昨日はチャーハン、一昨日ハンバーグ
「あら困ったわ。今日の晩ごはんなに作ろうかしら。昨日はチャーハンだったし、一昨日はハンバーグだったわよね。三日前は……、チャーハンだったわね。その前が……、たしかチャーハンだったかしら? で、その前の日が……、あら、なんだったかしら? やだわ、最近記憶があいま……、そう! チャーハンだったわ! で、その前の日は確実にチャーハンよね。優太の誕生日だったものね。優太、泣いてたわね。そんなに嬉しかったのかしら。ハンバーグ食べたいっていうから『まかせて! 宇宙一のハンバーグ作るわよ』って大見得を切った後で、満を持してのチャーハン登場! なにも泣かなくたっていいのに。チャーハンならいつでも食べられるんだから。そういえば一昨日ハンバーグ作ったときも嬉しそうだったわね。泣きながら『神様ありがどうございます』だって。神様に感謝せずにわたしに感謝しなさいっての。あと旦那もわたしに感謝しないんだから。もう夫婦の会話もほとんどないし。いつからかしら。そうね、わたしがチャーハン作り続けた直後ぐらいかしら。まぁでも、夫婦ってそんなものよね。それより今日の晩ごはんなに作ろうかしら」