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正義撲滅 魔王戦隊ダークトリニティ  作者: DD22


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第49話『崩れゆく理想、揺れる世界の境界線』

──ノクタリア・第11区・中央集会広場──


激しい雷鳴と共に、大地が震える。


白炎がうねり、重力が空間を歪ませる中、二つの力が何度も激突していた。


魔王レッド・グリム。

聖断戦隊ジャスティスフェイスの統合者、ユナイトレッド。


かつて対話の余地すらなかった二つの思想が、今まさに、拳と拳で語られていた。


◆ 戦場、熾烈に


「白劫・爆衝拳!!」


グリムの拳が燃え盛る。

それはただの炎ではない。ノクタリアの民の思い、バーニングの意志、仲間たちの覚悟が込められた“白炎”だ。


「重力穿孔・結界層展開──」


ユナイトは重力を三重に重ね、あらゆる外圧を内側へと反転させる。

グリムの拳がその層を砕きながら突き進む。


──轟音。


地面が砕け、集会広場の石柱が崩れ落ちる。


だが、ユナイトは一歩も引かない。

彼の目に宿るのは、信念という名の“鉄壁”だった。


「正義とは、感情ではない。構造であり秩序だ!」


「それが人を救わねぇなら、何の意味がある!!」


◆ 対話、衝突の狭間で


拳が交わる。

視線がぶつかる。


──その一瞬の間に、二人の思考が交錯する。


ユナイト:「俺は幼い頃、魔族の友を目の前で失った。

“人間による正義”が彼を悪と断じて、裁きもなく殺した」


ユナイト:「だから俺は、“明確な善悪”を定義し、“制度”そのものを創る立場になったんだ!」


グリム:「だが、その制度は“違う声”を踏み潰してる」


グリム:「正義の枠に合わなかった者たち──魔族である俺も、仲間のバーニングも、ネビュロスの家族も……

お前の作った“枠組み”に殺されかけた!」


ユナイト:「それでも、人は自由に任せれば、また同じ過ちを繰り返す!」


グリム:「……なら、その過ちごと受け止めて生きるのが“人間”なんだろうが!!」


◆ 必殺技の応酬、極点へ


「白炎・双殲陣!!」


グリムの両腕から放たれる双拳の連打が、重力壁を次々と破砕する。

地面が抉られ、断層ごと持ち上がる。


「重力操式・虚圧の柱!!」


ユナイトの足元から放たれた逆圧が、重力の柱となってグリムを吹き飛ばす。


だがグリムは空中で回転し、膝を曲げて勢いを殺すと同時に白炎を集中させる。


「白煉界放・轟式断!!」


巨大な白炎弾が天より降り注ぐ。

ユナイトは自らを球体重力に包み込んで迎撃。


──爆発。


煙が立ちこめる中、二人はまたも睨み合った。


◆ 民衆の視点


戦場の外、ノクタリアの各区で戦況を見守る人々。


第9区の通信塔。

ネビュロス:「……ユナイトが、バーニングの攻撃で死ななかったのは想定内だ」


ヴェルミリオン:「でも、彼の“信念”は確実に揺らいでいる……あとはグリムが“何を信じるか”だ」


第11区の避難所では、少年が仲間たちに語る。


「魔王って、俺たちのことを考えてくれる存在なんだよ」


「正義の味方じゃなくて……“俺たちの味方”だ」


◆ 立ち上がる白炎


戦場に戻る。


グリムの白炎がふと弱まったかに見えたその瞬間──

彼の脳裏に、バーニングの言葉が蘇る。


「正義の味方である前に、誰かの盾でいたい──それだけさ」


「……お前、ほんとにバカなやつだったな……」


静かに、拳が再び燃える。


だが今度は、純白ではない。

白炎の中に、橙、赤、蒼……仲間の色が混じり始めていた。


「これが……俺たちの、色だ」


◆ ユナイトの最終領域


ユナイトが静かに手を掲げる。

背後に、巨大な重力球が浮かび上がる。


「──統合重力領域エデン・フェイズ、展開」


空間が閉じ、重力がすべてのものを飲み込む。

大気は揺らぎ、空すらも黒く染まっていく。


グリムの身体が圧に潰されかける。

骨が軋み、血が滲む。


「まだ……だ……」


グリムは立ち上がる。

全身に力を込め、白炎が再び爆発的に膨れ上がる。


「白炎・終焉爆閃──!!!!」


その一撃は、もはや拳ではなく“意志”そのものだった。


重力と白炎が空を引き裂く。

大地が鳴き、集会広場が崩れ、ノクタリア全土に轟音が響き渡る──!!


◆ 崩れる両者、交錯する想い


攻撃の余波で両者は大きく吹き飛ばされる。


グリムは瓦礫の中で膝をつきながら、なおも立ち上がろうとする。


ユナイトもまた、仮面の残りが砕け、素顔を曝け出して立ち尽くす。


「お前の拳……確かに、何かを……伝えようとしていた……」


「俺は、世界を守りたかった……ただ、それだけだったんだ……」


◆ 最後の問いかけ


グリムは一歩、前に進む。


「守るべき“世界”ってのは、箱じゃねぇ。

中にいる“人”の、意志で作られるもんだ」


「お前が守りたかった世界に、“誰かの声”が聞こえねぇなら──それはもう、誰も望んじゃいない」


ユナイトの瞳が揺れる。

だが、その先で彼はまだ、自分に答えを出せずにいた。


グリムの拳が、そっと降ろされた。


──次で、決着をつける。


(第50話・第一部完結編へ続く)

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