どうでもいいラジオ番組
『はい、時計の針が夜の十時を回りました。今夜も元気に始まりましたよ、SRBなんちゃってのコーナーです。
お相手はハツラツ元気な中年オヤジこと、DJおっちゃんと──』
……。
『はい。今夜も元気に挨拶してくれましたモップの二人でお送りしております。
この放送は【小説家になろうヒナプロジェクト】サイト内の、高瀬悠の投稿作品番外編からお送りしていまーす』
……。
『では、今夜もモップが大いに喜びのダンスを披露してくれているところで、さっそくお便りに行ってみましょう。
えーまずはラジオネーム【てけぽん】さんからいただきました御質問です。
どうして主人公の名前をちゃんと書かないんですか? 年齢や容姿についても全く書かれていないですよね? 教えてください。
はい、お答えしましょう。主人公にはプロフィールがないからです。
ちなみに俺のもありません。
まぁぶっちゃけで言えば、このキャラはこんな感じなのかなー? くらいの適当で、おっちゃんはいいと思います。
【てけぽん】さん、素敵なセガールの切り抜き写真をありがとうございます。同名というだけでこのセガールさんとは全くの別人ですけど、もうそんなイメージでいいと思います。
――はい。では次、どんどん行ってみましょう。
ラジオネーム【あるまげどん】さんからいただきました御質問です。
どうしてセガールだけ現実世界に来られるんですか? 教えてください。
はい、お答えしましょう。
それは魔法を使ってるからでーす。といっても、色々と複雑に事情が絡んでいるんで詳しいことは俺の口からは言えませんが、それでもどうしても詳しく事情が知りたいという時は直接セガールの野郎に聞いてみるといいでしょう。
まぁ聞いても何も教えてくれないと思いますが。
続きまして、ラジオネーム【トラック野郎】さんからいただきました御質問です。
クトゥルクって結局なんなんですか?
教えません。言ったら主人公がこっちの世界に来てくれなくなるからです。以上。
ラジオネーム【くとぅるん】さんからいただきました御質問です。
あっちの世界って、ほとんど食べ物がまずそうですよね。あれってなんでですか?
いや、おいしそうな物もあったぞ。ドラゴンの肉だとか、ヘビの蒸し焼きだとか、ワニの姿煮だとか、カエルの干物だとか、サソリのから揚げ、芋虫の踊り食い、カブトムシの姿焼き、百年蜘蛛のバター焼きだとか、コウモリの羽とガラ鳥の足とぴよぴよの目玉が入ったスープだとか。
あーわかった。これきっと主人公がもっとおいしそうに解説しながら口にしないからだろう。今度主人公がこっちの世界に来た時はもっとおいしそうなリアクションをしながら完食しろと言っておきますので、おいしくご想像ください。
――おっと、そろそろ終わりの時間が近づいてまいりました。最後の御質問です。
ラジオネーム【年中無休】さんからいただきました御質問です。
このシリーズ、いったいいつになったら終わるんですか?
なかなかストレートな質問だなー。【年中無休】さんにはこの物語の結末を一言でまとめた番組特製オリジナルステッカーを差し上げますので、納得がいくまで見つめていてください。
では。ここで終わりの時間となってしまいました。
今夜のお相手はDJおっちゃんと』
……。
『――で、お送りしました。また来週!』
◆
俺は書き止めていたシャープペンを静かに机の上に置いた。
ため息を一つ。
なぁおっちゃん。宿題の邪魔になるからそろそろ交信切っていいか?
『また来週!』
来週じゃなくて明日もまたこれやるんだろ?