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第4話 お義母様とお話しいたしますわ

「落ち着かれましたか?お義母様」


「ええ…」


 一通り愛でられたあと、グレイスは再びソファに腰を下ろした。

そして、改めて昨日のことを話す。


「いやね、たまたま外を見たらゼクシアちゃんがあの巨人を呼び出しているのが見えちゃったのよ。

もう、慌てて準備して魔道具ちゃんを飛ばしたわ!

ゼクシアちゃんの活躍を録画してもらおうって思って!」


 この映像記録の魔道具、元の世界でいうところのドローンにカメラが付いてるようなものである。

これはグレイスが開発したものであり、現状、グレイス以外の人間は所持していないオリジナルの魔道具である。

なにせ、学園長の名は伊達ではなく、かつて魔道具開発および魔法学において成績トップクラスだったらしい。

ゼクシアの父であるレーベンや、セリオンの母とも競い合っていた仲だとか…

グランシュタイン王と結婚する前は魔道具開発に力をふるっており、セリオンの母と共に、冷蔵庫や送風機、コンロや簡単な通信機材など、意外と現代と変わらないものを開発して、一般家庭に流通させている。


「で!?で!?あれは一体なんなの?ゼクシアちゃん!」


 グレイスは前のめりになって聞いてくる。

これは…話さないと終わらないな…と悟った。

義娘の活躍と未知の魔法への興味が入り混じって止められそうにない。

ゼクシアは小さく息をつき、腰に刺してある短剣をテーブルに置いた。


「これは…?」


「これは聖剣です。聞いたことありますでしょう?

かつて邪神と戦うために作られたとされる…」


ゼクシアの言葉にグレイスは驚いた。


「ということは!まさかアレは聖剣神(せいけんしん)!?」


 はい、とゼクシアは頷いた


聖剣神(せいけんしん)


 1000年以上前に邪神と戦うために作られたものだと言われている聖剣から召喚される巨大な機神である。

持ち主の創造力によって生み出されているため、その姿は人によって違い、人型や獣型など、さまざまである。

 伝承によれば、聖剣は全部で5本あり、うち1本、白の聖剣はグランシュタイン王家に、残りの4本

赤、青、黄、緑の聖剣は当時活躍した戦士たちの子孫が受け継いでいると聞いている。

それがグランシュタイン王国の建国にも繋がっている…のだが、目の前に出された聖剣は黒く、金の装飾が施されている。

伝承にはないものだ。


「これをどこで手に入れたの?」


「私の父が管理している領地の中に遺跡がありまして、そこから発見しました。

調べていくうちに、聖剣である事がわかりました」


 嘘…は言ってない。隠し事はしているが…

本来この黒の聖剣はゲーム内では隠しアイテムのようなもので、後々、本来の主人公が手に入るものである

が、攻略法を知っているゼクシアはこの聖剣を10歳の段階で取りに行ったのである。


「聖剣神は自身の創造した姿になり、魔力に応じて強くなる。

だから私はこれを使うために日々訓練をしていたのです。」


 なぜ…と、グレイスは問いただすべきなんだろうが、すでに魔獣が出現している以上、訓練していた理由については深く聞く必要がないと判断したのだろう。

事実、聖剣神を召喚できる者はこの国にはいない。

今後も魔獣が出現し続けるのならば、今はこれを唯一使えるゼクシアに頼るしかない。

グレイスは顔を引き締めた。


「わかりました、では改めて、この国の王妃として、お願いいたします。

ゼクシア・クロムウェル、この聖剣を使い、魔獣と戦ってください。

こちらとしても、騎士団、魔導士団、魔道具開発機構に声をかけ、魔獣対策に努めます。

また、この国にあるとされる聖剣も使用可能なものを含めて探します。

それまでは貴女1人で苦しい戦いになるかもしれませんが…」


申し訳なさそうにするグレイスに対し、ゼクシアは凛とした姿勢で言葉を返す。


「望むところですわ、この国に一匹たりとも魔獣を踏み入れさせませんわ」


 ゼクシアは力いっぱいの宣言をした。


「さすがゼクシアちゃん!頼もしいわ。

でも、無理をしてはだめよ。私たちも必ず、残りの聖剣と使用者を見つけますから」


 ゼクシアとしての本音は、

せっかくスーパーロボットに乗れるので暴れ回りたい

なのだが…

こうして、心配してくださっているわけだし、


「わかりました。肝に銘じておきます」


 と、一礼をして部屋を後にしようとする。

…が、ここで一歩踏みとどまった


(せっかく、王妃様にお話しできる機会…一応言っておくか…)


「あの、お義母様、帰る前にもう一つだけ

お話ししておきたい事が」


「あら、何かしら?」


 ここでゼクシアは、グレイスに…

いや、グレイスにこそ話しておかなければならないと思った話をした。

グレイスは驚いたが…


「なるほど…それは調べてみないとなんとも言えませんね。

立場上、一方的に貴女の言うことだけを信じるわけにはいきませんので…」


「ええ、それで大丈夫です。」


 ゼクシアとしては聞いてもらえただけでも得である。

種まきができればそれでいい…くらいの考えだ。


「ならこの話を聞くかわりに、私からもひとつお願いしてもいいかしら?」


「なんでしょうか?」

私に出来ること…なんだろう。


 と、ゼクシアが考えていたところ、


「その…ぜひまた2人でお出かけしたいわ、私にとって貴女は可愛い娘のようなものだもの」


 ゼクシアはそれを聞き、笑顔で返した。


「それでしたら最近、美味しい紅茶とケーキを出すお店を見つけましたので、ぜひご一緒させてくださいませ。」


 と、お茶の約束をして部屋を後にした。

序盤を書いてて思うこととしては

説明ばっかりで申し訳ないなぁ…と思いながら書いています。


可能な限りロボ戦は増やしていこうと思っていますので、

ご了承ください。

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