第8話『反撃の狼煙』
ノクタリアの空を覆う“統合の陣”は、少しずつだが確実に世界の色を奪い始めていた。
空の青は薄れ、木々の緑も灰色に沈む。
その只中、魔王戦隊の三人は合流を果たしていた。
グリム:
「なぁネビュロス、あの術式ぶっ壊す方法、なんかあるんか?」
ネビュロス:
「直接破壊は不可能だ。だが……内部から干渉する手段なら、理論上は可能だ。」
ヴェルミリオン:
「つまり、中に入るってことだね?面白そうじゃない。」
ネビュロスは魔力式を展開し、空に浮かぶ“統合陣”の構造を解析していく。
ネビュロス:
「弱点は一点。術式の心臓部、“コア”が存在する。
そこに干渉できれば、全体の構造は崩壊するだろう。」
グリム:
「なら決まりや。俺が行く。
正義が空から降るなら、俺が空まで殴りに行ったるわ!」
ヴェルミリオン:
「そのセリフ、なかなか詩的で好きだよ。」
ネビュロス:
「……なら、私が転送術式を用意する。時間は稼げ。」
そのとき、地上に再び五つの赤い光が揃い始める。
ジャスティスフェイス、全員再集結。
ユナイトレッド:
「“統合”は進行中だ。抵抗は非合理である。」
バーニングレッド:
「だが、奴らが本物かどうか――確かめる価値はあるな。」
戦いは新たな局面へ。
今度は、魔王側から空を目指して挑む番だった。
(第9話へ続く)