異世界いったら平和でした。
この世界に出てくるスライムは粘液タイプよりもド○クエみたいなマスコットタイプだと思ってください。
「異世界キター」
俺は思わず叫んでしまった。学校の帰り突然できた大穴に引きずりこまれ気づいたら草原に俺はいた。俺は異世界もののネット小説が大好きだった。だからこの自分に起きた状況をすぐに理解できた。これは異世界召喚であると。
「おいおい、ここから俺の物語が始まっちゃうよ。ハーレムや俺tueeeが待ってるよ。ふふふ、ぐふふふふ。きっとこの辺に襲われている可憐な少女がいるはずだ探さなきゃ。」
俺は意気揚々と人を探すために歩き出した。
☆☆☆
少し歩いたところで魔物…おそらくスライムとそれに囲まれている少女を見つけた。
「お、さっそくイベント発見、蒼い髪に黄色い目の幼女か、いいね。まってろ俺が今すぐ助けてやるっとう」
俺はそういいながら少女の元に近づきスライムを蹴とばした。
「大丈夫かいそこの彼女、俺が来たからにはもう安心だ。さ、こっちにくるんだ。」
さわやかスマイルを浮かべて少女に語りかける。だが少女の反応は全く別の意外なものだった。
「スラちゃんになにするの!こっちにこないで!!」
俺はその言葉に思わず動揺してしまう。
「え!?だって魔物だろう?キミ襲われていたんじゃ…」
「何言ってるの!!魔物が人を襲うわけないじゃない!!」
帰ってきた言葉はさらに意外な言葉だった。思わず素っ頓狂な声を出してしまう。
「え?襲わないの?…」
思ってたのと違う…オタク少年タケルの異世界生活構想は早くも暗礁に乗り上げたのだった。
☆☆☆
その後、先ほどあった蒼髪の少女、ミアちゃんから説教を受けた。高校生にもなった俺が小学生くらいの幼女に説教を受ける姿は滑稽としか言えないが悪いことをしたのは自分なのだから仕方がない。俺はこの説教の傍らこの世界の情報を得るため質問を重ねていた。
「つまり、この世界では人間と魔物は仲良しと」
「うん、人間と魔物だけじゃなく亜人も精霊族もみんな仲いいよ」
「この世界に魔王は存在しない」
「魔王?なにそれ美味しいの?」
「この大陸全てが一つの統一国家でできていて戦乱もない」
「うん、1000年前に統一されたままずっと続いているんだって」
「領主や国王も善政をしいていて少なくともこのあたりじゃみんなから慕われている。」
「領主様すっごくいい人なんだ~」
「騎士団が優秀すぎて犯罪者もほとんどいない上にすぐに捕まる。」
「騎士団の人、かっこいいよね~」
「おまけに魔法文化のおかげで日本と同レベルの文化レベルを誇っている部分が多い…」
「日本ってなに?」
「結論」
「俺の冒険終わったんじゃね?」
タケルは心からそう思った、元来異世界モノでは異世界は文化レベルが低いため内政チートができたり、戦乱などでドロドロしているから、その世界の異物である異世界人がチート能力で活躍することができ、ハーレムや俺tueeeができるのだ。だがこの世界はそれ以前の問題だ、いや実際はこの世界自体にはなにも問題がないのだが、それが問題だ。何も問題無い世界では活躍の場が存在しない、活躍のためのイベントが起きない。これはもはやチートがあろうがなかろうが関係ない状況じゃないか。おかしい、こんなの俺が望んでいた異世界生活ではない。もちろん危険な目に合うのはいやだから、ハードモードな世界ではなく、できればほどほどに荒れていてほどほどに活躍できる。ちやほやされる世界を夢見ていたのに…どういったことだこれは?
俺は混乱していた、思い描いていた世界と違う、俺はこの世界でどうやって過ごしていったらいいのだろう?活躍できないならこの世界での居場所を作るのは難しいかもしれない。そもそもこの世界は俺がいなくてもまわってしまっているのだ。勇者のように必要とされることもなく、ただ異世界からこっちの世界にまぐれ混んできた邪魔もの…あれ、自分で考えていて涙が出てきた。
「これからどうしよう…」
俺は素直にそう思った言葉を発してしまった。
「ん?お兄ちゃん行くあて無いの?というかお兄ちゃん何者?このあたりの人じゃないよね?」
「あ…ああ、俺、実は異世界人みたいなんだどこにもいくあてがないんだ」
俺は素直に異世界人であることを口走った、本来こういうのは隠し通していくものだ。実際タケル自身このことを隠してミステリアスさを演出し、ハーレムメンバーができ、仲良くなった頃合いで「俺、実は異世界人なんだ…それでもいいかい?」「あたりまえでしょ(ハート)」のような甘い展開に使おうと思っていたのだ。だがもはやそんな展開はあり得ない。自暴自棄になったタケルはあっさりと喋ってしまったのだ。
「異世界人?ふーん。困ってるんだ?なら家くる?一人ぐらいならなんとかなるかも、お父さんも困っている人がいたら親切にしなさいっていってるし」
「え、いいの?」
「うん、助け合いの精神は当たり前だよ。これぐらい当り前だよ。」
め、女神だ!タケルはそう思っていた。そして同時に理解した。この世界が平和な理由…それはきっとこの子みたいにこの世界の人々はいい人過ぎるのだろう。でなければこんな道端にいた怪しい男を連れて帰ろうなんて発想することなんてないはずだ。
「んじゃ、お言葉に甘えさせてもらいます。」
「うん、村はこっちにあるのついてきて」
俺は彼女のあとをついて村の方向へ向かっていった。
「さて、どうしたらいいかな…」
異世界の活躍の夢を捨てきれずに口走ったその言葉は誰に聞かれることも無く風に消えていった。
☆☆☆
そこはとても大きな村だった、規模としてはもう少しで小さな町に届くんではないかという大きさだ、見た目はほとんど中世ヨーロッパ風のファンタジーによくあるタイプの村なのにあちらこちらで色々な魔道具が使われており生活レベルは日本に匹敵するものになっている。その活気ある村を獣人や魔人、人間やエルフなどが仲良く談笑しながら過ごしていた。
「うぉー。ファンタジーな建物だ!それにしても魔道具便利すぎだろ…。獣人だあの尻尾と耳モフモフして~、エルフってやっぱきれいだな長生きなのかな~」
俺が感想を述べながら驚きでそこに止まっているとミアが焦れて声をかける。
「お兄ちゃんなに止まっているの?家はこっち早くいくよ!」
「ちょ、ちょっとまってよ」
俺は後ろ髪を引かれるような思いをしながらミアを追い駆け出した。
☆☆☆
「ここがミアの家?」
「うん!」
目の前には他の建物とほとんど変わらない一軒家が立っていた。ミアはそのドアに手を掛けなかに入る。
「お父さん~お母さん~ただいま~」
ミアに続き俺も家に入る。
「おじゃまします…」
中に入ってまず驚いたのはその広さ、正直外の大きさと計算が合わない。
「なにこれ、大きさ違う…中、二階建てになってるし…いくらなんでも魔道具やりすぎたろ…」
奥に進んでいくとリビングと思われるところに赤髪の女性と蒼髪の男性がいた、おそらくこの二人がミアの両親だろう。
男の方がミアに声をかける。
「おかえり、そちらの人は?」
「この人はタケル、なんでも異世界人なんだって、どこにも行く当てがないからってことだから拾ってきた」
拾ってきたってそりゃないよミアさん。…まあ、間違ってないけどさ…
「そうか、困っている人を助けるなんて偉いぞミア」
そういって男はミアの頭をゴシゴシなでる。
「初めましてタケルくん、私はレーネ、こっちはダリスよよろしくね」
そういってレーネは自分たちの名前を説明する。
「初めまして、改めましてタケルといいます、行く当てもない僕を助けてもらってミアさんには感謝しています。」
「いやいや、困った時はお互いさまだろ?行く当てがないならここに住んでいきなさい。私はそれなりに稼いでいるから子供が一人増えようがまだなんとかなるからね」
ダリスがなんでもないことのようにそういってのける。俺は正直、この世界の人共通のいい人さに薄気味悪さを少し感じていた。そのため頬をひきつらせながらも否定の言葉を口にする。
「いや、さすがにまずいですよ。幼い少女がいる場所に居候なんて…男はみんな狼なんですよ?」
「ははは、大丈夫だよ。君はそんな悪い人には見えないし、そんなことをする人なんてこの世界じゃほとんどいないからね、いざとなったら魔道具や騎士団もいるから問題ない。それよりも少年を一人ほっぽりだして見捨てる方が問題だろう?」
「…はぁ、そうなんですか…」
すみません、俺は悪い人間です。
本当にここの人々はどうかしている。だがこの好意を受けない選択肢はないかもしれない。実際俺には頼れるものはなにもない。拠点はなにもなすにも必要だ。だから俺は大人しくこの好意を受けることにした。
「じゃあ、よろしくお願いします…」
こうして、俺はミアの一家の居候としての日々を過ごすことになった。
☆☆☆
あれから一週間がたった、この世界は本当に平和で…この一周間は本当に特に何もなかった…。
俺はミアのお父さんから居候させてもらうだけでは悪いからと事務仕事をもらっている。ミアのお父さんは町の衛兵でその資料らしいが、正直機密文書とかたまに紛れ込んでいてこれでいいのかとも思う…まあ、この世界ではこれを悪用する人はいないのだろうが何とも言えない気持ちで仕事を続ける。
ちなみにこの世界の言葉はなぜか変換して使えていたので問題はなかったが文字は読めなかった、だがそこは万能便利道具の魔道具さん、なんとあっさりと翻訳するものが見つかり今では問題なく過ごせている。…正直俺はもう魔道具は四次元ポケットから飛び出してくるものと同等として扱うことにした。今、俺の机の上には用途のわからない変な魔道具が散乱している。なぜかこんなものが欲しくなってしまったのだ、理由は思いつくがあまり考えたくなかった。
「ふう…」
朝早く起きて最近日課となっている準備体操を行う。しばらくやっているとダリスさんもやってきて参加した。
「相変わらず早いな~どうだ?こっちはなれたか?」
ダリスさんのその質問に俺は苦笑しながら答える。
「ええ、まあ特に何もなかったですからね。魔道具も便利だし慣れました」
そうやって二人で会話しているとどこかから怒声が響いてきた。この世界に来てからは二回目かもしれない珍しい。声の方へ目を向けると荷台のロープが切られバラバラと荷物が落ちていたそして一人の子供が女性に捕まり怒られていた。だが子供の顔はなぜか満面の笑顔だった。あまりにも珍しいその光景に俺は思わずダリスさんに質問してしまう。
「ダリスさん、あれなんですか?」
抽象的な質問だったがダリスさんは難なく答えた。
「お向かいのロックさんの子供…ああ、異端者か」
僕はダリスさんからこの平和で穏やかな世界にふさわしくない言葉が出てきたのに驚き、興味によりさらに質問する。
「異端者?なんですかそれは?」
ダリスさんは少し言いにくそうな顔をしながらも素直に答えてくれた。
「異端者っていうのはな、ごくまれに生まれる俺たちとは違った考えに目覚めてしまった人を指す言葉なんだ、なんでも彼らにとってはこの世界というか私たちはおかしいらしい。そんなことを言いながら異端者たちはみな犯罪に走ってしまうんだ。ほら荷台を崩したあの子みたいに」
「へぇ……異端者というからには現れたらさっさと処分してしまうんですか?」
俺はロックさんの子供という異端者を見ながら目を光らせいった。
「なにをバカのことをいっているんだい。どんな人間であろうときっと改心する。私たちのすることは彼らが何か悪いことをしたら何度も何度も何度も繰り返し叱り、しっかりとまともな人間に直すことだ…大人になっても治らずに犯罪を犯して騎士団に捕まる人もいるがそれも騎士団がしっかりと叱っているよ。」
相変わらず、甘い。というか優しいというか…だが俺はこの事件を眺めて一つの可能性を思い付いていた。この世界が平和で…悪が少なく、活躍の場がないというなら…
考えはあとだ、とりあえず今は戻ろう、そしてあの子供と接触を果たすのだ。
目標を見つけたタケルの心はその目標が良いことではないと分かっているのになぜか晴れやかとなっていた。
☆☆☆
「足いってぇ…」
ついさっきまで捕まり正座で説教を受けていたこの子は足をさすりながら森を歩いていた。向かう先は秘密基地、昔の異端者が作ったものを発見し改良して使っている場所だった。
そして秘密基地へと到着し、テントの入り口を開けようとするすると後ろから声が掛かった。
「おい、そこのキミ」
反射的に反応し、近くにあった木の枝を広い身構える。目の前には黒髪の少年が立っていた。
「なにもんだてめぇ、つけてきたのか!!」
怒りを表しながらもじりじりと距離を詰め襲い掛かるタイミングを計る。だがそんなことをしているこの子の行動の前で男は無警戒にも笑い出した。
「そう、これだよこれ、この反応だよ。やっと俺の世界の人間のような人物に会えた…」
わけのわからないことを言う男に対しもう一度言葉を投げかける。
「誰だってきいてんだよ!!」
「おっとこれは失礼、俺はタケル、異世界人だ、争うつもりはない」
「異世界人?ハッそんなもんがいるわけないだろう!」
「いいよ、いいよ。その反応だ。」
キモい…素直にそう思った。否定された反応を喜ぶなんてこの男はどうかしている。男はこちらの様子を気にすることもなく話を続ける。
「キミはさ…正直この世界がおかしいと思っているんだろう?」
「…!」
「俺もそう思う。この世界は歪に平和で穏やかでそしてつまらない…」
「…」
「だから、荷台のロープを切ったんだろう?この世界をより面白くするために、この世界に何かを起こすために…だからキミは説教をされているにも関わらずあんなに笑顔だった。俺にはわかるよ…俺も同じ気持ちだったからね」
「…」
「だからさ、手を結ばないか?」
「手を結ぶ?」
「そう、俺の目的は荒れた世界で活躍して平和を作り、英雄になってみんなからちやほやされることだ」
「ハッ、この世界じゃ夢のまた夢な夢だな。」
「わかってる。俺もこの世界に来てそれは理解したよ、…だけど不可能じゃない。キミを見てそれを理解したんだ…」
「どういうことだ?」
「この世界でも悪さをするやつはいる、悪さをすることができる。ならなんてことはない。俺は魔王を作り、それを自分で倒す…マルチポンプ…簡単にいったら自作自演さ…。一人なら無理だが仲間がいればできる。だから手を組みたい」
「そんな話、信じられるか!!」
「ふふふ、そうだよね。だけどこのままだったら、キミ一人ならやれることはたかが知れているよ」 「…!」
「一緒に世界を変えないか?俺とキミならできる。この世界をもっと輝きに満ちた面白い世界にしようよ」
それは悪魔の囁きのような言葉だった、世界を変える…このつまらない世界を変える方法があるのなら…乗ってみてもいいかもしれない。何より自分と同じようなこの変な男が何をなすのか無性に知りたくなっていた。
「…わかった。手を組んでもいい…」
「ふふ、これで魔王同盟締結、これから新たな世界が始まる!」
こうして彼女レミはタケルと手を結んだ。彼女もタケルの言う通り新しい何かが始まる…そんな気がしていた。
☆☆☆
「ふーん、ここがレミの秘密基地か」
俺は周りを見渡した。森に上手く溶け込むように隠されたこの秘密基地はおそらく知っているものでは見つけられないと考えるほどに巧妙に隠されている。テントの扉を開け中に入ると中は相変わらずの不思議空間だった。
「酒場…みたいな感じか一応二階もあるみたいだな。異端者ってのはみんなこんな秘密基地を持っているのか?」
「さあ?あまり他の同種とあったことないからな、ただ持っている人間の方が多いとは聞いたことがある、ここも元は昔この村にいた異端者が残していたものを俺が発見して利用しているんだ。」
彼女はそういいながら、この世界の冷蔵庫のような魔道具から飲み物をだした。
「ほらよ。」
投げてきたそれを受け取る。
「サンキュー、いやーレミとは話安くていいや、どうもこの世界の人たちとはなじめなくてな。なんかみんなまとも過ぎてなんでも信じるから疲れるんだよな…」
「まあ、わかるよ。この世界ってことは異世界は違っているのか?」
「お、異世界しんじてくれますか」
「べ、別に信じてるわけじゃねーよ」
「まあ、それはいいや」
「おい」
「異世界はまあ、平和だがこっちよりドロドロしているな、だけどみんな欲望を持ってその時を生きていた。こっちの世界の人間は…なんか生きているって感じがしないんだよな。なんでもそろっていて平和でいいことなんだろうけど…上手く説明できないけどそんな感じだ」
「そうか…」
レミは何か考えるように顔を俯かせた。そして顔を上げると質問をしてきた。
「それでタケルは何をする気なんだ、魔王ってのはなんなんだ?」
「魔王ってのはそのまま魔を統べる王のことだ、最近はいいやつとか美少女とかになってることも多いが基本悪いことする親玉って考えてくれればそれでいい。」
「なるほど、つまり俺らがそいつを作るっていうか演じてそれを倒す役をタケル自身が演じるってことか」
「正解、頭の回転早いな。要は俺らの存在を気づかれないように暴れまくってそれを魔王のせいにすればいい」
その言葉にレミは呆れながら
「あんた悪い奴だな」
と言った。
「いまさらだろう?」
俺は素直に返事を返した。
☆☆☆
「なんにしてもいまのままではまだ戦力がだりないな」
しばらく会話をしてお互いの意見をまとめたレミがそう言いだした。
「そうなのか?」
「ああ、大規模な悪いこととなると騎士団のやつらが出てきやがる。あいつらはかなり強い…正直今の俺たちでは瞬殺だ」
「そんなに強いのか?」
「ああ、なりふり構わず突っ込んでくる異端者をお互いに無傷で捕縛できる連中だからな、魔道具の質も錬度も桁違いだ」
「そうか…」
やっかいだ…。魔道具といえば俺も使っている。便利な秘密道具のようなあれのより質のいいものならどんな効果を持っているかもわからない。正直現状はローグ系のゲームで装備なしに盗みを働き店主に追われるぐらいの戦力差があるとみていいだろう…ムリゲーだ。
「なら、騎士団とは極力戦闘をしない方法を考えないといけないな、捕まってもこの世界の人間ならひどいことはしないと思うが次からの活動が警戒されて困難になるかもしれない。」
「そうだな」
「地道に活動していって話が広まれば、俺たち以外の隠れている異端者も出てきて仲間になるかもしれない数が少ないだろうが、それまではなるべく村近辺で行動してなるべく小規模のものから初めていこう」
そして俺は座っていた椅子から立ち上がり
「よし、とりあえずは道具集めと手下集めだ。手下集めは今はまだ難しいだろうが、道具は色々な魔道具を集めるぞ」
「道具ならここにもすこし残っているからなんとかなる。手下は…魔物の里にいったらどうだ?」
俺はレミが口に出したことに興味を抱き質問する。
「魔物の里?」
「うん、そう。魔物の里っていうのはその名の通り魔物たちが住んでいる里のこと。この村にも少なからず魔物がいたのを見ただろう」
「ああ、何匹かいたな、ミアもスライムを何匹も飼っていたし」
「あんたの世界はしらないがこの世界では低級の魔物はお互いに気の合う者同士なら飼い主として雇うことができるんだ。ミアは里にいって何匹ものスライムに好かれて連れて帰ってきたんだな。基本低級魔物は主人となった人の命令に従う。上手く育てれば立派な戦力になるはずだ」
その言葉に俺はうなずきながら
「なるほど、なら里とやらに今度いってみるか…。レミは里にいっていないのか?」
そう言うとレミは首を横に振りながら
「俺がわざわざそんなめんどうなことをするとおもうか?まあ、今回は必要になりそうだからな。タケルと一緒にいってやるよ」
「おいおいめんどくさがるなよ…。まあいい。じゃあ次は里に行くための集合ってことで今回は解散でいいかな」
「わかった」
俺たちはお互いにすべきことをするために秘密基地を離れた…
☆☆☆
「魔物の里に行きたい?」
俺はダリスさんとレーネさんに里へ行くことを打ち明けていた。一応自分は居候をしている身。しっかりと話を通しておいたほうが良いと考えたためだ。…ちなみに魔王同盟のことはもちろん話していない。
「ああ、ミアのスライムを見てたらうらやましくてさ、俺も里に行きたくなったんだよ。…あ、里への道は暇そうなレミを捕まえて案内してもらうことになっているから心配しないでくれ。」
「う~ん、まあ確かに異世界から来て魔物をみたこともないっていうなら気持ちはわからなくはないか…わかった、いってくるといい。」
「ありがとうございます、ダリスさん」
許可は取った後は里へ行くだけだ…どんな魔物が手に入るか楽しみだな…
☆☆☆
「お、来たか。」
里へ行く日待ち合わせ場所に行くとすでにレミが待っていた。
「レミならわざと遅れてくると思ったぜ」
「そんなことしても時間の無駄になるだけだろ?ほれさっさと行くぞ」
「へいへい」
レミの先導に従い里へと向かっていく。さほど時間もかからずに里には着いた。
☆☆☆
「ここが魔物の里かいろんな魔物がいるな」
スライム、猫型の魔物、蝙蝠のような魔物、実に多種多様な魔物が存在している。
「この中から低級の魔物で俺を主と認めてくれるやつを探すのか…具体的にはどうしたらいいんだ?」
その言葉に少しレミは考えたように頭を傾かせたあと
「確か一日この里を回ればよかったはずだ。主を見つけるのはその間に魔物側が行うらしい。一日たって見つからなければ縁がなかったということらしいな」
なんともアバウトなシステムだ。だがこちらから雇うことをお願いする立場なので相手が決めるというのは仕方ないかとも思う。
「なるほどな、んじゃとりあえず歩き回るか?」
おれはそういって歩き出した。
☆☆☆
スライムが現れた!
タケルはどうする?
→攻撃
防御
道具
はい、ふざけました。いや、目の前にいきなりスライムが飛び込んできたものだからつい…。
だが、目の前に来たってことはこのスライム脈ありか?
もじもじもじもじ
…なんかこのスライムもじもじしてるな…
「あの…何か用?」
「!!」
スライムは逃げ出した!!…ほんとに逃げられちゃったよ…なんだったんだ?
☆☆☆
時刻は午後を回りもう里から帰らなくてはならない時間になっていた。
「タケル~なんかいいの見つかったか~」
そういいながらレミはこちらに向かって歩いてきた。周りには猫型の魔物と狼型の魔物がいる。
「そっちは無事見つかったみたいだな。俺は結局見つからなかったよ…」
その様子を見て俺は少し落ち込んだ。
「あ~どんまい。こっちは猫獣族のミケ、こっちは狼獣族のロンだ」
「いいな~いいな~もふもふいいな~」
「おい、甘えるなよ気持ち悪いぞ。」
「うるさいぞ別にいいだろう」
俺はレミとじゃれ合う。すると横から声を掛けられた。
「主殿こちらがお仲間の?」
「うん?ああ、そうタケルだ」
ロンがしゃべりだし、それにレミが答える。
「あぁ、いぇぇシャベッター!!!」
あまりの出来事に俺は叫んでしまう。
「あ、タケルは知らなかったか、低級の魔物の中でもしゃべれるやつはいるんだよ。ミケも話せるぞ?」
「よろしくやんね~」
ミケがしゃべる。
「へぇーそうなのかますますいいな。」
じゃれ合いも終わり俺たちは里から村に帰ろうと里の出口に向かう。
そこへスライムが飛び出してきた!!
「お、このスライムあの時の…」
もじもじもじもじ
相変わらずあの時のスライムはもじもじしている。
さてどうしたものか。…これはもしかしてスライムは仲間になりたそうにしているとかいうあれなのか?俺はすかさずレミを見た。
「ただ一言、仲間になれっていえばいいんだよ」
なるほどそうなのか。ではいいとしよう。
「俺の仲間になってくれないか?」
ビクンッ、スライムの体が跳ね上がった。そして…
「私はスラリン…よろしくお願いします…」
消え入りそうな声でスライムはそういった。
「やったー俺にも魔物が手に入った~!!」
喜びをあらわにする。それを見てレミは呆れながら
「どうでもいい、さっさと帰るぞ」
少し不機嫌そうにそういった。
☆☆☆
スラリンを仲間に手に入れて半月がたった。俺はスラリンを立派な魔王の配下にするため日夜スラリンと特訓をしていた。
「よし、スラリンここでジャンプだ!!」
ぷるん
スラリンが高く飛び上がる。
「よしいいぞ、その調子!」
「相変わらず頑張ってるな」
秘密基地のドアをあけ、レミ、ミケ、ロンが入ってきた。
「まあな、仲間ができてうれしいんだ。修行も結構進んできたし、そろそろ行動に移してもいいかもな」
「そうか…いよいよか…待ちに待った気がするな」
その会話の中でロンが横から口を挟んでくる。
「それは主殿が私たちを仲間にするときに言っていた世界を変える行動ってやつか」
レミはそれに答える。
「ああ、そうだよ。世界をより面白くするための計画さ、でどういう行動をするんだい?」
続くレミの質問に俺は答える
「今回は、まず様子見だ、様子見とは言っても成功させるがな。今回は俺とスラリンだけでやる。レミたちは様子を見といてくれ」
「わかった」
こうして俺たちの計画が始まった。
☆☆☆
行商隊が進んでいくあと少しで次の町に着くというところでそれは佇んでいた。
…そうスライムだ。
もじもじもじもじ、スラリンは初めての大役に緊張していた。だがこれは敬愛する主から託された任務…失敗は許されない。スラリンは気合を入れ直すと体を器用に動かし、魔道具の効果を発動させた。
ボン、打ち上げ花火のようなものが魔道具から立ち上がる。
「な、なんだ!?あれは!?」
行商隊の面々は混乱したように飛ばされた物体をみる。それは空中で爆発し、文字を作り出した。
---我は、全ての悪を統べるもの…魔王。これより我はその力を取り戻し世界を闇に包みこむだろう…
そんな中二めいた痛い言葉を表示させながらスラリンは戦闘態勢に移る。
第一フェイズ終了…第二フェイズに移行します!!
スラリンは荷車に向かい飛び出し、吸着する液を放つ魔道具を荷物にばら撒いた。
「何!?荷物がくっ付いちまった!!」
液を大量に浴びた。荷物は荷物同士がくっ付き離れなくなっていた。
俺は遠くからその情景を見ていたそして念話の魔道具を使って指示を飛ばす。
「スラリン完璧だ、撤退しろ。後始末は俺が付ける」
「了解」
頃合いを見てスラリンは鍛え上げたジャンプ力を使い逃げ出した。
ふふふ、ストレス解消のために集めた変な魔道具たちがこれほどの効果を表すとは…物はつかいようなのだよ…。我らの魔王の力を見せてやる。
俺は仮面をかぶり、スラリンと入れ替わるように飛び出した。
…あとは任せます我が主!!、スラリンはそのまま林へと消えていった。
☆☆☆
行商隊は混乱していた、だがその中でもリーダーであるロイドは冷静に判断を下す。
「落ち着け、異端者による襲撃だ。騎士団に連絡をするんだ魔道具を使え!!」
「了解」
魔道具を使うように頼まれた男は連絡を入れようとする。だがその手から魔道具がなぜか吹き飛ばされた。
「なに!なにものだ!!」
ロイドの前に仮面をかぶった白髪の男が現れた。
「私は魔王四天王が一人、知略のリーン。我れらが魔王さまのご意思ゆえ、この行商隊を襲撃させてもらっている。」
「魔王四天王だと?!…ふざけるのはやめなさい。ほらおじさん今なら許してあげるから。早く仮面を取って大人しく騎士団に捕まりなさい。」
「もっと緊張感をもて緊張感を!!雰囲気が台無しじゃないか!!!…まあ、いい誇り高き魔王四天王に屈服の文字はないこれで終わりにさせてもらうぞ!!」
そういって、魔王四天王知略のリーン…タケルは手に持っていたパチンコを引き絞りロイドの頭めがけて放つ。飛び出した物体はロイドの頭に当たり腐った卵をあたりにまき散らした。
「ぐぁああ、くっせ~ぇぇええ」
「は~はは、これぞ私の作り出した秘密兵器!!臭いに苦しむがいい!!」
タケルはそういいながら足元に魔道具をセットしその場を後にする。
そして行商隊が臭いに苦しめられて前を確認していないのをいいことに近くの林の中に入り手早く衣装を着替えた。そう勇者の衣装に。タケルは叫び声を聞きつけやってきた体を装い。行商隊の人間に声をかける。
「そこの人!大丈夫ですか?何がありました!?」
「うぁ、キミはこの先の町の人かい?魔王四天王だがなんかを語るものに襲われてね。卵で目と鼻をやられたんだ。」
「魔王四天王…!!最近ここら辺を騒がせてる奴らですね!!ですが僕が来たからもう大丈夫です。戦闘用の魔道具も持ってますし、すぐに追い払います。」
そういってタケルは先ほど設置した幻術を見せる魔道具が見せる偽のリーンに攻撃を仕掛ける。
「喰らえ光の鎖縛」
光がリーンを包む、幻術のリーンは事前に設定されていた通りダメージを負いながら逃げ出した。
「ぬう、小癪な!ここはとりあえずひかせてもらう!」
「まて、逃がすか!!」
そういって逃げ出したリーンを追うフリをして足元の魔道具を回収した。
「すみません、逃がしてしまいました。」
申し訳ないようにタケルはロイドに向かっていった。
「いやいや、追い払ってくれただけでも助かったよ。ありがとう」
ロイドは卵をふき取りながら。そういって笑顔を向ける。
…ちょろいな…
この世界の人間は疑うことを知らない、彼らはあっさりとタケルの言葉を信じた。こうしてタケルの作戦は成功したのだった。
☆☆☆
「すっげー!!」
レミは興奮していた。鮮やかな手並み、そして悪を演じるときの気品の高さ、何食わぬ顔で正義の味方として現れる神経の強さと演技力。そのどれもがいままで彼女のしてきたいたずらがちっぽけなものに見えてしまうほど完成されたものだった。
「確かにすごいなタケルの言っていた世界を変えるということもこれを繰り返せば可能かもしれん」 ロンがつぶやき、ミケがうなずく。
これからは俺たちも一緒にああやって戦える。湧き上がる興奮とまだ見ぬ世界を思い描いてレミの頬は緩むのだった。
☆☆☆
タケルと行商隊は少し遅れながらも町に到着をした、接着の魔道具の影響はすでに取れ、消臭の魔道具を使い臭いを取り何の問題もなかったように商品を卸していく。
…やっぱ、魔道具ですぐに元通りか…。予想していたとはいえ、この世界の魔道具は便利すぎるな…
タケルがそう考え込んでいると後ろから肩を叩かれた。
「よう、少年。お前が犯人なんだろう?」
「…!」
俺は思わず振り返った。振り返った先には金の髪を持ち緑の目を持った俺と同い年くらいの少年がそこに立っていた。
「俺はアーサーこの行商隊に派遣された騎士団の一人だ。」
「…」
「おいおい、そこまで警戒するなよ、しゃべるつもりはないって。ただ面白いことを考え付くな~と思ってただけだよ」
「…」
「…まあ、だが気を付けろよ今回は俺だったからよかったが騎士団の連中ならあんなのはすぐに見破る。まあ、騎士団の連中じゃなくてもみやぶれるやつもいるがな」
「…」
「くくく、つれね~な、俺は喜んでるんだぜ、騎士団なんて面倒な仕事押し付けられたかと思ったらお前みたいな面白いことする奴が襲ってきたんだからよう。まあ、せいぜいがんばれよ、そして俺を楽しませてくれ。ばれないようにきーつけろよ」
「…」
そういってアーサーは笑いながら去っていった。気づかれた…完璧な作戦を見破られたことに対する屈辱が俺を襲う。
「次はぜってい気付かれねー。お前ごとはめてやる!!」
俺の初めての作戦は成功と失敗といやなライバルの出現を残して幕を閉じたのだった…
多分続きを書かないと思うのでこの後の話のプロット
町編
初めての作戦を成功させたタケルはアーサーへのリベンジも含めてもっと大規模な作戦を行うためにこのあたり一帯を取り仕切る領主のいる町へ行く。村とは違った状況で行われる作戦とはそして今度こそアーサーを出し抜けるのか?
騎士団編
町での作戦を成功させたタケルは騎士団に目を付けられることになってしまった。そこでタケルは自分のアリバイを完全に証明した状況で作戦を決行させることを考える。騎士団との駆け引きが始まる
革命の12人編
騎士団との戦いも終わりのびのびとした毎日を送っていたタケルたち、しかしそこにアーサーからの紹介による、異端者連合の使者が現れる。11人の幹部が所属する連合に所属するため力を見せつけるためタケルの戦いが始まる。
平和の守護獣編
見事連合のトップになったタケル、だが巨大化した組織の前に現れたのは平和の守護獣ドラゴンによる制裁だった。ドラゴンへ反逆するため、新たな世の価値を見せつけるため。出来損ないのドラゴンを味方につけ決選が始まる
エンド




