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異世界にて:真夜中の出会いと遭遇

探偵初の依頼を受けた後、そのままアパートに帰ってきたあと俺たちはそれぞれ自分の部屋にわかれ、やれることもなかったし、まだ外は明るいが頭の痛みも治まる感じではなかったので、寝ることにした。


「まだ、頭も微妙に痛いし、寝るか・・・」


部屋にあるベッドに腰を下ろし、そのまま横になり瞼を閉じた。


 ふと、夜中に目が覚めたあれから何時間寝てたんだろうかと思い腕輪で確認できるか試してみると、ちょうど日をまたいだ12時であることが確認できた。どうやら早く寝すぎたらしい。


「どうしようか・・・・・・」


窓の外を見ると空に伸びている細い搭らしきものは月光を浴びてキラキラと綺麗に光って幻想的な雰囲気を醸し出している。


「・・・・・・外でも歩くか」


玄関に出て扉に腕輪をかざし、外に出ると冷たい空気が身体に吹いてきた。

階段を下りる途中。月に照らされた地面の反射光が、一瞬だけ強くなった気がした。


「何だ・・・・?」


階段を下り軒下から急いで出て空を見上げてみるが、そこには満天の星空があるだけだった。


「まぁいいか・・・・・さて」


そこから山沿いから都市が見える道を歩くこと数十分。アパートの近くの街道を心地の良い風を浴びながら、都市の光を横目に歩くこと、どれくらいたっただろうか腕輪(コード)で確認していたら三十分ぐらい歩いていたらしい。


「こんばんわ」


そうやって歩いていると前から来た通行人の女性が挨拶をしてきた。

月の光に照らされ美しく輝いている白銀の長髪、碧色の眼に、どこか神秘的な感じに大人びた雰囲気の女の子だった。


「こ、こんばんわ」


まさか、人に出会うと思っていなかったし、あまりにきれいな人に挨拶されたのでびっくりしてしまいおどおどとした返事をしてしまった。

そして、通り過ぎていくと思っていたら、彼女は俺の横を付き添うように歩き始めた。


「な、なんですか?」


綺麗な碧い目でこちらを覗き込むようにしてきたので眼を逸らした。


「・・・・こんな時間に外を出歩いていたら危ないわよ?」


「そんなに危なくないと思うんだけど・・・・都市の中だし」


「異世界の人はよくそういう風に言うのよ、でもね、この辺りは自然が近いからか良くでるのよ」


「出るんだ・・・・」


「スケルトンとかスライムとかかしらね。」


なんだ、ファンタジーがあまりない異世界だと思っていたからファンタジーさが出てきたのは結構なことだ。


「あら、怖くないの?」


「まぁ想像はついてたし・・・・ちょっと楽しみだったし」


「なるほどね。でも、あなたは武器の一つももってないし、魔物って怖いのよ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・熊みたいなものかな」


いや、まさかこんなところでモンスターと遭遇する可能性があるとは思わなかった。てっきり都市の中だし、


「そんな感じ。だから、通りかかった私が守ってちゃんと家まで帰してあげる」


「助かるけど・・・・・・・そういえば、どうして君はこんな時間に?」


尋ねると、苦笑をし、その笑い方にどこか自嘲(じちょう)を感じたが深く考えないことにした。


「・・・・・この辺りにちょっと用事があってね。その帰りなのよ」


「危なくない?こんな時間に女の子一人って言うのは」


「・・・・・私は戦えるし、心配するならあなた自身の事じゃない?」


「家からそんなに離れていないだろうし、大丈夫だ・・・・と思う そういう君は家は近いんですか?」


遠出なわけはないだろうし、家の近くまで送れば大丈夫だろう。いざという時の手段もあるが、まぁティアさんの許可がいるから何とも言えないが。


「・・・・・・・・・知り合いがこの近くに住んでいるらしいのだけど、もう寝ちゃったかも」


 こんな会話をしていると、歩いているとガサガサッという何かが動く音が雑木林から聞こえてきた。


「もしかして、本当に遭遇した?」


「こんな時間に他に人が歩いているとも思えないし、そうかもしれないわね」


そうしていると、ソレが姿を現した。


ソレは人の骨組みだけが歩いている。なぜ歩けるのか不思議なそれは、こちらに向かって歩いてきていた。数自体は・・・・・それなりに多いか。


「スケルトンか・・・・本当に出るんだ」


アパートまで逃げるっていう選択肢もあるのだろうが、追いかけてくるかもしれないな。いやでもスケルトンってどうなんだろう。


「スケルトンは考えて動くなんていうのはたまにしかいないから、そこまで大変な相手と思うけど」


「なんかあった時に困るから、俺が持てる武器は何かない?」


「・・・・・・・・・・・そうね。なら、この剣を渡しておくわ」


そうやって彼女は小型の剣を渡してきた。


「何かあったら、私をおいて逃げてね。私はさっき言ったけど戦えるから」


「俺も戦えたらなぁ―――」


どうしたもんか――――他にも人手がいれば、悩まなくても済むんだけどな。


そんなことを考えていたら、スケルトンの群れがどんどん近づいてきた。


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