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第12話② 決闘をいたしますわ

「…ちっ…俺様の負けか…

わかったよ、テメェらに協力してやる…」


「あら、そんな約束していましたか?」


 ゼクシアはとぼけるように言った。


「はぁ?そのための決闘じゃなかったのかよ!」


「そんなつもりはありませんわ。

魔獣との戦いは危険が伴いますもの。

私は元々、1人でも戦うつもりでしたし」


「…なら何のために決闘を申し込んだ?」


 ライオニールが聞くと、ゼクシアはローランドの方を見た。


「…証明したかったのです。

私の友人の強さを…あなたに…」


「…ローランドの…?」


「彼は真面目で、努力家で、なにより

誰かを守るために騎士になると誓った方です。

そんな彼の強さをあなたに見せたかったのです。

だからこの3日間、彼から剣を教わって挑んだのですわ。

誰かを守るためなら、強くなれるって証明するために」


 ライオニールは何も言えなかった。

ゼクシアは1人で戦っているわけではない。

信じてくれたローランド、応援してくれたセリオン

心配してくれたお義母様…

みんなのために戦うんだと…

それをライオニールに伝えようと決闘を申し出たのである。


「またいつでも勝負いたしますわ、でも覚えておいてくださいませ。

私も、彼も、絶対に負けはしませんから」


 ゼクシアは決闘場を後にした。


 敗北し、佇むライオニールにアイリスが駆け寄る。


「ライオニール様、大丈夫ですか?

あのゼクシアって女、なんて酷いんでしょう。

ライオニール様にこんな屈辱を与えるなんて…」


 すでにフラグは折れているが、何とか挽回しようと慰めるアイリスだったが…


「…るな…」


「…え?」


「テメェがアイツを語るな!!」


 ライオニールはアイリスを怒鳴り散らかした。


「ひぃ!」


 アイリスは驚き、その場を立ち去ってしまった。


「…ちくしょう…まだ痛みやがる…」


 剣を吹き飛ばされた時の痛みが消えない…

だが、嫌な気分はない。

なんとなくだが、気持ちの良さを感じていた。

…………………………

「…いいのかい?ゼクシア

ライオニールを味方に引き入れないで」


 決闘場を後にし、セリオンに尋ねられる。


「言ったでしょう、元々1人でも戦うつもりだって。

無理に協力を仰ぐつもりなんてありませんわ」


 1人の少女が背負うにはあまりにも重く強い覚悟をふたりは理解した。

それを受け入れることが出来るかは別として…


「さぁ!祝勝会といきましょう!

おふたりとも、甘いものはお好きですか?

街にケーキの美味しいお店がありますのよ!」


 先ほどまで真剣勝負をしていたとは思えないくらい

明るく元気そうな笑顔を見せた。

僕にも力があれば…と、ふたりは心から願った。

その時、3人の通信魔道具に連絡が入った。

新たな魔獣の出現である。


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