表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Colorful  作者: 蜜柑
第1章
1/5

光の道筋

私の両親が経営する施設「さくら園」。


0~18歳までの親のいない子供たちが入園する施設。


ちょっと有名。


木造りで温かい色の建物。

0歳から5歳までの子たちは大部屋でみんなで生活。

それ以上の子は年齢別に2人部屋で生活している。


食事はみんな一緒。

お風呂は大浴場。


反抗期の子たちを除けばみんな仲良しなの。


社長はお父さん。事務がお母さん。

私は子供たちの世話を手伝ったりもしてる。


あ、勿論他の従業員さんもいるけどね?



私はさくら園で、小中学生くらいの微妙な時期の子供たちの世話もしてる。

そんで、私のさくら園での仕事ぶりが意外と評価されたみたい。





ということで、今日・・・。





何故か、財閥の社長さんが私の真向かいにいます。


ねぇ・・・・どうしてだろ?

何があったんだろ?


すげー怖い。


もー、お父さんもお母さんも冷や汗かいてるよ。

あんなに、にこやかで滅多に笑顔を崩さないお母さんが、かっちんこっちんだよ。

お父さんなんて、もうこの世の終わりみたいな顔してるよ。



・・・・何が起こるんですか。



『・・・あの・・・何ですか?』


私は固まってる両親に代わって仕方なく聞く。


目の前に座ってるおじ様は、ダンディー風で優しそう。

でも、やっぱ立場的に怖く感じてしまう。


「突然で申し訳ありません。実は、あなたに頼みたいことがありまして」


と・・・・・私を見て言った。


『・・・え?私ですか?』


「はい。黒崎彩クロサキアヤ様・・・あなたに頼みたいことがあります。」


私に頼みたいこと・・・・・。

ってか、私が財閥様の役に立てることかあるっ!?


「・・・うちの娘に出来ることなんてあるんでしょうか?」


立ち直ったお母さんが聞いた。

お父さんも不思議そうに見てる。


「単刀直入に言うと・・・・・・・・うちの息子の世話を頼みたいんです。」


「「・・・はい?」」


ん・・・・?何?世話?息子の?



『・・・どういうことですか?』




「実は、うちには13歳と16歳の息子がいます。」


城崎財閥は結構有名な財閥だし、それは知ってる。


・・・それが?


「・・・しかし、13歳の息子は生まれつき足の筋肉の発達が弱く、自分で歩くことが難しいんです。」


『・・・そうなんですか。』


初めて聞く事実に少しびっくりする。


「そして、16歳の息子は精神的に弱い子でして、小学校を卒業してからほとんど家から出ていないんです。」


・・・そんなことがあるんか。

財閥でお金持ちでも、全てが定まっている訳ではないらしい。


庶民の考えだけど・・・。



『そうですか・・・それで、私に頼みたいことっていうのは・・・』




「はい。うちの息子はそういう子たちですので、世話係をつけているのですが・・・どうも懐いてくれなくて・・・」





ああ・・・なんとなくわかった気がするよ。うん。




『それで、私に世話を頼みたいということですか?』


「理解が早くて助かります。」


『でも・・・』


「あなたは、この施設でたくさんの子供たちをお世話してきたと聞いています。」


いえいえ。私なんてまだまだです。

この前高校卒業したばっかだし。


「もしよろしければ、私の息子たちの専属の世話係になっていただけないでしょうか。」




『二人とも、どう思う?』


私はお母さんとお父さんに聞いてみる。


「・・・う~ん・・・いいんじゃないか?お役に立てるなら行ってこい。」


「うん。私もいいと思うわよ?彩が決めることだけどね?」



うーん・・・私も就職先決まってるわけじゃないしな・・・。

ま、働くとしてもここで働こうと思ってたし・・・。


行ってもいいかなー。


そう思った時、おじ様がまた息子についての話をし出した。


とりあえず大人しく聞くことにしよう。



「13歳の息子は陽斗ハルトといいまして、強気な性格で世話をされるのをとても嫌っています。」


『・・・・・・。』


「16歳の息子は暁斗アキトといいます。先ほど言った通り精神的に弱いんですが、結構歪んだ性格なんです。」


『・・・・・・。』


「こんな息子たちですが、どうにか頼めませんかね・・・」



見たところ、おじ様も悪い人じゃなさそう。

むしろ、すごい優しいし、腰が低い人だ。


息子の紹介も、きっと悪いところを隠すことなく言ってくれたんだろう。







『・・・・・・わかりました。引き受けます。』


その子たちに興味もあるしね。


「本当ですか!?それは良かった・・・お母様、お父様・・・娘さをうちの息子の世話係にさせていただいていいですか?」



お父さんとお母さんを見ると、いつもの笑顔に戻っていた。


「もちろんです。よろしくお願いします。」


「娘をよろしくお願いします。」






「こちらこそ・・・娘さんにお世話になります。働くということになりますので、給料はしっかりお支払いします。」


『あ、ありがとうございます・・・・。・・・あの、住み込みですか?』



ここから、城崎様の豪邸までは20キロくらいある。

通えないこともないけど、面倒臭い・・・・かな。



「はい。住み込みのほうが楽だと思うので、そのようにさせていただきます。」


『はい、お願いします。』




そう言って、私たちは立ち上がった。


そのままおじ様・・・城崎雄二さんを玄関まで送る。





明日、迎えに来るらしいから、用意しなきゃ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ