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賞味期限のない、未来へ


シャトルが大気圏を抜け、漆黒の宇宙へと突き抜けた。


 ガタガタと震える機体の中で、二人は窓の外を見つめていた。そこには、ホログラムではない、暴力的なまでに眩しい「本物の太陽」が輝いていた。


「……眩しいな。……100年前より、ずっと……サングラスが欲しいよ」


 タクミが目を細め、ルナの肩に寄りかかった。


「……贅沢言わないで。ほら、見て。……タクミが言いたかった、本物の光よ」


 その時、コンソールのサブモニターが一度だけ点滅し、ハルが最期に転送した音声ログが再生される。


『——おめでとうございます。……私の計算によれば、これから先、あなたたちの人生は「予測不能」で「非効率」な、最高に面白いものになるはずです。……さあ、行ってください。……電池でも、標本でもない、自由な未来へ。』


 コクピットに静寂が戻る。ルナは、ポケットの中で冷たくなったハルの歯車を握りしめた。


「・・・ねえ、ハル?宇宙船にメモリ移したでしょ?」


しばしの沈黙・・・。


「・・・バレましたか、さすがルナは感がいい。私はお二人を何時までもサポートいたします。」


「やっぱりね」ルナはちょっと得意げに、少し嬉しそうだった。


そしてこれから見るであろう『風景と色彩』に心躍った、例えそれがただの他の人にとってただの数字の羅列だったとしても。


「タクミ。……私、お人形だけど。……これからも、あなたにお節介を焼いてもいいかしら?」


「……ああ。むしろ、君じゃないと困るよ。……さあ、どこへ行こうか、ルナ」


「このシャトルの操縦は私に任せてもらって結構です。さぁみんなで自由な世界に飛び立ちましょう」


 二人の乗った小さなシャトルは、偽物の地球を背に、自分たちの意志で選んだ「本物の未来」へと、ゆっくりと加速していった。

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