表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/118

第5話『幻惑と爆炎』

戦場の熱気と冷気が交錯する中、その一角だけ空気が柔らかく揺らめいていた。


霧のように漂う蝶の群れ。その中心に立つのは、紫の衣をまとった一人の魔王――ヴェルミリオン。


対するは、ブレイズレッド。

腕をぶんぶんと振り回し、苛立ちを露わにする。


ブレイズレッド:

「なんだよコラ、ちょこまか動きやがって!出てこいよ、コソコソ隠れてんじゃねーぞ!」


ヴェルミリオン:

「怖いの?それとも、自分が何と戦ってるのか、わからないのかな?」


ブレイズレッド:

「は?ふざけんな!」


ヴェルミリオンは笑う。その声は甘く、どこか哀しげでもあった。


ヴェルミリオン:

「君ってさ、“悪”を見つけたら、燃やせば済むって思ってるでしょ?単純でいいね。ちょっと羨ましいかも。」


ブレイズレッドは叫びながら火球を放つ。


ブレイズレッド:

「うるせーんだよ!燃えろォッ!!!」


だが、火球は蝶の幻影に吸い込まれるようにして霧散した。


ヴェルミリオン:

「ねぇ、燃やしても消えないものがあるって、知らないの?」


幻影の蝶がブレイズレッドを包み込む。

視界が揺れる。

過去の記憶か、妄想か――ブレイズの心が揺さぶられる。


だが。


ブレイズレッド:

「……知らねぇよ!俺は正義だ、そんなもん、どうでもいいッ!!」


叫びとともに爆炎が炸裂し、幻を焼き払う。


ヴェルミリオン:

「うん、やっぱり君には“正義”は似合わない。……可哀想に。」


二人の距離が一気に縮まる。

美しき毒と、暴走する焔。


交差する刃の先に、何が待つのか――


(第6話へ続く)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ