表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒子の天使の異世界創造~幼馴染み熾天使はダンジョンマスター~  作者: 三河三可


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/68

第60話 ブランシュとダンジョンコア

「どうしたのレヴィン?難しい顔してるわよ」


 書類の山が無くなり見えてきたブランシュの顔。明るい声のトーンとは違い、眉間にはシワが寄り目を細めているのは、間違いなく俺の顔を真似している。


「そんな顔はしてないだろ」


「鏡を見てご覧なさい。不機嫌さが前面に出てるわ。こっちは、足音だけでも分かるのよ。他にもまだまだ根拠はあるわ」


 俺がブランシュの本心を見抜けると思う以上に、ブランシュは俺のことを見抜いている。些細な仕草や動きだけで俺の感情を察知し、昔から隠し事なんて出来たことがない。


「他にも、何があるんだよ?」


「それは秘密。私だけが知るトップシークレットね」


 両手を上げ降参の意思表示を示し、さっさと本題に入る。どんな言い方や言い回しをしても、俺がブランシュに隠し事は出来ないのを改めて思い出させられる。


「ダンジョンコアは、熾天使の影響を受けて成長するのは知ってるよな」


「ええ、知ってるわ。ダンジョンを誕生させるのは熾天使の役目だもの」


「ブランシュは、ダンジョンに何を望むんだ。いや、何を願ったんだ」


 もう、ダンジョンコアは急激な成長を始めて、それはブランシュが何かした証拠でもある。


「何もしてないわよ。レヴィンと一緒にコアを見たのが全て、それだけよ」


 でもブランシュは意味深に笑うと、得意気に右腕を見せてくる。


「これ、イイでしょ。どう、似合ってる?」


 熾天使は様々なアクセサリーを身に付け、自身を着飾るが、それは全ては身を護る為のマジックアイテム。しかし、ブランシュが身に付けているアクセサリーは少ない。

 魔力増強する指輪や、結界を張るサークレット、傷を癒すイヤリング。でも、そのどれもが高価なものではなく、どの天使でも手に入れることが可能な安価なものばかり。今後ザキーサによって一新されるだろうが、ブランシュが好んで身に付けているもので、俺は口を出していない。


「似合ってるって、どれがだ?」


 正直に言えば、ブランシュが身に付けているアクセサリーを詳しく覚えていない。だがそれ以上に、ブランシュが見せてくる右腕には何のアクセサリーも見えない。


「えっ、やっぱり覚えてないんだ……とは言わないわよ。覚えていて欲しいのもあるけど」


 背中に冷たいものが流れるが、俺の痛いところは突かずに、ブランシュは見てと言わんばかり右腕を突き出してくる。そこには、薄っすらと浮かび上がるブレスレットが見えてくる。

 赤や青と様々な色が混ざり合うマーブルカラーだが、次々と色が変わり模様を変えてゆく。そんな物を俺は1つしか知らない。


「それってダンジョンコア……じゃないのか?」


「そうよ。ダンジョンコア見た後に、気付いたらここに居たのよ」


 迂闊に触れることが出来ないダンジョンコアが、ブランシュの腕に収まっている。ブレスレットからは警戒するように赤い光が放たれ、そこには強い殺気を感じる。


「駄目よ。レヴィンが大丈夫なのは分かってるでしょ」


「ちょっと待てよ。ダンジョンコアと会話出来るのか?」


「うーん、そうね。何となく気持ちは分かるって感じかしら。模様だったり光り方が変わると、何となく分かるのよ」


「お前もか?ブランシュに惹かれて、ついてきたって感じなんだろ」


 俺の言葉で、ブレスレットは激しく明滅する。このダンジョンコアは分かりやすく動揺している。


「図星だな。これがダンジョンコアだなんて呆れるしかない」


 出来るならダンジョンコアを最下層に強制送還し、結界を張り巡らせて監禁してやりたい。だが、俺達の力がダンジョンコアに通用する訳がないのは分かってる。


 すると、今度はダンジョンコアが黄色く光始め、黄色く光るブレスレットが現れる。


「これって、もしかして……」


「そうよ、元第6ダンジョンのコアも連れてきたんだって」


「分かったよ。俺は何も言わないけど、この事は絶対にバレないでくれよ」


「大丈夫よ。私からキツく言い聞かせてあるから」


 俺達の会話に安心したのか、ブランシュの腕のブレスレットは再び見えなくなってしまう。


「それで確認したいんだけど、ブランシュはダンジョンに何を望むんだ」


「そうね、刺激は求めないわ。皆が暮らせる温かいダンジョンであってくれれば嬉しいかな」


「何だよそれ。まあ、ブランシュらしくはあるけどな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ