表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/46

第21話② 魔獣を捕まえますわ

 3人が苦戦する中、少し遅れてゼクスカイザーが到着する。


「お待たせいたしましたわ!」


「ゼクシア!気をつけて!

こいつ、こっちの攻撃が全く効かないんだ!」


 サフィーロがゼクシアに注意を促す。


「攻撃が効かない?どういうことですの?」


「僕のウィンドエッジやローランドの炎を纏った斬撃、ライの電撃攻撃、どれも全く通用しないんだ」


「なるほど…それほどまでにこちらの攻撃に耐性があるとは…

ですが今回の目的はあくまで捕獲!

この日のために新しい武器は用意しておりましてよ!

スピンネット!」


 ゼクスカイザーが手を広げると、巨大な網が出現し、魔獣を捕らえた。


 3人は「おお!」と感嘆の声をあげる。


「さぁみなさん!あとは力を合わせて運んでいきますわよ!

オーッホッホッホッホッホ!」


 ゼクシアが高らかに笑っていたのも束の間、

魔獣を捕らえていた網が溶け出しているのが見えた。


「…は?」


あっさり網から出てくる魔獣に全員呆気に取られてしまった。


「おい!出てきちまったじゃねえかよ!

どうなってんだ!?」


 ライオニールが慌て問いただす。

よく見ると、魔獣の口が溶けてただれているように見える。


「なるほど…口から出す網を溶かす液体を出せるのですね…

それにしても、自らも溶けるほどの威力とは…」


 ゼクシアは冷静に分析した。

魔獣は再び口から液体を噴出する。


「まずい!ゼクスブラスター!」


 ゼクシアはすかさずゼクスブラスターを放ち、液体を消滅させる。


「そのまま喰らいなさい!」


 その勢いのままゼクスブラスターが魔獣を襲う。

だが、その攻撃がダメージになることはなかった。

当たりはしたが、全く痛くと痒くもないと言った様子だった。


「まただ!ダメージを受けていない!」


「くそ!どうなっていやがる!?」


 ローランドとライオニールに焦りが伺える。


(効いてない…というよりは、攻撃を吸収しているように見えましたわ…

もしかして、炎や電撃も吸収しているのでは…

さっきの話を聞くに、斬撃は効かない…

ビームや魔法は吸収してしまう…

そして一番厄介なのはあの溶解液…

アレは多分、こちらの機体も溶かしてしまいますわね…

やはり、敵はこちらの能力を知ってこの魔獣をぶつけてきていますわ…)


 ゼクシアがどうしようかと考えていたところに魔獣が溶解液を噴出した。

ゼクスカイザーはすかさず交わして見せる。


「みなさん、気をつけてくださいませ。

あの液体に当たれば、聖剣神とはいえ溶けますわよ!」


「それだけじゃない、舌を使ったパンチ攻撃もしてくる

見た目の割には素早いぞ、ゼクシア」


 ローランドがゼクシアにアドバイスをした。


「なるほど、どちらにしても避けるのは容易いということですわね」


「どういうことだい?」


「要は、攻撃手段すべてが口からである…ということですわ。

それなら避けるのは造作もありません。

口の動きを見ればいいのですから。

とはいえ、厄介な攻撃が多いのは確かですわね。

あの口は塞ぐとしましょうか」


「しかし、どうやって…」


 ローランドが聞いた次の瞬間、ゼクスカイザーは近くの岩を持ち上げた。

魔獣の口が開く瞬間を狙い、岩を全力で投げた。


「おおりゃぁああああああ!」


 岩が魔獣の口に見事にハマり、両腕で取ろうとするが、それも叶わず、もがいている。


「よし!ナイスピッチですわ!」


 ゼクシアはガッツポーズを見せた。


「…あの…ゼクシア?

いくらなんでも力技すぎないか?」


ローランドが思わずツッコミを入れてしまう。


「あら、そうでしょうか。

こっちの攻撃が効かない以上、これが一番有効な手段かと思いますけど…」


「…まぁ、そうかもしれない…けど…」


 ローランドは何か言いたいが言葉にならず、モタモタしてるうちにライオサンダーが攻撃体制に入る。


「どうでもいい!これでやつはまともに攻撃が出来ねえってわけだろ?

なら今度はこっちの番だぜ!」


 ライオサンダーが止める間も無く勢いよく突っ込んでいく。


「喰らいやがれぇ!」


 ライオサンダーが爪で魔獣を切り裂こうとするが、魔獣は強靭な脚で素早く上方へ避け、ライオサンダーを踏みつけた。


「!?ライオニール様!」


 ゼクシアが心配するのも束の間、魔獣は着地と同時に再び高くジャンプをして、ウィンドファルコンに体当たりをしたのである。


「うわ!?」


 あまりの衝撃にサフィーロは怯み、ウィンドファルコンは地面に叩きつけられた。

飛び上がっている魔獣に対してゼクシアは狙いを定め両手を広げた。


「逃しませんわよ!スピンネット!」


 ゼクスカイザーから再び網が出現したが、今度は一気に5枚ほどの網を撃ち出し、魔獣を包み込まれ地面に落ちた。


「やったね、ゼクシア!あの溶解液が使えない今、奴は動けない!」


「…それはどうでしょうか…

口を塞いだ岩も、もしかしたら溶かされるかもしれません。

これはあくまで時間稼ぎにしかならないですわ。

今のうちに何か作戦を……って、セリオン様?」


 ゼクシアがふと足元を見ると、そこにはセリオンが息も絶え絶えに立っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ