プロローグ 0歳から3歳まで
1995年2月19日、僕は生まれた。
この頃の日本では阪神淡路大震災やらなんやらで大騒ぎしていたらしいけど、正直どうでもいい。
僕は生まれた頃の記憶は曖昧であんまりよく覚えていない。だが年齢的に途切れ途切れの記憶は何故か覚えている。
例えば0歳くらいだ。言葉では上手く表現出来ないのだが、目に映るもの、『真っ暗闇の中に大きくて丸い、青白くて気体のような』、言ってしまえば『魂』である。笑ってしまうかもしれないが、僕は至ってマジメである。
次に覚えているのが2歳頃だったような気がする。(「気がする」と言っておきながら、僕の本心の頭のなかでは「2歳頃の記憶だ」と明確に打ち付けられているのだが。)その記憶は2階の寝室にある、兄と姉の二段ベッドに掛かっている梯子に登っているというものだ。
これらの記憶がどうなのか、というものははっきり言ってしまえば『どうでもない』のだが、僕は『記憶には自信がある』ことを言いたい。記憶といっても暗記とか『覚えたいことに対して使う記憶』ではなく『見たこと、感じたこと、思ったことをインプットする』方の記憶だ。この力を使って、僕は今一度過去に遡ろうと思う。自分がこれまでどんな人生を歩んできたのか、それを無駄にしないために。