記憶喪失と謎の白骨
冷たい雫が額に落ち、男は目を覚ました。
「ここは一体,,,,,,,,」
クリスタルが綺麗に輝く洞窟、目の前には大きな滝が上から流れ落ちていた。
よくみると滝の上から光が差し込んでいてわずかではあるが風が入っているのを感じた。
「グラあああああ,,,,,,」
身震いを起こすような何かの叫び声。
鋭い視線の先、滝の上から下に飛んでくる青く巨大な生物。
青い炎を纏った気高きドラゴンであった。
体を器用に美しく飛行する姿に俺はただ目を奪われていた。
「今の俺が勝てるわけがない、すぐにやられてしまう・・」
直感的に危機を察知した俺は辺りを見渡す。
「滝の先、うっすら透けて見える空洞、一時的だが身を隠せる」
考える暇もなく俺は湖に飛び込み滝に隠れる空洞を目指した。
打ち付けられる水の流れを受けたが何とか潜り抜け、小さな空洞にたどり着いた。
中ではただ一つの光が見えるだけで視界は真っ暗。
「,,,,,,,,,,,起こせ」
どこからか確かに聞こえた謎の声。
「誰だ!誰かいるのか,,,!」
俺はただ見える一筋の光に向かった。
すると足元に何か当たった瞬間。
前方のランタンに火がついて俺は腰を抜かしそうになった。
なぜなら俺の視界に今にも崩れそうな白骨化した死体が横たわっていたのだ。
もう息をしていないはずなのに近くでは異様なオーラと圧倒される感覚。
注意深く近づいてみると手に黒く分厚い本のようなものを大切に抱えていた。
自然とその本が気になりゆっくりと引き出してみると”マルザハール”という文字が見えた。
だが驚くことに突然その文字だけが空中に浮かび上がり型が崩れるように散っていった。そして本には”エデン”と刻まれた。
魔導書はまるで自我を持っているかのように一番初めのページを開き、白骨化した者の頭上に浮かび上がった。
「リターン、それが私を解放してくれる。私に唱えてくれ。」
謎の声がまた聞こえる。
きっとこの白骨化した人なんだろうと思った。
俺は敬意を込めて
「リターン」
と唱えた。
そして一番初めのページには今の私には理解できない新しい文字が刻まれていった。
そしてこの時を長年待っていたかのように空に吸い込まれるように白い骨が崩れていった。
「グラああああああああああああああ」
滝の外で激しいドラゴンの叫びが聞こえる。
洞窟全体が揺れているかのような衝撃。
俺はすかさず滝を抜け辺りを見渡した。
空から届いていた一筋の光の先にドラゴンが横たわって気絶していた。
その上に禍々しい黒い大剣を突き刺し、こちらをみている男が
「ありがとな、今から俺はお前の剣になるからな」
そう言い放った声はさっき俺に話しかけていた謎の声と全く同じだった。
こいつは一体何者なんだ,,,,,,,,,続




