の存在のおかげで犯罪件数は格段に減少した。だからこの事件はすぐに解決すると清本は思う。しかし、そんな都合の良い話など無かった。


仲地を見つけ、署に連行したという知らせを受けたので署に帰る。


仲地は既に嘘発見器を取り付けられていた。彼は平然としている。それでもって自信有り気な表情を晒していた。


「率直に聞く、君は赤城さんを殺したね?」


「いいえ、私は殺してません」


「......え?」


その場にいた仲地以外の全員が呆気にとられた。


普通、嘘をついた場合は機械が大きな音と共に振動するはずであったからである。


その後何度試しても結果は変わらない。


この発見器が壊れているのだろうか、ということで新しい物を持ってきても反応は同じ。


結局、仲地は犯人ではないということで終わることの無い捜索が再開した。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読書に疑問を植え付ける終わり方が魅力的ですね。 人と機械の出した答えの差、どちらが正解というわけでもなく、犯人かどうかさえ明かさない。 斬新ですね。 [気になる点] 短編だと多少は仕方がな…
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