プロローグ
何と言うか……。あまり自信ないですね。全部の作品そうですけど。
それでも暇つぶしに貢献できたらと思います。
それより、作を重ねるたび奈美香が図々しくなっていきます(泣)
彼女の暴走が止まらない……。
二度ある事は三度ある、とは誰が言った言葉だろうか。なかなか、どうして、正しい言
葉である。
一度目は夏、二度目は秋と立て続けに殺人事件に巻き込まれた、猪狩康平、矢式奈美香、
藤井基樹、新川怜奈の四人。
もう殺人事件に巻き込まれる事はないだろう。
そう思ったのは最初の事件の後であった。が、そこに二度目の事件。今度こそ、と思ったはずである。
しかし、その期待はまたしても裏切られる。
ただ、幸か不幸か、今回は藤井基樹と新川怜奈は事件に関わる事はない。つまり、今回は藤井の一言で始まったわけではない。
事件が解決した暁には彼らはこう言うはずである。
「ねえ、どんなだった?」新川怜奈はおとなしめの性格とは裏腹の好奇心を持ってこう尋ねるだろう。
「なんだよ、また仲間はずれ?」前回、前々回と事の発端でありながら解決の場にいなかった事を根に持つ藤井基樹はこう不満を漏らすだろう。
「簡単な事だったのよ」頭脳明晰で自信家の矢式奈美香は自慢げに話を聞かせるだろう。
そして、事件を解決した張本人、猪狩康平は何も言わない。その代わりにこう思うだろう。
呪われているのは藤井ではなく、自分なのではないか、と。




