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第6話 魔獣をまとめて倒しますわ

 ゼクスカイザーが魔獣のいる森へ降り立った。


「今度のは…カマキリと…

もう一体は…サメ、いやワニですの?」


 魔獣になる過程で、かなり大幅な進化を遂げているようで、ワニ型の魔獣は屈強な足で二足歩行している。

カマキリ型の方は逆に羽が退化しているように見えるが、鎌は鋭くなっている。

観察していると、2体の魔獣は街に向かおうとしている。


「おっと、逃しませんことよ!」


 ゼクスカイザーはワニ型の魔獣の尻尾を掴み、

ジャイアントスイングよろしく、カマキリ型にぶつけるようにぶん投げた。

確かに興奮しているが…頭の中は冷静。

少しでも街から離さないと…


「前回はすぐに終わってしまいましたからね。

今日はじっくり楽しませていただきますわよ。」


 すると、ワニ型が起き上がり、口を大きく開いた。

口の中が赤くなっているのが見える。

熱線を吐き出すつもりだ。

また、カマキリ型の魔獣も鎌を振り上げ、斬撃を飛ばしてきた。

いきなりの攻撃に両腕を交差させ、防御の体制をとった。

爆煙が舞い上がったが、当のゼクスカイザーには傷ひとつ付いてはいなかった。


「甘いですわね、このゼクスカイザーのボディは超合金!そんな攻撃ではビクともしませんことよ!」


 もちろん、超合金なんて素材はこの世界にはない。

だが創造力で生み出されたこのゼクスカイザーは、ロボットオタクの夢を全て詰め込んでいる。

細かい設定を紙に書いてまとめたくらいにはガチガチに作り込んでいる。

つまるところ、「ぼくのかんがえたさいきょーロボット」というやつである。


 ワニの方は熱線の放出で疲れたのかすぐには動いてこなかったが、カマキリの魔獣はすぐさま、攻撃を仕掛けようと迫ってきた。


「今度は接近戦ですのね、それなら!

ヴァリアブルランサー!!」


 ゼクシアが叫ぶと、魔法陣が現れ、透明な刃を持つ双刃剣が現れる。

魔獣から振り下ろされた鎌を双刃剣で止めてみせた。

力を込めて押し潰そうとする魔獣を前に、ゼクシアはニヤッとした。

すると、ゼクスカイザーは力を抜き、魔獣がよろけたところを巴投げの要領で投げ飛ばした。


「しばらくそこでお休みになってくださいな」


 見事にひっくり返ってしまったカマキリは起き上がることが出来ないようでジタバタしていた。

体力が戻ったのか、ワニの方も仕掛けてくる。

大きな口を開け、飲み込むが如く喰らいついてきた。

噛み砕くつもりなんだろう。

ゼクスカイザーは上顎を両腕で掴み、耐え忍んでいる。

が、そこまで苦しい状況でもなさそうで…


「ふっ、こんなもの!」


 と、余裕を出していたかったが、カマキリ型が今にも起き上がりそうだった。

さすがにこの状況で背中から切られるのはよろしくない。


「なるほど、ではまず貴方から始末いたしますわね」


というと、ゼクスカイザーの胸が輝き出す。


「ゼクス!ブラスター!!」


 叫び声と共に胸から高出力のビームが放出され、ワニ型の魔獣の上顎を吹き飛ばした。

さすがに立つことが出来ずに、ワニの魔獣は倒れてしまった。

そしてゼクスカイザーはもう一体の魔獣の方へ目をやる。

ようやく起き上がり威嚇してくる巨大なカマキリに対し、ゼクスカイザーは近くに刺さっていたヴァリアブルランサーを引き抜き華麗に回してみせた。

そして、右手で挑発して見せる。


「お待たせいたしましたわね…

さぁ、私と一曲、踊っていただけますか?」


 怒り狂う魔獣がゼクスカイザーに鎌を振りかざす。

だが、ゼクスカイザーは両刃剣を巧みに操り、攻撃を防ぎながら、魔獣を翻弄した。

まるで本当にダンスを踊っているように…


「さぁ!これで決めますわよ!」


 切りつけようとする鎌を腕ごと切り落とし、


「ゼクス!エンド!!」


 の発声と共に、Zの文字を描くような斬撃とバツ字の斬撃で切り伏せた

魔獣は細切れになり絶命した。


 2体の魔獣を相手をなんなく撃退し、

一息つくゼクシア。

ふと、周りを見渡すと見覚えのある物体が…

あれは、お義母様の映像撮影用魔道具だ。

せっかくですしね…と思い、ゼクシアはコクピットを開け外に出た。


 そしてコホン、と軽く咳払いをして、

魔道具に向かって満面の笑顔と共にVサインを送った


「勝利のポーズ、ぶい!」


お義母様…どういう反応をしているのでしょうか…

見てみたいなぁ。

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