表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒子の天使の異世界創造~幼馴染み熾天使はダンジョンマスター~  作者: 三河三可


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/68

第32話 命を大切に

 モニターには、先日見た3人の冒険者がガルグイユの石像と対峙している。


「白銀の翼、所定の位置に到着しました」

「僧侶ペンネの攻撃力上昇魔法発動確認」

「戦士アルベルトの攻撃力上昇確認」

「ガルグイユ発動に必要な攻撃力に到達」


「先輩、生命力ゲージはいつでもいけるっすよ」


「よしっ、生命力ゲージ発動」


「幻影発動後に、生命力ゲージ実行」


「了解、幻影発動します」


 ブランシュの幻影が映し出されると、無数の羽根が舞い落ちる。




 戦士アルベルトが戦斧を構え、大きく振りかぶるが、突然現れて消えた熾天使に動きが止まってしまう。


「何が起こった……何だ、あの青いのは?」


 ガルグイユに一定のダメージを与えれば、石像が動き出す。それは、ガルグイユが動き出す前に攻撃出来る絶好の機会であり、大半の冒険者は少しで大きなダメージを与える為に頭を狙う。

 そして、狙おうとしていたガルグイユの頭の上には、青い帯状のゲージが浮かんでいる。今までに無かったことに驚き戸惑うが、現れたのが熾天使であれば悪いことが起こったとは考えにくい。


 後ろの盗賊リジェネの方を振り返れば、リジェネの頭の上にも青いゲージが浮かんでいる。


「リジェネの上にも?何だその青いのは?」


「何言ってるの、アルベルトの頭にも浮かんでるわよ」


 アルベルトは、自身の頭上の青いゲージを払おうとするが、手に触れることは出来ず通り抜けてしまう。一方のリジェネは体を動かし、体の変化がないかを探っている。


「何だよ、これ?」


「呪いではないみたい。体にも特に変化はないわ」


「熾天使の加護なのか?」


「2人とも、早くしないとバフ魔法が切れるわよ。この前も魔力切れしたんだからね」


 止まってしまった戦闘を、僧侶ペンネに再開するよう促されると、アルベルトが慌てて攻撃を始める。巨大な戦斧の一撃が石像の頭に直撃すると、何時ものように周囲は光に包まれて、別空間へと転移が始まる。


「心配したが、何も変わってなさそうだな」


「待って、ガルグイユのゲージの色が変わってるわ」


 リジェネが指差すガルグイユの頭上のゲージは、青から緑がかった青色に変わっている。それに、僅かにではあるが長さも短くなっている。

 しかし、観察出来るのはそこまでで、ガルグイユは何時もと変わらない動きで襲いかかり始める。


 アルベルトの全力の攻撃では、僅かにしか見られなかったゲージ変化だが、逆の場合は顕著な変化が見える。

 ガルグイユの攻撃を防いだアルベルトのゲージが2割程短くなり、色も青から完全に緑へと変化する。さらに攻撃を受ければ、ゲージはさらに短くなり、緑から黄へと変化する。


 ここでペンネがアルベルトに回復魔法を唱えると、ゲージの長さが長くなり、色も黄から緑へと戻る。


「分かったわ、このゲージは生命力を表しているのよ」


 叫ぶリジェネに、アルベルトが応える。


「ゲージが無くなったら、どうなるんだよ」


「死にたくなかったら、ゲージを減らさないことね。後3回攻撃を受ければ、ゲージは無くなるわよ」


「ちっ、あっちはほぼ変わってないじゃないか」


 ゲージを意識したせいか、アルベルトの動き出しが僅かに遅れる。そのミスをガバーする為に、リジェネがアルベルト前に出ると、ガルグイユの攻撃を受け止める。


 アルベルトよりも軽装のリジェネが、ガルグイユの攻撃を受け止めれば、ダメージは大きいはず。しかし、リジェネのゲージは1割ほどしか減っていない。

 そして、今度はペンネが両手でメイスを握ると、渾身の力でガルグイユの頭を叩きつける。バフ魔法がかかっていないペンネだが、アルベルトの戦斧より大きな衝撃音が響くと、ガルグイユのゲージの色が青から緑に変わる。ゲージの長さは僅かに短くなった程度だが、アルベルトの時と比べると減り幅は大きい。


「嘘だろ……」


 精彩を欠くアルベルトに、白銀の翼はガルグイユのゲージを2割程減らしただけで撤退を余儀なくされる。




「ブランシュ、大丈夫だと思うか?あの戦士、かなり心が折れているように見えたぞ」


「でもゲージに気付いて、限界まで戦っていたわ。次の挑戦まで様子を見てもイイわよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ