第6話『統一の影』
三つの戦場が、それぞれに赤黒く染まる中。
そのすべてを高所から見下ろす影がいた。
ユナイトレッド。
聖断戦隊ジャスティスフェイスの中で、最も静かで、最も危険な存在。
彼は地に降りることなく、上空に構築された巨大な術式の上に立っていた。
その足元には、秩序を象徴する魔法陣――“ユニフィケーション・シグマ”。
ユナイトレッド:
「個別の衝突は予定通り。次段階へ移行する。」
背後に現れるバーニングレッド。
バーニングレッド:
「本当にやるのか?まだ連中は全力出してねぇぞ。」
ユナイトレッド:
「必要ない。これは“試験”だ。正義を証明するために、破壊は避けられない。」
彼の眼は一切の感情を宿さず、ただ“調和”という名の独裁を映していた。
ユナイトレッド:
「この世界は未統一だ。色、思想、感情。バラバラのままでは、やがて崩壊する。
ゆえに我らが正す。すべてを一つに。」
彼が指を鳴らすと、空中の術式が回転を始める。
大気が唸り、空がゆっくりと割れ始める。
ユナイトレッド:
「“正義の統合”を開始する。」
次なる段階。
戦場は、個の戦いから、思想そのものを飲み込む局面へと進む。
魔王たちの想像を超えた脅威が、いま動き始めた。
(第7話へ続く)