第13話『正義の影』
深夜の“聖断空母ジャッジメント”。
バーニングレッドは一人、無人の訓練室で静かに拳を振っていた。
彼の動きに迷いはない。
ただひたすら、重い空気を切り裂くような打撃を繰り返す。
少年時代の記憶が、脳裏をよぎる。
地球。まだ彼が名前すら持たぬ無名の少年だったころ。
理不尽な暴力に晒された幼馴染。
その子を守るために、彼は立ち上がった。
その行動は“行き過ぎた制裁”として処分され、彼は正規の道を外された。
だが、彼は後悔していなかった。
バーニングレッド(モノローグ):
「正義ってのは、誰かが決めるもんじゃねぇ。
必要なときに、誰かがやらなきゃいけねぇもんだろうが。」
彼のその信念を見込まれ、ジャスティスフェイス創設計画にスカウトされた。
あの時の怒りは、今も胸の奥で燃え続けている。
現在――
訓練室の扉が開き、ユナイトレッドが現れる。
ユナイトレッド:
「静かだな。何か考えていたのか?」
バーニングレッド:
「いや。考えるまでもねぇ。ただ、拳を磨いてるだけだ。」
ユナイトレッド:
「それが正義の象徴としての姿だと?」
バーニングレッドは拳を止め、背を向けたまま答える。
バーニングレッド:
「俺は象徴なんて背負ってねぇ。ただ――
弱ぇヤツが泣かされてるのを見て、黙ってられねぇ。それだけだ。」
ユナイトレッドは一瞬だけ沈黙し、そして小さく笑う。
ユナイトレッド:
「……変わらないな。だが、それがあってこその“バーニング”か。」
バーニングは応えない。ただ、拳をゆっくりと開いて、再び構えた。
その姿に、迷いはなかった。
それが、彼なりの“正義”の貫き方だった。
(第14話へ続く)




