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Colorful  作者: 蜜柑
第1章
2/5

闇の王子たち



いよいよ「城崎邸」に到着しました!


やばい。めっちゃ緊張する。




「どうぞ。お入りください。旦那様がお待ちです。」


『・・・はい。』


城崎邸の玄関前に着いて、迎えに来てくれた秘書の方と中に入る。




超広い・・・庶民に見せていいもんじゃないよ・・・。


「こちらです・・・。」


『あ、はい。』


超広い玄関と廊下に見とれていると、秘書さんから声をかけられた。


因みに秘書さんの名前は、高橋さん。



高橋さんに連れられて廊下を進むと、3つの部屋が並んでいた。



「こちらの部屋は、旦那様のプライベートルームでございます。」


そう言って、廊下を進んだ右にある部屋を指す。


「そして、こちらが書庫となります。」


次に指したのは、プライベートルームの向いにある部屋。




「そしてここは私の部屋でございます。」


どうやら、プライベートルームの隣は高橋さんの部屋らしい。



他にも、廊下を進んで抜けると、意外にもアットホームな空間が広がっていた。


広いキッチン、大きなお風呂。

トイレも超綺麗。


リビングダイニングも、普通の一軒家を大きくしたような感じ。



でもそこには誰もいなかった。



『あの・・・おじ様はどこにいるんですか?』


「はい。旦那様の仕事部屋は別塔になりますが・・・少々遅れてこちらに向かうと今、連絡がございましたので少々お待ちを。」


『あ、はい。わかりました。』





そのあと、高橋さんは家の説明を続行させた。


「二階は、陽斗様と暁斗様専用の空間となっています。」


『専用・・・ですか?』


「はい。お二人と専属の世話係の方の部屋、浴場、トイレ、キッチン、リビングダイニング、などがあります。」



何それ・・・ここと二階とは同じ空間になってるってこと?

家族なのに別々に生活してるってこと?


・・・そんなに歪んでんのか・・・息子さん2人は・・・・。




「三階には、物置部屋と、住み込みで働く方達の部屋があります。」


『・・・そうなんですかー・・。』



どうやら、秘書の高橋さんの部屋は、おじ様の部屋の隣。


私の部屋は、陽斗くんと暁斗くんの部屋の隣。


その他、住み込みの人の部屋は三階。


ってことらしい。




説明を受け終わったところで、おじ様が帰って来た。



「・・ふぅ・・・遅れてすまない。さぁ、そこに座ってくれ。」


そう言って1階のリビングにあるソファに座るように言われた。


ソファに座ると、おじ様の表情が少し和らいだ。

きっと、仕事の時は気を張っているんだろう。



「彩ちゃん・・・」


『あ、彩でいいです。』


「・・・彩、もう高橋から家の説明は受けたかい?」


『はい。詳しく教えていただきました。』



おじ様も一息ついて、その場が落ち着いたところで本題に入る。


「そうか・・・、じゃあ、改めてこれからよろしく頼むよ。」


『はい・・・こちらこそ・・・。あの・・・』


「ん?何だい?」


『なんとお呼びしたらいいでしょうか?』


「私のことかい?んー・・・何でもいいが・・・できれば他人行儀な呼び方は止して欲しいな。」


『じゃあ、雄二さん・・・とかでいいですかね?』


「・・・・うん。じゃあ、それでお願いしようかな。」


『はい。』


雄二さんは、とってもとっても優しい。

きっと、ここでは楽しくやっていけるだろう。

・・・息子さんたちによるかもだけど。



「それじゃあ、早速息子たちのことを頼むよ。」


『はい。』


「詳しいことは、高橋に聞いてくれれば大丈夫だ。」


『わかりました。お仕事頑張ってください。』


「ああ。それじゃ。」







それから、雄二さんは仕事へ戻って行った。


私は高橋さんに案内されて二階の2人の部屋の前に来ていた。



「ここからは、彩様お一人でどうぞ。」


『え、何でですか?』


いや・・・誰っ!?ってなるでしょ。

高橋さん、私のこと紹介してよ・・・・。


しかも、歪んだ兄弟2人相手とか・・・一人でホントに大丈夫?


「私はお二人に好かれていないので・・・。」


『・・・そうですか・・・』



こんな素敵な人嫌うってどういうことよ・・・。


高橋さんは綺麗な黒髪。

整って爽やかな容姿。


理想が高いと自負してる私から見ても、カッコいいと思う。



「・・・不安ですか・・・?」


『・・・いえ、大丈夫ですけど・・・何で好かれてないのかと思って・・・』


「どうやら、私の喋り方と態度が気に入らないらしく・・・」


『あー。歪んでるってそういうこともあるんですね・・・』


「はい・・・。不甲斐無いです。」


『いえいえ。それじゃ。頑張ります。』



仕方ない・・・どうやら私一人で行くしかないらしい。


どうにかなるでしょ。




「彩様のお部屋は、このお部屋の隣・・・そちらになります。」


『あ、はい。』


高橋さんが指したのは、二人の部屋の隣。


高橋さんが下に行った後、ひとまずその部屋に入ってみることにした。







ヤバい・・・。


わかってたけど、めっちゃ綺麗。


・・・何か、普通の部屋なんだけど・・・家具のセンスが良すぎる。


超広いこともないけど、普通にお金持ちの部屋。


家具も、高級っていうか、それより『素敵』。


部屋の南側には大きな窓。

端にベッドがあってその横にサイドテーブル。

部屋の真ん中にはソファとテーブル。

ミニ冷蔵庫もあって中には飲み物。

鏡台もあって、すごいオシャレ。

収納スペースも結構ある。

クローゼットも大きくて、意外と洋服好きな私には嬉しい限り。




ちょっとここで働くの楽しみになったよー。









じゃ・・・行きますか。




お二人のとこへ。








ついに、部屋の前に来た。


・・・と言っても隣だけどね。


あ、ちなみに廊下を進むと・・・


  リビングダイニング

  キッチン

  トイレ

  風呂


などなどがありましたー。




んじゃ・・・入ろ。うん。





コンコンッ

『失礼しまーす。』


そう言って、ドアを開けた。


「・・・誰だよ・・・」


『・・・・・・・・。』


態度悪いなー。おい。



こりゃ歪んでるどころの話じゃないよ・・・全く・・・。

ってかこっちの子弟じゃないの?


弟の歪み酷くね?


兄のほうが酷いって話じゃなかった?


・・・・兄よ・・・部屋に行くのが怖いぜ。


「誰、あんた。」


ベッドにいる人が言う。


・・・そう言えば自己紹介とかしなきゃね。


『・・・黒崎彩です。今日から住み込みで働きます。よろしくお願いします。』


「・・・俺、世話係とかいらないんだけど。」



恐らく弟の陽斗であろう人が、突っかかってくる。


『そうですか。まぁ、余計なことはする気ないですけど。』




はっきり言って私は面倒臭がり。


そして結構サバサバ・・・いや、バッサリしてる。


いや・・・クールとか冷たいとかじゃなくてね。


何か・・・ぶりっ子ってちょっと出来ないっていうか。


媚びを売れないっていうか。



ま、良く言えば裏が無い。



「・・・・・・。」


『一応、お名前を確認してもいいですか?』


「・・・その前に、敬語やめろ。ウザイ。」




良いのか・・・?


まぁ、本人が言ってるんだし・・・いいか。



『・・・了解。で?名前は?』


「・・・城崎陽斗。」


『あー。やっぱ弟だ。ちっちゃいもんね。』


「・・・てめぇ・・・俺を誰だと思ってる・・・」



いや、だって敬語が要らないってことは対等じゃん?


気ぃ遣う必要ないでしょ。


『陽人さん。だよね。自己紹介したばっかよ?私もそこまで記憶力乏しくないなぁ。』


「・・・・・うざ。そうい意味で言ってんじゃねぇよ。」



腹立つからこういうこと言うんだよ。


『すみませんでした。私は隣の部屋に住むことになったから、何かあれば呼んでね。』



陽人さんの枕元にはボタンがあって、それを押すと私の携帯に呼び出しの知らせが届くことになっている。


最近の機械はよくできてるなぁ。



「・・・・・・。」




そう言って私は陽斗さんの部屋から出た。



雄二さんの息子だけあってカッコいい・・・といか、顔は可愛い。


でも、態度半端なく悪い。


大丈夫かな・・・。





思いつつも次はその隣の暁斗さんの部屋に行く。



コンコンッ

『失礼します。』


「・・・・どうぞ。」




お?ちょっと陽斗さんより優しくね?



中に入ると・・・・誰もいない・・・あれ?



ちょっと・・・怖いんですけど・・・。


・・・・返事したの誰?



いや・・・暁斗さんは?



『あ、あのー・・・暁斗さーん?』


恐る恐る中に入って行く。





すると、ベッドと壁の間に・・・・いた。


陽斗さんより弱めな人。


・・・・陽斗さんよりおっきいけど。



「・・・誰?」


『あ、住み込みで働くことになりました。黒崎彩です。』


「あー。陽斗の世話係?」


『・・・・『あなた』と『陽斗』さんの世話係です。』


「・・・・俺に必要ないじゃん。」


『いや・・・だから、陽斗さんにも言いましたけど、余計なことはしませんから。必要なときだけ声かけてください。』


・・・この兄弟、ホントに似てるな。


言うこと一緒じゃんよ。



俺に必要ないって・・・・高橋さんの話じゃ、言われなきゃ何もしないって話。


ご飯も食べないらしい。


だからこんなに細いのか・・・。



「どうせまたすぐやめるんだから・・・」


『・・・今までの人はどれくらいでやめたんですか?』


「あ。敬語ウザいよ。」




・・・・・どこまでも似てるな。おい。


何でここまで『敬語』について文句言われるワケ?



『わかったよ・・・陽斗さんにも言われたけど・・・』


「うわ・・・同じこと言ってんの?キモ。」



仲悪いのかこの兄弟。



『・・・それで?前の人はどれくらいですか?』


「あぁ、んーと・・・3か月続けばいいとこ。」


『ほー。まー、頑張るね。』






とりあえず、収穫。


・兄弟は仲が悪い

・敬語は使っていけない

・陽斗さんはキツイ

・暁斗さんは毒舌

・暁斗さんは狭いとこに入る

・前の世話係の人はすぐやめる



うん。悪い収穫しかないネ。



とりあえず荷物片付けよ。




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