この歳(精神年齢)で「ママー!」って呼ぶとは思わないじゃんね
「ナナシ!この子の名前はナナシにしましょう」
見知らぬ天井、見知らぬ人、見知らぬ服装に見知らぬ言葉。
どうやら先程までの女神様とのやりとりは夢でも何でもなく、俺は本当にあのエロゲー世界に転生したようだ。
「あー、あー、ああー」
あっ喋れない!これってもしかして乳児期からやり直し!嘘だろお前!この歳で母乳飲むとか新手のプレイだろ!おい!
「どうしたの?お腹が空いたの?」
うわぁお母さんめっちゃ美人。流石エロゲ世界と言うべきか、超絶美人でグラビアアイドルみたいな体型で尚且つ金髪碧眼。流石エロゲ。モブキャラでもキャラデザは抜群ですな。
「はい、ママのおっぱいですよ〜♡」
メルシィ。そしてデリシャス。美人お母様の母乳は味も栄養もトップクラス。な気がする。ごっつあんです!あっ眠い
「あらら、もうお眠なのね〜、いいこいいこ♡」
ママ!(最後の抵抗)ママぁ…(眠気に抗えず)ママ…(最終防衛線突破)
美人グラビアお母ちゃんにあやされたら赤ちゃんみんな寝ちゃうじゃんね。
数ヶ月後
赤ん坊時代に意識ONになってると、何が辛いかって、なかなか暇なんだよねこれが。特にこれ首も座ってないような時だから、まともに手足も動かせず、泣くかジタバタするか出来ねぇ。でも唯一出来る事と言えば…
「あいあーいあい(マナ吸収)」
「あいあああいー(魔法演算)」
赤ちゃん用の揺籠から窓を通して外の景色が見てみると、近所の人々が様々な魔法を使っている。風魔法で農作物を収穫したり、水魔法で馬車の汚れを洗い流したり、火魔法で火をつけていたり、土魔法で畝を盛り上げ、木魔法で作物に成長を促進させたり、かれこれ数ヶ月毎日窓の外を見るか泣くか母乳を飲むしかやってこなかったけど、毎日欠かさずに他の人が魔法を使う様を見ていたお陰で今では五大元素全て習得した。マナ吸収は無理にゴブリン達が襲ってきた時に、ゴブリン達が無意識に使っていたようなので、それを見て習得した。
以前にゲームの設定資料集を読んでいたおかげで、意外にもすんなりとこの状況に適応していると思う。ゲームの年代的に中世ヨーロッパ。現実の中世ヨーロッパと言えばスリと窃盗と盗賊とペストの蔓延る下水システムが完備されていない野糞塗れな街道。この世界でも似たような状況かと思っていたが、そこはエロゲーのご都合主義なのかなぜか倫理観その他諸々は現代を生きる俺でも受け入れやすいように整っている。上下水道完備、外道もピカピカ、スリも窃盗も盗賊もあまり多くなく、科学の代わりに魔法が発展し、おかげで技術進歩が止まってしまったような世界だ。もう少し身体が成長すれば色々とできる事が増えるが、木魔法を使って急いで成長する事も無い。そういう性癖は無いが、美人母さんのお乳が合法的に飲めるのだから、もう少しだけ飲んでいても良かろう。
「あっ…あっ…ぐすっ…」
身体がお乳を求めている。魔法演算と言う…まあ要するに覚えた魔法を分解してどうやって魔法って発動するの?どの要素が魔法のどんな効果を引き起こしているの?と言う魔法原理を追求する魔法をずっと使っていたせいで、お腹が空いてしまったようだ。この魔法は発動中はずっとマナを消費するので、マナ吸収と同時に使用している。これも並列発動みたいな実は超凄いスキルだったりするんだろうか。最初はマナ吸収の量が少な過ぎて一日中1%も進まなかったが、今ではマナ枯渇で演算中止する事も無くなった。代わりにずっと脳みそを使うせいで、腹が減る。
「おぎゃああああああ!」
我慢出来ずに泣き出してしまった。ごめんよおかん。こればっかりはまだコントロール出来ないんだ。
「ナナシ、もうお腹空いたの、元気な子ね、はい、おっぱいですよ♡」
う〜ん非常にボーノ。あっでもすっごい眠くなってくる。
「いっぱい飲めましたね〜、よしよし」
美人母に抱き抱えられ、争い難いゲップをすると、再び揺籠に戻され、うとうとし始めた。肉体年齢乳児だけど精神年齢結構いってるから普通にこれ屈辱プレイに等しいよな。負けないぞ。俺は成人俺は成人俺は……すやぁ…
数年後
「ママー!」
諦めて肉体年齢に従う事しました。我2歳児やぞ。




