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黒子の天使の異世界創造~幼馴染み熾天使はダンジョンマスター~  作者: 三河三可


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第61話 ダンジョンのガイドライン

 本来ならば、ダンジョン運営は事前に緻密な計画が立てられ、用意周到に進められなければならない。だが急造の第13ダンジョンは、今のところ行き当たりばったりの出たとこ勝負になっている。

 しかし、ブランシュによってダンジョンの進むべき方向性が示された。そうなれば、どのように実現させるかは黒子天使達の問題になる。


 そして、第6ダンジョン最下層の会議室には、黒子天使達の幹部4人と、ザキーサとマリアナが居る。議題は、もちろんこれからのダンジョン運営だが、それは俺1人で決めれるものじゃない。


「先輩っ、9階層をどうするんすか?ダンジョン全体のコンセプトは、人に魔物・天使が共存するダンジョンなんすよね」


「そうなんだよな。そんな平和なダンジョンがあれば、ダンジョンの存在意義がなくなる」


 長い年月をかけて『魔王=絶対悪』・『勇者=討伐』・『ダンジョン=富』といった刷り込みがなされてきた。しかし、ブランシュが提示した方針とは、『ダンジョン=温かい家庭』と全くの真逆を行っている。


 それはザキーサやマリアナにとっても同じで、聖女と古代竜が同僚であることは秘匿してきた。ダンジョンとは、魔物との戦いの場所であり、休息の場ではない。

 第13ダンジョンの3層までに住み着いている人々も、ヒケンの森での魔物の脅威が無くなれば、大半は地上へと戻ってしまう。魔物の脅威が前提となっているのだから、そこには魔物との敵対感情しかなく共存なんて考えられない。


「先輩、でもダンジョンは待ってくれないっすよ。これしか方法はないと思うっすよ」


「でもな、ダンジョンの建築ガイドラインがあるんだ、あんまり逸脱すると天界がうるさい」


 ダンジョン運営は、全て各ダンジョンに任されている。ブラックアウトが引き起こす災厄から避ける為に、天界は一切の関与や介入はしないことになっている。

 ただ、効率よく魔力を吸い上げる為のガイドラインだけが設けられている。そこから逸脱すれば説明責任が発生し、天界へと呼び出されてしまう。

 因みに今のガイドラインは、熾天使ラーミウのによって整備されたもので、マリアナやザキーサは知らない。


「ダンジョンガイドラインって何なんすか?」


「ああ、それはなコイツだ」


「うっ、その分厚いファイルは……」


「とりあえず、マリクはこれを明日までに読んでおくことだな。細かいところは、それから詰めてゆく」


 何でもありのダンジョンではあるが、魔力の獲得を目的とし、幾つかのことが推奨されている。それが、ダンジョンガイドライン。

 例えばダンジョンコンセプトの変化。8階層が火山地帯の灼熱の階層で、1つ下の9階層が雪に覆われた極寒の階層という設定も可能である。しかし、急激なダンジョン内での変化は魔力消費が大きくなる。

 その対策として、基本的には5階層や10階層毎にダンジョンテーマを設定し難易度を上げてゆく。そして、灼熱地帯から極寒地帯へとコンセプトを変更する前には、中立属性の階層を挟む。この中立地帯にはフロアボスと呼ばれる魔物を配置する。

 そして何より急激な変化で、ダンジョンの難易度を上げない。そして、終わりを見せることで、冒険者の心が折れないようにする親切設計が求められる。


 第6ダンジョンは、60階層まであったが、建設計画は70階層まで建てられている。それに向けた事前準備は、百年以上前から立てられたものになる。


「大まかな内容は、こんなところだ。だから、マリクの案は却下するしかない」


「もう大々的に魔物は集めたんすよ。今さら解散なんて言えないっすよ」


 マリクが集めた魔物は、セイレーンやローレライ。それも選りすぐりの美形ばかりを集め、コンセプトカフェやコンセプトバーを開こうとしていた。


 現在の第13ダンジョンは、良く捉えても滅びた古代文明。過去の文明を感じさせるアーティファクトが排出され、それを覆い隠すように森が広がる。少なくとも10階層までは、このコンセプトを維持しなければならない。


「どう考えたって、無理があるだろう」


「でも、ザキさんのOKは貰ってるっす」

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