異世界にて:分からないものは分からない
そうして、真夜中の些細な事件はちょっとした疑問を残しながら、解決をした。
そうして帰路についた途中、ふと自分の眼が気になった。
「気になります?貴方の今の眼が」
「まぁ・・・これからの生活とかに影響がなければいいなぁとか」
「その眼はですね。魔眼といわれているものでして、種類とかタイプがそれぞれ数種類あるっていう話を聞いたことがあります。」
「・・・・・もしかして、ビームを出せるようになったり?」
「出来るものもあるって聞いたこともあるけれど、それしかできないらしいし、あなたの眼は多分もっと別のものだと思う」
「別のモノか・・・・・」
視界の左上に表示されているマップみたいなものと右端に出ている文字の羅列が表示されている。
ただ、それだけなのだ。まぁ、それだけでも十分に変なのだが、この程度だったら、その内慣れるだろう。
「希堂さん、あなたの魔力量に関して一つ聞いておきたい事が」
「魔力量・・・・?」
「あなたの前居た世界は魔法が存在していましたか?」
「いや、魔法はなかったですけど・・・・」
「――――そうですか、そういう事なら才能なんでしょうね」
異世界に来て目覚めた才能ってとこなんだろう。何も誇れるものがない、俺にとってありがたいことだ。
「そうだと、いいんだけどね・・・・・」
「君は、えぇっと、名前は・・・・」
「そういえば、まだ自己紹介をしていなかったわね。私は・・・・・アリサよ。呼び捨てでいいわ」
「アリサ・・・・・さんは、魔術に詳しいんですね」
「呼び捨てでいいって言ったのに――――何も変わってないのね」
「何か言いました?」
「いえ・・・・・・ところであなた達のところに泊まらせてくれない?」
「「え」」
(女の子を家に泊めるだって、さっき会ったばかりの子を、しかも、こんな時間に!?)
「いや、でも・・・・・・男の部屋はどちらにせよ、無理ろうし、ティアさんの方がいいんじゃ?」
この世界に来たばかりだし、部屋もきれいだが女の子を泊めるのはいろいろまずい。
「私の部屋だったら大丈夫ですよ。部屋の整理も大体終わらせてますから」
「じゃあ、決まりね」
そんなこんなで、アパートに着き、ティアさんは部屋に扉を開け、一足早く入っていった。
俺もそのまま、自分の部屋の扉をあけようとしたら。
「もう一つ聞きたい事があったの。あなた、この世界に来て何か変なことあった?」
アリサさんが何か、変な事を聞いてきた。
「変なことはなかったけど・・・・眼が痛くなったり、寝たり・・・そういえば、何で寝たんだ。別に疲れてないのに・・・・」
「そう・・・・・・・きっと、それはこの世界に来て、魔眼が起動の準備を始めたのね」
「そんな、パソコンのОSみたいなみたいなことを・・・・」
「そういうモノなのよ。能力って言うのは・・・・・おやすみなさい、また明日ね」
「おやすみ・・・・・・・・ふぅん、そういう感じなのか。能力って」
俺も自室の扉を開け、そのままベットに転がった。
そうして、横になっていると、魔力を使ったせいなのか分からないがすごい眠気が襲ってきた、その時ふと疑問が頭に浮かんできた。
「異世界から来たって言ったっけ?・・・・まぁ、いいか」
再び眠りにつくために静かに瞼を閉じた。