これが2歳児かよ(驚き)
2歳にもなると、ある程度の意思疎通は出来るようになるし、身体もそれなりに動かせるようになる。その為、
「風刃」
こうして言葉を発して野外でまるまる太った魔獣の首を切り落とす事ができる。
「マナ吸収」
一般的なジビエ肉になる獣とは違い、魔獣には多量のマナが含まれている。おかげで並の獣より獰猛で危険だが、図体がデカく味も良い。本来は討伐して血抜きして数日間干し肉にすればマナも乾燥中に消えて食べられるようになるが、俺ならマナ吸収で一瞬で魔獣のマナを全て吸い尽くせるので、ただのデカい獣と代わりない。
「解体」「収納」
五大元素属性魔法の演算は既に2年かけて100%完了しているので、それらの属性魔法なら最上級までマナ消費無しで発動出来るし、マナ吸収の演算も完了しているので吸収系魔法の最上級である「吸魔」「吸血」も使用可能になっている。これらの魔法を使えば認識している存在全てから同時にマナとライフ、つまりMPとHPを吸収し尽くせるが、集団殺人鬼になる気は無いし、設定書曰くこういった魔法は人類の敵である魔族特有の魔法なのであまり大っぴらには使用できない。
解体魔法は街の肉屋から、収納魔法は街の引越し屋さんから、双方あまり難しい魔法でないので、半年くらいの演算100%まで達成できた。そのおかげであらゆる動植物の瞬間解体が可能になり、収納も人間や生きている動物以外ならほぼ無尽蔵無制限に異次元ポケットに収納できる。女神様ありがとう。これ絶対魔法適性Sのお陰です。マジで感謝。もう女神様の姿うろ覚えだけど、教会行く機会あったら拝み倒します。
「鑑定」「収穫」「錬金」
これは去年、小さな風邪を引いた時、街の薬屋でこっそり習得して演算完了させた魔法だ。収穫魔法は街の農家さんから頂きました。他にも伐採や採掘、料理に掃除などなど様々な生活魔法も覚えているので大きくなってから職にあぶれる事は無いだろう。こうして街のすぐ側の森の奥でジビエ肉や健康に役立つ薬草を採取してライフ回復薬を作ったりマナ回復薬を作ったりしている。
「ただいま、ママ」
「おかえりナナシ、怪我してない?」
「無いよ、肉はいつものように冷蔵庫に入れておくね」
「いつもありがとうねナナシ」
最近気づいたが、うちには親父が居ないようだ。母さんは何も言わないが、街の狩人曰く、俺が生まれる前に、狩人だった親父は子供が産まれる母親に栄養をつけさせようと無理して1人で森の奥に潜って、魔獣に襲われて死んでしまったようだ。厳しい世の中だと思ったが、それもモブキャラである俺達だけだろう。設定資料集曰く主人公は勇者の家系の出身、ヒロイン達も伯爵の娘だったり国家級天才発明家だったり、豪商の1人娘だったり、まあこれが持つ者と持たざる者の格差かなと常々思う。
自作した簡易冷蔵庫に分解したジビエ肉を入れ、回収した薬草や回復薬も家の保管庫に入れておく。それぞれの過剰分もいつも通り自分の収納バッグ、収納魔法を刻印した子供用バッグに入れ、明日街の薬屋と治療屋に売りに行くことにした。
「ママ?ご飯食べた?」
「まだよナナシ、一緒に食べましょう」
「うん」
朝作り置きしたサンドイッチを簡易冷蔵庫から取り出し、自作の皿に持って家のダイニングテーブルに持って行く。これらの動作や行動が全て配膳魔法なんて言う物で全て済んでしまうから、これは科学発展が止まってしまっても仕方ない。現実だと来年3歳から幼稚園か保育園に入るべき年齢だと思うし、一応このエロゲ世界にもそう言った施設はあるので、通おうとは思っている。その為に毎日森の奥地でマナ抜きした魔獣の肉を売ったり薬草を売ったり、たまに街に来る商人に自作の陶磁器やガラス細工を売ったりもしているので、数十年生活に苦しまなくても良い資金は既に獲得している。主人公達の生活する学園がある王都の方には石鹸もあるが、俺達のいる田舎にはそんな物出回っている訳も無いので、これも夜なべして俺が作って商人達に頼んで周囲に売り捌いている。
魔法演算と魔法適性Sのお陰だなこれも。女神様ありがとう。
夕食を終え、いつものように自作の石鹸を使い、母親と風呂に入り終え、一緒のベッドで寝ていると、急に母親がこんな事を言い出した。
「3歳になったら洗礼を受けに行きますからね」




