第7話『それぞれの傷、それぞれの誓い』
突如として空を裂いた“統合”の魔法陣。
それは上空からノクタリア全域に圧を与え、光の帯となって広がっていく。
魔王戦隊の三人は、それぞれの戦場で異変を感じ取っていた。
グリム:
「チッ、なんやこの空気……胸が押し潰されそうや……!」
ネビュロス:
「これは……ただの魔力ではない。思想そのものを圧縮して叩きつける、暴力的な調和だ。」
ヴェルミリオン:
「空の上か……ユナイト。なるほどね。舞台の全体を動かしにきたわけだ。」
魔王たちは戦いを一時中断し、通信魔法によって意思を繋ぐ。
ネビュロス:
「このままでは持たない。空間が固定され始めている。」
グリム:
「おい、どうすんねん!?このままじゃ、正義の言いなりやろが!」
ヴェルミリオン:
「だったら逆に、その“統合”の力を逆手に取るのはどうかな?歪みには歪みで対抗するんだ。」
ネビュロス:
「それは……我々自身を、さらに“悪”として認めるということになる。」
沈黙。
グリム:
「……ええやろ。どの道、俺らはもう戻られへん。“悪”として立ったんや。
なら、正義の檻ごとぶっ壊すだけや。」
三人の心が、今ひとつに重なる。
それぞれの傷を抱えながら、なお立ち上がる“悪”たち。
新たな誓いを胸に、魔王たちは再び立ち上がる。
空の支配者へと、拳を届けるために。
(第8話へ続く)