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第12話① 決闘をいたしますわ

「では3日後の昼、決闘場にて。

私的な決闘ですので、ここにいる人間以外は入れさせないようにしますわね」


「おい待て、あのデカブツ同士でやり合うんじゃねぇのか?」


「何を言っていますの?周囲にどのくらい被害が出るとお思いですか?

あれはあくまで魔獣と戦うためのものであって、

私的な決闘に使っていいものではありませんわ」


 少し考えたが、納得したようだ。

普通に考えたら、勝負内容はライオニールにとっては有利ではある。

断る理由はない。


「ち、わかったよ。

なら3日後だな、せいぜい逃げるなよ」


 そう言うと、ライオニールは今度こそ部屋を出て行った。

…………………………

「…さて、あんな啖呵を切っておいて、どうするつもりだい?ゼクシア」


 セリオンが尋ねる。


「聖剣神同士での戦いではなく、生身での決闘をするなんて、いくらなんでも無謀すぎるんじゃないかい?」


「いやぁ…でも聖剣神で決闘して、何かあったら困るではありませんか。」


 ごもっともな発言だ。

ゼクシアとしてはロボット同士の対決というのも望むところだったのだが、どのような被害が出るか分かったもんじゃない。

良心…というより常識が勝った。


「それで、ローランド様、ひとつお願いがあるのですが…」


「なんだい?ゼクシア」


「はい、決闘までの間、私を鍛えていただけませんか?」

…………………………

 3日後、決闘場にふたりの姿があった。

観客は、ローランドとセリオンのみ。

審判はマーレインが務めることとなった。

のだが…そこに招かれざる客が2人…

アシュレイドとアイリスが入ってきた。


「決闘場は立ち入り禁止としています。

警備のものがいたでしょう?」


マーレインが問うと、


「この国の次期王としての権限ですよ。

彼女がどうしても試合を見たいとのことだったのでね。

にしても、あそこに立っているのは…ゼクシアか?

ハッ、あの女、何を考えているのやら」


 アシュレイドはふんぞり帰って座る。


(よくもまぁ、堂々と…)


 この場にいる中で、マーレイン=グレイスと知るものはゼクシア以外にはいない。

あからさまな浮気現場を目撃したことになるのだが、マーレインは怒りをなんとか抑え、決闘場の方へ目をやる。


「ではこれより、

ゼクシア・クロムウェルとライオニール・シュタルクによる決闘を始めます。

時間は5分

相手の剣を弾いた方が勝ちといたします。

よろしいですね。」


「はい」

「おう」


 2人は剣を構えた。


「はじめ!」


 先に仕掛けたのはライオニールである。

大きく剣を振り下ろし、ゼクシアはそれを受け止める。


「ぐっ…!重い…!」


 鍔迫り合いなんてしていたら、こっちが不利だ。

と判断し、後方は下がる。

ライオニールは一歩も引かず、攻撃に転じ、ゼクシアはそれを受け流していく。


「どうした!?守るだけで精一杯か!?」


 一見優勢に見える…が、ゼクシアは最低限の力で受け流がしていた。

まともに食らえば、力押しで剣が吹き飛ばされかねない…

力を逃すような受けはローランドから教わったものだ。

これでチャンスを待つしかない…

少し攻撃を受けすぎたか、足がぐらつく。

その一瞬を、ライオニールは見逃さない。


「もらった!!」


 ライオニールは大きく感を振りかざした。

「ゼクシア!!」


 セリオンも思わず叫ぶ。


(…ここですわ!)


 剣を横に構え、ライオニールの攻撃を受ける。

そしてゼクシアは剣を斜め下に向けた。

ライオニールの剣は下方に受け流され、ライオニールの体制が崩れた。


「たぁぁぁぁぁぁ!!」


 ゼクシアはライオニールの手元を狙い、剣を吹き飛ばした。

そして首元に剣を当てる。

ゼクシアが完全に勝利した。

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