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第9話 新たなライバル登場ですわ

「ローランド様!!」


 ゼクシアとセリオンは倒れたローランドへ駆け寄った。

なんとか立とうとするローランドの眼前にライオニールの剣先が容赦なく突きつけられる。


「俺様の勝ちだな、ローランド」


 ライオニールは勝ち誇った顔でローランドを見下していた。


「しかしまぁ、随分と弱くなったもんだなぁ…

女にまで情けをかけられるなんて、惨めすぎるぜ、おい…」


 ゼクシアとセリオンはむっとなった。


「たった1回勝ったくらいで調子に乗るものではないと思うが」


 セリオンが少し怒った口調で言い返した。


「悪いが、今のこいつ相手なら何度やっても同じだ。

俺様が勝つぜ。断言する。

弱っちくなりやがって…調子狂うったらありゃしねぇ。

これでもライバルだと思ってたんだがなぁ、期待外れだぜ」


「…ローランド様は弱くありませんわ」


 ゼクシアはライオニールの前に立った。

あ?と見下ろすライオニールに負けじと睨み返す。


「ローランド様は強いお方です。

貴方よりもずっと!」


 感情を露わにし、ライオニールに食ってかかる。


「面白えこと言うじゃねぇか!今さっき負けたばっかりのやつが、俺様より強いだぁ!?」


 鼻で笑うライオニールにさらに言い返そうとするが、ローランドがゼクシアの方に手をかける。


「…ゼクシア…もういい、セリオンもありがとう。

僕は大丈夫だから…」


 ローランドはその場を収めた。

ゼクシアとセリオンはローランドを医務室へ連れて行く。

その光景を見て、ライオニールは舌打ちをした。

…………………………

 医務室に向かい、ローランドは治療を受ける。


「大丈夫ですか?ローランド様」


「ああ、ありがとう」


 かなり容赦なくやられたようで、腕や足だけでなく、顔にも打撲の痕があった。


「ずいぶん派手にやられたね、君らしくない」


 嫌味っぽく聞こえるが、セリオンも心配している。

たしかになんとなくだが、ローランドの動きが悪かったように見えた。


 「いや、彼の方が強かっただけさ。まだまだ修行が足りないな」


 かなり落ち込んでいる様子だった。

ゼクシアはローランドを抱きしめ、頭を撫でる。


「大丈夫ですわ、ローランド様なら…

次は絶対に負けませんわ。

私、ずっと見てきていますもの。

ローランド様が頑張っているお姿を」


 ローランドの顔が赤くなる。

嬉しさと恥ずかしさで顔から火が出そうだ。


「まぁ!ローランド様!

大丈夫ですか?顔が真っ赤ですわよ」


 完全にのぼせてしまったローランドをさらに心配するゼクシアだった。


「しかし、ライオニールのやつ、確かに強くはなったようだが、以前より乱暴な戦い方をしていたな。

野生的というか…」


 セリオンが冷静に分析をする。

以前までのライオニールは単純な攻撃パターンしかないため、ローランドに全く通用しなかったらしい。

だが今回、ライオニールの荒々しい攻撃が読みづらかったのか、ローランドは受けるのにかなり苦戦しており、逆にローランドが攻めても、擦りもせず避けられていた。


「たった数日で変わるものなのか?

以前はローランドの方が強かったのは事実だろう」


「いや、彼の修行の成果が出たんだろ。

僕も負けているわけにはいかないさ」


 そういうローランドの言葉に元気はなかった。

いくら励ましの言葉をかけても、敗者の気持ちは当人にしか理解出来ない。

ゼクシアもセリオンもそれ以上、何も言えなかった。

そんな中、通信魔道具から声が聞こえる。

学園長からだ。


「魔獣が森に現れました。

ゼクシアさん、至急現場に向かってください」


「わかりましたわ!学園長!」


 ゼクシアは聖剣を出し、ゼクスカイザーを呼び寄せる。


「ゼクシア、僕たちは学園長室に向かうよ

撮影用魔道具でサポートできるかもしれない」


 ゼクシアは頷き、戦いの場へ向かった。


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