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第13話 雷皇合体!ライオゼクスカイザーですわ

 ゼクシアの目の前にいたのは、牛のような見た目の魔獣だった。

それは、ゼクスカイザーの1.5倍はある、二足歩行で筋骨隆々の魔獣であった。

そう、それはいわゆる…


「ミ、ミノタウルス…ですわよね…

まさかこんなのまでいるとは…しかも、デカい…」


 ゼクシアはふと、背後を見る。


「…こんなのを通すわけにはまいりませんわね。

でしたら!最初から全力で行きますわよ!

ソニックブースト!ナッコォ!!

ゼクスブラスター!!」


 両腕を魔獣の肩に向けて飛ばし、ゼクスブラスターを放つ。

しかしその身体には傷一つていない様子である。


「…くっ!硬い!?しかもまるで効いてない!?」


 雄叫びともに魔獣がパンチを繰り出すと、ゼクスカイザーはいとも簡単に吹き飛ばされてしまった。


「きゃあ!!!」


 思わず声をあげ、倒れてしまう。

こちらもそう簡単に傷がつくというわけではないが、

だとしても衝撃が大きすぎる。


「くっ…!」


 なかなか起き上がることができなかった。

魔獣が両腕でゼクスカイザーを抱き上げる。

握り潰すつもりなのだろう。

機体がゆっくりと悲鳴を上げる。


「ぐっ…させませんわ!クロムレーザー!」


 敵の顔面に向かってレーザーを放つ。


「ヴォォォォ!…」


さすがに痛いのか、魔獣は顔を押さえて悶えた。


「こいつに通用する武器の創造は出来ても、このタフさでは、あまり悠長に考えている時間はないですわね…ならば!」


 ゼクスカイザーが右腕を構えると、拳がドリルへと変わる。


「即座に思いつくのはこのくらいですわね…

いきますわよ!ドリルブレイカーナックル!」


 拳は魔獣の胴体に当たる。

ドリルの回転によるダメージはあってもスピードが伴わず、拳はあっさりと振り払われてしまった。


「そんな…」


 魔獣がゆっくりとゼクスカイザーに近づく。

ゼクスカイザーは断罪剣を出し、左手に持つ。


「…まだですわ…私は絶対に諦めない!」


 それでも操縦桿を持つ手が震える。

必死に抑え、戦う覚悟を覚悟を決める。


「ガォォォォォ!!!」


 街の方から雄叫びが聞こえ、振り向く。

ライオサンダーが猛スピードで走ってきた。

そのまま魔獣に突進し、魔獣は吹き飛ばされた。


「!?ライオニール様!?なぜ!?」


「…言ったよな、誰かを守るためなら強くなれるって

俺様には守りたいもんは何もねえ…いや、なかった。

だが今出来た!

テメェが守りてえもんをテメェごと俺様が守ってやる!」


 ライオサンダーがゼクスカイザーの前に立つ。

不思議と震えが止まる。勇気が体の奥底から湧いてくる。

ゼクシアもまた、並び立つように前に出た。


「下がってな!ここは俺様が!!」


「いいえ、下がりませんわ。1人ではダメでも2人なら出来る!

ライオニール様、力を貸してください!」


「…テメェ…はっ!そうかよ!

いいぜ!気に入ったぜ、ゼクシア!

テメェの仲間になってやらぁ!」


 その時、2人の聖剣が輝いた。


「!?なんだ!?」


「行きますわよ、ライオニール様!!

雷皇(らいおう)合体!!」


 ゼクシアの叫び声と共に、ライオサンダーが変形を始め、ゼクスカイザーの右腕が消える。

消えた右腕にライオカイザーがくっついた。

肩に獅子の顔、腕には鋭い爪が装着されている。


「ライオ!ゼクス!カイ!ザーー!!」


「…はは…ハーッハッハッハッハ!!

面白えじゃねえか!ますます気に入ったぜ!ゼクシア!」


魔獣が立ち上がり、雄叫びを上げる。


「これならいけますわ!超電磁ストーム!!」


 肩の獅子の目が光り、その口から竜巻が巻き起こる。

魔獣は天高く舞い上がり、拘束された。


(狙うは…さっきドリルが当たった胸の傷!)


「決めますわ!ライオニール様!」


「はっ!いいぜ!最後まで付き合ってやらぁ!」


 ライオゼクスカイザーは右腕の爪を頭の上に構え、回転しながら飛び上がる。

やがて、ライオゼクスカイザー自身も雷を纏った竜巻となり、魔獣へと突っ込んでいく。


「超必殺!電撃!スピニングドライバー!!」


 先ほどつけた傷に当たり、ドリルのように突き刺さる。


「ヴォォォォォォォォ!!!」


 魔獣の悲鳴が響き渡る中、ライオゼクスカイザーは魔獣を突き抜け、地上へと降り立つ。


「爆砕!!」


ゼクシアの叫びと共に、魔獣は爆散した。

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