小人の箱棚
掲載日:2025/10/16
小さな棚の中に押し込められた大量の箱。
どれも原型を留めておらず、ボコボコに型崩れしている。
私はその箱を一つ抜き取って中を見る。
するとそこには、
ギチギチに箱に詰まった小人がこちらをギロリと睨んでいた。
時が止まったかの様に両手が硬直する。
血走った眼球。
赤いとんがり帽子。
隙間なく埋め尽くされた身体。
その様子に私はピクリとも身動きできない。
100人を超えるイライラした顔は、すべてこちらを向いている。
私は硬直した両手をそのままに、
ジリジリと足を踏み出すことで身体ごと箱を棚に押し込んだ。
ガタ…ガタッ。
まるで箱自体が脈打っているようだった。
私は違う箱を抜き取った。
そこには、
青いとんがり帽子の悲しげな小人がポツンと一人だけ入っていた。
次の箱は黄色のとんがり帽子の小人が数十人入っていて、みんなニッコリと笑っていた。
祖父の代から存在する棚。
その中の箱は日々膨れ上がり、棚をギチギチにしている。
すると外から光が差した。
振り返るとそこには巨大な二つの眼球がギロリと私を覗いていた。
丁寧を任されている私は白いとんがり帽子を外すと上位者に会釈を返した。
私の両足は震えた。
その上位者のとんがり帽子の色は、
黒い。




