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第10話 狩りの時間ですわ

 魔獣の出現地帯に、ゼクスカイザーが降り立った。

「さて、今度はどんな魔獣ですの?」


 周囲を見渡すと、ツノの生えたウサギのようなものが見えた。


「あら、今回は随分とかわいらしいのですね。」


 しかし、街に害をなすことに変わりはない。

さっさと始末しよう…と思った瞬間、魔獣は素早く移動を始める。


「!?、速い!?」


 魔獣はゼクスカイザーの周りを素早く移動する。

見回しても追いつくことが出来なかった。


「くっ、どこですの!?」


一瞬顔を出した魔獣に対し、ゼクシアは仕掛ける。


「いましたわね!クロムレーザー!」


 しかし、魔獣には当たらなかった。

その隙をつき、魔獣はツノで攻撃を仕掛けてきた。


「きゃ!!ちょこまかと…」


 またしても素早く移動を始める。


「どうしたものか…速すぎて他の武器では捉えられませんわ」


 ゼクスカイザーに防御の姿勢を取らせて、考える。


「…そうですわね、それならこういうのはいかがでしょうか。

ツインアクストリガー!!」


 魔法陣が2つ現れ、二丁の小銃が現れる。

ゼクスカイザーはそれを掴み、指先で華麗に振り回した。


「さぁ、狩りの時間ですわ」


 木々に隠れて動く魔獣に狙いを定め、引き金を引く。


「後ろよ!ゼクシアちゃん!」


 マーレインからの通信が入る。

すぐさま振り返り、銃弾を放った。

森の中から微かだが、魔獣の血飛沫のようなものが見えた。


「よし!手応えありですわ!」


 すぐさま、魔獣の姿が見えなくなる。

周囲を見ていると、森がガサガサと動く。

照準を合わせ、引き金を引こうとした瞬間、


「後ろだ!ゼクシア!」


 セリオンの声が聞こえ、振り返る間もなく、魔獣がツノをむけて体当たりをしてきた。


「きゃあ!?」


 攻撃をまともにくらい、倒れてしまった。

再び魔獣は森に隠れる。


「油断しましたわ。

一瞬で背中に回るとは、なかなかやりますわね。

このウサギちゃん」


再び周囲を警戒していると、


「ゼクシアちゃん、右よ!」


 と、マーレインの声が聞こえ、すぐさま右を向く。

しかし、


「違う!ゼクシア、左だ!」


 今度はセリオンの声が聞こえる。

2人ともバラバラの方向を言ってくるのはさすがに混乱する。

その隙をついて、魔獣が攻撃を仕掛けてきた。

ゼクスカイザーは再び倒れてしまう。

マーレインとセリオンが揉めているのが聞こえる。

いくらゼクスカイザーが頑丈だとはいえ、何度も攻撃を食らうわけにはいかない。

動きが速すぎて目が追いつかず、さらに突撃を食らう。

すると、今まで黙っていたローランドが口を開く。


「ゼクシア、僕が見極める。僕の指示で撃ってくれ」


「わかりましたわ!お願いしますわ」


 ゼクシアが即答したことに、ローランドは少し戸惑った。


「…え、いいのかい?」


「もちろんですわ!

私、ローランド様を信じておりますから!」


 …嬉しかった。

彼女は僕の努力を見てくれている。

僕は信じてくれている…と。

ローランドは集中し、気配を探った。

とはいえ映像越しなので、難しいと思われたが、わずかな音も拾わんとするローランドの集中力に誰もが口を閉ざした。

ガサガサ…と音が聞こえた。

ゼクシアはその方向に銃口を向ける。


「ゼクシア!7時の方向、来るぞ!」


 ローランドから言われた方向を見ることなく、ゼクシアは銃を構え、引き金を引いた。

すると、指示した方向から飛び出した魔獣に見事当たった。


「どういうことだ?ゼクシアが向いた方向と違うところから魔獣が出たぞ?」


 セリオンの問いにローランドが答える。


「魔獣は同じ個体が2体いたんだ。

最初に撃たれた方が撹乱して、もう1体が攻撃をしていたんだ」


「さすがローランド様ですわ!それを見抜くなんて!」


 ゼクスカイザーは武器の銃身を持つ。

ツインアクストリガーは銃としてだけでなく、斧としても使うことができるのだ。

ゼクスカイザーは飛び出してきた魔獣へ向かって両手の斧を振り下ろし、魔獣を切り割いた。


「よし!残りは1体ですわ!」


 もう1体の魔獣を探そうとしたところ、後ろから魔獣が飛び出してきた。


「ゼクシア!後ろだ!」


ローランドが叫ぶも、間に合わない。


「そんな!さっき撃たれたダメージは!?」


 どうやら、この短時間で撃たれたダメージが回復したようである。

さっき倒された魔獣がひっきりなしに攻撃してきたのは時間稼ぎをしていたからというのもあるようだ。

ゼクスカイザーが振り返るも間に合わない。

 が、その攻撃が当たることはなかった。

突然、別の何かが魔獣とゼクスカイザーの間に割って入った。

魔獣は真っ二つになり、森の中に落ちた。


「なんですの!?今のは?」


 「別の何か」が通った方向を見ると、そこには巨大な4足の獣の姿があった。


「新たな魔獣!?」


 だが、それは魔獣とは異なる姿をしていた。

金色で機械的な身体をした獅子…ゼクシアはそれが何か理解した。


「…聖…剣神?」

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