これも魔族の特性?
「なんじゃこりゃ」
古代ラインツァーリ語の殆どはラインツァーリ語と同じ単語を使っているものの、文法や単語毎の意味も大きく変わっているようで、一体どれだけの年代が空いたらここまで言語が変化するのか逆に知りたくなった。仕方ないので再び大量の紙を取り出し、古代ラインツァーリ語の研究書を参考にシューデンブルゲの手稿本の解読に取り掛かった。
「うーん?うん?あー?えーと?」
読めば読むほど謎が深まる…研究書の方と照らし合わせてみても、もっと理解が難しい…全く分からん…この研究書も凄い曖昧な気がする…
「少し粘るか…」
結局夜まで粘ったが、読めたのは一行だけで、内容は「今から書き記す内容は私の考えであり、」と言う一行だけだった。
「…帰ろ」
指を鳴らして部屋に戻る。別に鳴らさなくても良いが、前世で見た外国の映画の真似をしているだけだ。
「お帰りなさいご主人!」
「ぶふっ!離して離して!抱きつき癖直してほんとに」
またもや窒息死寸前までマリアに抱きつかれてしまった。毎回絶妙に場所を変えているんだけどなんで分かるんだろう。
「今日はもういいの?」
「うん、今解読してる本があるんだけど、なかなか難しくて…」
「へー、なんて言う本なの?」
「禁書の中でも1番簡単な手稿本なんだけど、古代ラインツァーリ語で書かれてて…読めない」
「古代言語?私読めるかも」
「えっ!?そうなのか?」
「うん、魔族の言葉って色々な古代言語をごちゃ混ぜにしてるから、解読魔法を使えば読めるようになるかも」
「そうなんだ!じゃあマリア、俺に魔族語を教えてくれ」
「良いよ、じゃあこっち来て」
「ん?」
マリアに言われた通りに彼女に近づく。なぜか椅子に座った彼女は胸を突き出す様に両手を広げている。
「え、何?」
「はいぎゅー」
「うおなっん!」
両手を広げたままこちらに行き良いよく抱きついたかと思うと、おもむろにこちらの顔を両手で包み、そのまま優しくとだが抵抗できないような力で口づけをされた。
「ん!…ん!おまっ…ん!」
「ウォッシュダウン」
こいつ!舌まで…エロゲかよ!…エロゲだったわ。6歳児の抵抗虚しく、俺はマリアにされるがままだった。だがそれと同時に脳内にものすごい勢いで魔族語の知識が入ってくる。理由や原理はわからないし、魔法でも無いので演算もできないが、5分程したら既に俺も魔族語が理解できる様になったみたいだ。
「既に魔族語で話してるけど、私の話わかるでしょ?」
「本当だ、分かるわ」
「ご主人の言葉も私分かるから大丈夫、初めて他の人に使ったけど成功してよかった」
「もしかして魔族の人って言語習うたびに他の人達とフレンチキスしてるの?」
「いや?額に指当ててれば良いよ」
「じゃあなんで俺に!」
「そりゃ私がしたいから」
「ドスケベめ!」
「えへへ、ご飯食べる?」
「…食べます」
「もう出来てるから、温め直すね」
なんだかこう、マリアが大きくなってからは少し遠慮が無くなったというか、俺に対して随分と大胆になった気がする。平気で裸で風呂上がるし、スキンシップ多いし、偶に有無を言わさない強引さも見せてくるし、なんか俺も言い返せないし、これも魔族の特性なの?サキュバス族かよ…ゲームにはいるけど…マリア吸血魔族だったよな…?あっこのパスタうまっ…
結局その晩は寝付くまでニコニコしたマリアにいつものように就寝前の本の読み聞かせをした後、再び旧図書館に戻ってシューデンブルゲの手稿本の解読を再開する事にした。
「ん!本当だ!読めるぞ!えーとこれは…なるほどなるほど…生命魔法と人体改造についてか…ガチで禁書やんけ」
それと同時に解読魔法の進捗が大きく進む。どうやらこのシューデンブルゲの手稿本は生命魔法という動植物や人をマナから作り上げる、いわゆる人造人間の魔法で、それに付随してホムンクルスの弄り方も詳細に書き記されている。
「これ習得したらマリアの眼球作れるかも…」
流石に夜も更けてきたので、一旦本や研究はしまい、部屋に戻って寝る事にした。それから3ヶ月かけて、ナナシは初めての禁書を解読し終え、生命魔法と人体改造と言う2つの禁じられた魔法を手に入れた。マリアにも眼球を作って目が見えるようにできるようになった、と伝えたが、今のままで十分らしい。なので早速次の禁書に手を出す事にした。




