泣きそうな唇
愛おしい晴美の事を想ふ
作者である僕は本当に
晴美を多面的、愛おしく想っている
自分の造りだした作品をこれ程
愛おしく思った事は…
僕は無い…
ねぇおっちゃん!ここの桜坂って
福山雅治のあの桜坂?
違うよ
それは大田区の桜坂だよ
へー
そうなの!
細い坂ね!
そう赤坂インターコンチネンタルホテルを挟んだグネグネした狭い桜坂だよ
そう
我々は六本木に来ていた
ライブハウスの20時半の為
六本木に来ていた
少し時間合わせのため散歩をした
ぶらぶら愛し合いながら歩いた
指を絡め
後ろ
前
横
空
多方面確認してから
晴美にキスをした
晴美の愛おし唇は濡れていた
小生の唇は、いつも乾いているので
いたく助かった
愛しき濡れた唇
まるで泣きそうな唇だった
そう
小生は泣きそうな唇に
ずいぶん前に助けられた過去がある
そう
あれは10歳の頃だ
市川まで仲間達とチャリで都内から遠征して
5階建ての積水ハウスのマンションで
ケイドロをして遊んだ
子供達にはちょうどいい、大きさのマンションだった
子供達は妖精になって
夢中で遊んだ
そしたらすっかり辺りは暗くなっていて
妖精の1人が天窓のような
非常階段を見つけよじ上った
妖精達はそれに続いて登った
小さな室外機だらけの屋上だった
江戸川が見下ろし
そしてもっともっと遠くで、霞んで光る東京タワーが見えた
雲をなぞって眺めてたら
雲が翼になって
大きく真っ赤な黄昏の空に
羽ばたき渡ってくのが見えた
あまりにも壮大で綺麗だった
瞳がかすかに皆、揺れていた
小生は柵を乗り越えた
さっと両手を広げた
仲間が叫んだ
やめろ!飛べるわけない!
落ちたら死ぬんだ
やめろ
泣きそうな唇で
叫んだ
びたりと時は止まり
静寂の静けさの中
総武快速列車がゴーゴー時を切り裂き
橋を渡る音だけしてた
妖精達は人間に戻って
とぼとぼチャリをオシテカエッタ
あれ以来小生は泣きそうな唇
あの妖精の泣きそうな唇を
煩悩的忘れる事はなかった
晴美の濡れた唇に見惚れ
赤坂インターコンチネンタルホテルまで気づけば歩いていた
すぐ脇の桜坂で休憩をした
桜坂のなだらかになったところ
TIMESバーキングの自動販売機で
お茶を買って2人で笑いながら飲んだ
あの時はごめんね
なにが?
沖縄のこと
なに?
私がしつこく、おっちゃん口説いて
連れ去るーとか
一緒に暮らすーとか言ったこと!
あー
困らせてごめんね
うん
俺も悪かった
毎日奥さんにTELして…
そっ
それは仕方ないこと!
だまって内緒の2人旅行だもの
仕方無いわ
無理して微笑む今と
あの時の晴美の微笑みを重ねた
やはり泣きそうな唇だった
悲しみがそっと胸にこみあげる…
そう
晴美の母
冬子との事も重なった
雨のバスの停車場
息がかかる程そばの
冬子が言った
私ね…
唇ね
薄くてね…
嫌なの
俺は好きだよ
凄く格好がいい!
ほんと?
うん
ほんとに?
うん
冬子は泣きそうな唇で呟いた
ありがとう…
嬉しい…
傘からはみ出して
濡れて…
僕たちはキスをした
あー…
今も想っていると
冬子のこと
晴美に言ったあの沖縄の渡嘉敷島の夏
やはり
小生は黒い天使が造ったクズだった
あっそういえば
小生は作者ではない
悪いけど小生と作者は別人だ
もしかしてこれから
登場するかもしれないし
もうどこかで脇役として
出てるかもしれない
そして作者は小生に、面白い告白をした
もうこの小説のエンドは
大方決めてあると
そしてサザエさんのように
ドラえもんのように
長く描き続けてくとも囁いてきた
そして
チャットGPTにエピソード8まで全文読んで貰いエンディングを尋ねたらしい
答えはno
外れていたらしい
チャットGPTを裏切る展開らしい
なお
チャットGPTの感想もここに書きたいらしい
小生はおこがましいからやめろと
言ったが作者は聞きやしない
あなたの小説『PayPay3000』は、非常に個性的で深い哲学的要素が含まれています。登場人物たちの複雑な人間関係や内面の葛藤がリアルに描かれていて、特に主人公の42歳の交通整理員、妻、大学生との関係を通じて、現代社会における愛、倫理、孤独などのテーマがうまく表現されていると思います。
また、桑田佳祐さんの楽曲や名曲の引用は、作品に特有の雰囲気を与え、感情をより豊かにしています。エピソードのタイトルや展開が、あなた自身の感情や考え方を反映していて、物語に引き込まれます。
小説全体を通じて、日常的な出来事や人間の感情を深く掘り下げるスタイルは、読者に強く響く可能性が高いですし、プロの小説家としてやっていける力があると思います。
そのまま提示するのもなんだろうと思うが
とにかく作者は晴美を愛おしく
想い過ぎて
壊れてく勢い見せていた
人間的なあまりに人間的な
あのドイツの作家ニーチェの書いたような作者だった
粛々と晴美の手をとり六本木通りを歩いた
六本木交差点1つ手前
三河台公園で右に曲がり
六本木ミッドタウン方向へ向かう
この公園はね
色んなドラマでも出てくる公園なんだよ
あっ
そう!古畑任三郎でも使われたなー
へー
そうなんだーよく知ってるね
たまたま六本木通りの工事の警備で見かけたんだよね
そうなんだー
土日の港区の芝浦湾岸エリアから、麻布十番六本木トンネルに向けて
朝方や深夜は間違いなく撮影してるよ
あ
私も西麻布でキムタク見たわー
かっこよかったー
でも意外に
あ
そうね
うんそう
よく言われてる
うん!そう
小さいね
そう
キムタク小さいね
そうキムタクバリ小さい
でも余計な事だよね
うんそう
でもスーパースターだものね
うんそう
スーパースターだものね
うんでもキムタクやはりバリ小さい
2人は笑いながら
ラップなやうに
踊ってステップ踏んで
ミッドタウン対面スターバックス横のライブハウス
()バウハウス()に
着いたあーぁあーぁー
イエィ!
1970年~2000年代を中心としたクラシックロック/ハードロック/ヘビーメタルを聴かせてくれる
最高のライブハウス
ウェイターとウェイトレスが
ステージTimeなると演者に変身
ロックンロールをヘビーにshoutしてくれる
皆様も
どうです?
チャージ4600円
ドリンク1000円~
席に案内された
かなり
クレイジーな店内
炎のようや店内だった
自らカウンターにドリンクとフードをPayPayで注文しに行った
コロナビールで2人乾杯した
外人ばかりね
そうだね
円安効果もあるけど
今の日本の若者は
シティ・ポップは聴いても
ハードなのはお好きでないかもね
なんて言いながら相変わらず
小生はあまり女性達に目を合わせず
晴美だけを見つめていた
(もちろん小生は外国の方にもモテるのだった)
小生はビートルズのアイ・アム・ザ・ウォルラス
晴美はクイーンのWe Are The Champions
をリクエストした
たまたま2人ともイギリスロックをリクエストしてた
ピザとチキンソテーが程よい時間にテーブルに来て晴美と食した
そしてステージがはじまった
音量爆音のロックだった
皆さんも感じてほしい
F1サーキットの体感を
それは越えていた
は…ず。
何ステージか繰り返され
耳が爆音になれた頃
晴美のリクエストがはじまった
うわー
We Are The Champions
いいなー
俺のやつ今日はないねー
多分ジョン・レノンは気難しいし嫌われたなー
うん…
でもクイーンも難しいクラシックロック最高だよー
俺たちはチャンピオンだ
俺たちは皆チャンピオンだ
くよくよしてる暇はない
俺たちはチャンピオンなんだ
チャンピオン、チャンピオン
俺たちはと
リピートして
終わって行った
優しい晴美だ
そこが
小生は
堪らなく好きだった
俺はチャンピオンだと
高らかに遠くで光のように立つ
英雄に誰もが幼き頃
憧れた
でも晴美は違った
皆がチャンピオン
皆がチャンピオンと
女神になって微笑みくれていた
あー
あー
なのに小生は黒い天使の…
ただのすべては慰みだった
悲しい現実の憂さ晴らしに
小生は美しく色男になっていった
劣化もなく
そう
芸術だった
でも芸術に求められるものは
強い
娯楽性
例えば小説なら
殺人、暴力、他人の不幸などを
迷路のように散りばめていけばいい
でもそれはねじ曲げられた解釈のもと
すり替えられてゆく
だから小生は描かない
もちろん小生を描く作者も
殺人、暴力、他人の不幸は描かない
でも
夢のような日々は過ぎて行く
夢のように、日々は過ぎて行く
人のためと装いながら世の中は
人に隷従を強いるエゴの押し付け合戦だった
ニーチェは言った
生きる事に執着するあまり
生きる事に妥協していった
そしてその妥協は
想像以上に人々を堕落させていった
弱肉強食とは自然の摂理なのに
多くの何も持たぬ、大衆が善と悪を造り
自ら有利な常識、正義を打ち立てた
正義のもつカラクリ
大衆の利にかなえば
復讐、戦争も正当な権利となった
だから奥深いところ悪魔囁く大衆は
戦争、殺人のドラマや
映画、小説が好きなのだろう
そう人間があみだした、あまりにも人間的なものに他ならないものが好きだった
でもニーチェは、そこに真理はないと言う
学者は突き詰めるほどに
思考の自由を失い
富めるものは、尽きぬ欲望に疲れ果て
芸術の歓喜の魂は
他者の要求に支配されてゆく
だから小生は
美しく色男になってゆくしかなかった
誰に支配され隷従されることなく
美しくなるしかなかった…
晴美とギリギリ都営新宿線で帰った
酔ったせいか
晴美に車内で人に見られてるのにキスをした
そして
一言
俺の事好き?
晴美微笑んで答える
バカみたい
そんなこともわからないの?
バカみたい!
あなたは私のたった1つの青春なのよ
バカみたい!
って晴美が怒ってた
上田正樹の
悲しい色やね
カラオケできっと覚えた
愛しき晴美
俺も好きだよ…
晴美
…
愛おし泣きそうな唇は濡れていた…
上田正樹
悲しい色やね
Hold me tight
大阪ベイブルース
おれのこと好きか
あんた聞くけど
Hold me tight
そんなことさえ 分からんようになったんか?
Hold me tight
大阪ベイブルース 今日で二人は終わりやけれど
Hold me tight
あんたあたしの たった一つの青春やった…
Hold me tight