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コンビニ と セガール


 偶然といえば偶然だった。

 俺は今週発売の週間少年漫画を買おうとコンビニに立ち寄った時、ドリンクの陳列台に佇むセガールを見かけた。

 一瞬、俺は「やばい」と思ってコンビニを出ようとしたが、どうやら向こうは俺のことに気付いていないようだ。

 それよりも、なにやら真剣にドリンクを選び悩んでいる。

 俺はすごく興味をそそられた。


 そういえばセガールって、こっちの世界で何を買うんだ?


 それ以前にコンビニに居ること自体がすごく奇妙である。

 向こうの世界の食べ物を見てきた俺としては、こっちの世界の食べ物全てがセガールにとって不思議なものに見えるのではないだろうか。


 俺は身を潜めるようにして物陰からセガールを観察する。

 ふいに、セガールがドリンクへと手を伸ばした。


 なッ!? こ、コーヒーミルクキャラメル味だと!


 外見に似合わず意外なセガールの選択に、俺は目を見開き愕然がくぜんとした。

 セガールが場所を移動する。

 見つからないようにして、俺もセガールの背後の物陰へと移動した。

 次に向かった先はデザートの陳列台だった。

 迷うことなくセガールはプリンといちごケーキに手を伸ばす。

 次いで隣の陳列台に置かれていたホイップあんぱんとチョコパンにも手を伸ばす。


 立て続けに甘味系攻撃!?


 甘いものが苦手な俺は何かこみ上げてくるものがあった。

 セガールが移動する。

 俺も何気に追いかけた。

 そして、セガールはお菓子の陳列台で足を止めてチョコ菓子を数個。移動して、サンドイッチ陳列台のフルーツサンドにも手を伸ばした。

 最後にアイスクリーム。

 この時点で俺はすでに耐えられなくなっていた。

 セガールがようやくレジへと移動する。

 レジに商品を置いて、そして店員に向けてセガールがトドメの一声を放つ。


「チョコまん一つ」

「スプーンはいくつお付けしましょうか?」

「一つで」


 笑顔の引きつっている店員をよそに、セガールは会計を済ませてコンビニを後にした。



 ※



 帰宅した俺は自室に入るなり怒鳴るようにして頭の中のおっちゃんに声をかけた。


『な、なんだ。どうした? 突然』


 なぁおっちゃん! セガールって実は最強だろ!


『……な、何の話だ?』



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