第1話『赤い正義、降り立つ』
異世界「ノクタリア」。
その大地は闇と魔力に満ちており、古より“悪”と呼ばれた存在が人知れず共存してきた。
しかし、人間界から来た“正義の使者”――聖断戦隊ジャスティスフェイスが突如として空を裂き、ノクタリアに降り立った。
赤光に包まれた空間から現れたのは、純白と赤のスーツに身を包んだ五人の戦士たち。
バーニングレッドが一歩前に出て、手を掲げる。
バーニングレッド:
「我らは、聖断戦隊ジャスティスフェイス!
悪を浄化し、正義で世界を統べる者なり!」
彼らの足元に広がるのは、ノクタリアの小さな村。
村人たちは何が起きたのか理解できない。
ジャッジレッドがつぶやく。
ジャッジレッド:
「この村……闇の気配が濃い。判断は……有罪だな」
セイジレッドの目が光る。
セイジレッド:
「不安定なエネルギー反応を確認。秩序維持のためには、排除が妥当」
ブレイズレッドが笑う。
ブレイズレッド:
「じゃあ、派手にいこうか!」
ユナイトレッド:
「全会一致……処理を開始する」
彼らの“正義”によって村は赤い光に包まれ、炎が舞い上がる。
───
村の外れ。
一人の青年が、炎の中から現れるその光景を見上げていた。
彼の名は、グリム。
かつて、正義の名の下に家族と村を焼かれた男。
拳を握りしめ、目を伏せる。
グリム:
「……また、繰り返す気か。“正義”の名の下に」
彼の背後に、氷の衣をまとった男が現れる。
ネビュロス。
ネビュロス:
「目覚めの時だ、グリム。我らの世界が、また“浄化”されようとしている」
さらに、その上空から蝶の幻影が舞い、柔らかくも不気味な声が響く。
ヴェルミリオン:
「なら、今度こそ“悪”として、正義を終わらせてあげようか」
三人の魔王が集結する。
グリムがゆっくりと口を開く。
グリム:
「よし……もう一度、地獄を見せてやろう。あの偽りの“正義”どもに───」
魔王戦隊、始動。
(第2話へ続く)