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第19話 風帝合体!ウィングゼクスカイザーですわ

「危ないなぁ…こんなのが落ちたら街が吹き飛んじゃうじゃないか」


 翠色の鳥から聞き覚えのある声がした。


「!?その声!サフィーロ様ですか!?」


「…その声は…たしかゼクシア…だったね

そうか、君が噂に聞いてた魔獣と戦う巨人の正体か」


 もっと話を聞きたいサフィーロではあったが、鳥の魔獣が翼を翻してこちらに襲いかかってくる。

すかさず、サフィーロは回避した。


「おっと!危ないなぁ…

僕もこれを出したばっかりだから、慣れないんだ。

勘弁してよね…

さて、どうしようかな…」


 ゼクスカイザーを抱えていてはスピードが出せない。

一旦下に降ろそうかと思っていたが…


「サフィーロ様!私のゼクスカイザーと合体してくださいませ!」


「…え?合体??」


 ゼクシアから驚きの提案がなされた。

そんなことが出来るのか…というのが彼の素直な感想である。


「お願いします!貴方のお力が必要なのです!」


サフィーロは少し考えた。


「わかったよ、ゼクシア…ふたりで戦おう!」


「…!ありがとうございます!

では、いきますわよ!風帝合体!!」


 サフィーロの聖剣神、ウィンドファルコンの翼が分離し、腕の形へと変形していく。

ゼクスカイザーの左腕が消え、ウィンドファルコンが合体し、左肩の隼が鳴く。

翼はゼクスカイザーの背中へと装着された。


「完成!ウィングゼクスカイザー!」


 魔獣がウィングゼクスカイザーの方へ急速に接近してくる。

ゼクシアは華麗にそれを避けてみせた。


「さぁ、反撃開始ですわ!」


 ウィングゼクスカイザーは左腕を回転させ、魔獣に接近し、思いっきり腹を殴った。


「サイクロン!アッパーー!」


 拳を天高く突き上げて、魔獣を吹き飛ばす。

クリーンヒットといったところか、魔獣は飛ぶのもやっとなくらい辛そうによろめいていた。


「ははっ…なかなか豪快なご令嬢だね、君は」


 ゼクシアはサフィーロが苦笑いしているように感じた。


「私のような女性はお嫌いですか?」


「いや、面白くて好きだよ、僕は」


 呑気に会話をしていると、魔獣は痛みに耐えながら

羽をミサイルのように飛ばしてきた。


「おっと、お喋りが過ぎたね、ウィンドスラッシュ!」


サフィーロが魔力を込めると、ウィングゼクスカイザーの左手から複数の風の刃が飛び出して、魔獣の羽を全て撃ち落とした。


「おお!すごいですわ!サフィーロ様!」


 ゼクシアでも単発でしか打てない魔法なのだが、複数のウィンドスラッシュを撃ってみせたサフィーロの魔法の技術の高さに驚いた。


「これでもお国柄、風魔法は得意なんだよね。

それにしても、僕の方でもある程度動かせるんだね。

助けになってよかったよ」


 魔獣は完全に打つ手なしと言ったところなのか、ゼクスカイザーから遠く離れようとする。


「おっと、逃げる気のようだね…どうする?」


「もちろん、このウィングゼクスカイザーの前では

どこに逃げても無駄だと教え込むまでですわ!

ファルコン!ゴーガン!」


 ゼクシアの叫び声と共に巨大な弓が現れた。


「お?弓矢か、なら僕に任せてもらえるかな。

結構得意なんだよね」


「わかりましたわ!ではお願いいたします。

ファルコンサーチ!」


 その声と共に、コクピットでターゲットマーカーが現れ、魔獣を捉える。

すでに距離がかなり離れているのだが、ウィンドファルコンの能力のおかげで、どこまで遠くに行っても見えるようだ。

サフィーロの目の前に弓と矢が現れ、構えるとそれに連動し、ウィングゼクスカイザーは弓を構え、右手で風をまとった矢を生成する。

サフィーロはターゲットマーカーに狙いを定めた。


「今ですわ!サフィーロ様!」


「ああ!!」


 矢が放たれ、魔獣に向かってまっすぐ飛んでいく。

遠くで小さな渦が見える。

魔獣が消滅したようであった。

…………………………

「改めて、サフィーロ・ウィンドシアスだ。

こっちは従者のミスト、よろしくね、みんな」


 サフィーロとミストは学園長室で仲間になる旨を話した。


「ウィンドシアスの王子だって、どうして隠していたんだい?」


ローランドが質問した。


「周りに変な気を使わせたくなかったんだ。

それでも、ある程度の立場を盾に出来るように、

仮の爵位と名前を貰ったんだ。」


 王子だとわかれば大騒ぎになるかもしれない…

これに関しては今後も黙っている方がいいだろうということになった。


「サフィーロ様、今後は貴方もお力を貸してくださるということでよろしいでしょうか?」


 マーレインの質問にサフィーロは笑顔で答えた。


「もちろん、力を貸すよ。

あんな化け物がウィンドシアスにまで来られたら困るし…

それと、僕に『様』付けはいらないですよ。

他のみんなも気を遣わないでいいからね」


 ゼクシアがサフィーロの元へ行き、握手を求めた。


「サフィーロ様、これからもよろしくお願いいたします。」


「だから…『様』はいらないって…

はぁ…これは先は長そうだけど…まぁ、いいか」


 サフィーロはその手を取らずにゼクシアの頬にキスをした。


「これからよろしくね、ゼクシア」


 サフィーロはウィンクをした。

ゼクシアは顔を赤くしてしばらく固まってしまった。

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