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夢の中の出来事⑧

ふと目が覚めるとそこは真っ暗な海底だった。そこは光源がないにもかかわらず異様に視界がハッキリと鮮明に見えるというなんとも不思議な状態だったけれど、夢の中でも夢って見れるんだという事もあり分かり切っていた。


「・・・・・・寝て起きると景色が変わっていた」


そして周りを見渡すと他に誰の姿も見えなかった。これまた不思議なことで何故か前みたいな体の芯まで冷える冷たさがなかった、さっきまで蒸し変えるような暑さの中にいたから余計にそう思えた時、ふと目のところに違和感を感じながら周りを見渡すと視界がはっきりと地形と所々にある何かの残骸の輪郭から細かい凹凸まではっきりと見えた。


「・・・・これもこの魔眼のおかげなのか」


手で瞼を触るとこんなに熱くて大丈夫なのかと心配になるぐらい熱かったけれど、それ以外は痛みとかは何も感じず、その熱さも徐々に収まってきているようだった。


(前はこんなことなかったんだけど・・・・)


まぁ、そう言う事もあるかと勝手に納得してどこまでも広がる砂原を歩み始めた。そこは地面は構造物と何かの残骸がある以外はいたって特徴的なものは見当たらなかった。そうしてどれくらい歩いたか遠くに今までは見えなかった巨大な黒い影が見えてきた、それは近づくと巨大な建造物だということが分かった。

外見はいかにも太古の昔に建てられたという感じの遺跡じみたものだ。それに不思議なことにその遺跡だけが暗闇の中に鎮座していたが周りの風景ははっきりと視認できているのに遺跡だけがあやふやな



「・・・・・・・・・・神殿だよな、これ」


軽くそういう神話とかをかじっているからこそわかるもので海の中にある神殿とかどうせろくでもないものに決まっている。


「でも、これしか他に行くところないしなぁ」


もう一度周りを見渡しても、さっきと何も買わない景色が広がっているだけだった。


「・・・・・・・・・どうしたもんか」


そんなことを考えどうしようか悩んでいると、神殿が音を立て揺れ始め何事かと疑問に思いつつ見守っていると目の前に大きな門がゆっくりと開き、手前から順番に光が点いていく様子は神殿の中に来るように誘っているように空に浮いている灯がゆらゆらと揺れていた。

 何とか勇気を出し、大門の中を通りぼんやりとした光に包まれた薄暗い道をまっすぐ進んでいくと広間に出た、一つの大きなベットと作業用の机が階段を上った先にポツンとあるだけで周りを見渡しても他に通路や部屋がないかなりシンプルな造りだった。

そしてこの広場に入ってきたと同時に目のあたりにほんのりと熱さが宿ったが、さっきとほんのりと痛みが襲ってきた。


「いててて・・・・」


我慢できる程度の痛みを抱えつつ、広場の中央にある階段を上っていく。短めの階段という事もあってあっという間に高台にたどり着くと目の前の椅子からぶつぶつと何かつぶやくような声が聞こえてきたので気になって近づくとそこにいたのは────。


「こんなあからさまに怪しい所に何も考えず突っ込んでくる能天気で馬鹿な奴なんていないだろうし、来るで適当に暇でもつぶしって何かしてっかな。さて何か面白いものでも探そ」


怒りを我慢しつつとりあえずもう一度周りを見渡す。ざっと体育館くらいの広間には天井を支える柱以外には武器らしきものは見当たらなかったし、どうせ人じゃないだしと自分を無理やり納得させたのちとりあえず手っ取り早い方法実行するため距離をとった。


「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


「いや、そりゃsゴハッ・・・?!」


こちらに身体を向かせた瞬間、走り出し勢いよく思いっきりドロップキックをかますと、名も顔も知らない相手の土手っ腹に突き刺さ椅子ごと吹っ飛ばされていった。


「ククク・・・・・・まさか初対面の相手でも平然とドロップキックをしてくるとはな」


何事もなかったようにゆっくりと立ち上がりながらそんなことを抜かしていた。


「まぁね、ちょっと蹴らなきゃいけない気がして」




相手は特徴的な黒みがかった青と紺色の髪に口元を覆うマスクをし、感情を感じない眼の下にクマが出来ている同い年か年上での青年で、老いているようにも若いようにも女性っぽくも見えるちょっと不思議な雰囲気を感じられた。


「待ってたんだよ、自棄に来るのが早か・・・・・・・は?」


こちらをじっと訝し気にこちらを見つめ、呆れるというよりも何故、こんなことになったのか分からないといった様子で険しい表情をのぞかせた次の瞬間。足元そこにあった地面に接地していた感覚が急になくなり、凄まじい勢いで落下していく中。


「論外だ、全員揃ってからまた来てくれ」


「は?」


そんな声が遠ざかる頭上から聞こえてきたがそれに反応する暇もなく身体が落ちていくのか、それとも意識が落ちていくのか、何とも不可解な感覚に包まれた次の瞬間には地面にドスンッと叩きつけられていた。周りを見渡すとそこは窓もない白い壁しかない部屋の中だった。かろうじてドアだけはあったのでさっさと部屋を出るとそこには通路と大きなガラスがあり、外のとても土砂降りの雨と雷雨を隔絶してくれていた。

 

「お、視界が」


そしてそれと同時に目のあたりにほのかな熱を感じ、壁が透けて見えてゲームのように地面に矢印が表示されていた。薄暗い通路の中ソレが廊下の奥まで続いていた。他に選択肢もなかったし、一刻も早く三人と合流をしたかったのもあって暗闇の奥まで続く矢印を追っていくことに決めた。






暗闇に包まれた通路を歩いているせいかやけに居心地の悪さを感じつつ矢印を追って暗闇の中を進んでいくことどれくらいたっただろうか、蛍光灯が照らす非常口があって矢印はこの扉の奥を指していた。


「・・・・・・・・・・・よし、行くか」


頬を叩いて覚悟決める、力を入れて扉を押していくと重苦しい音を暗闇に響かせて開いた扉の先に広がっていたのは廊下だった。

────真っ白な壁と廊下だ。扉を超えたら何かが変わっているわけでもなくただ続いているのみで、さっきと打って変わって光が目の前の一本の通路の突き当りから射しこんでいるの見えた、その通路を進み角を曲がるとさっきと同じようなガラス張りが見え外は驚くような晴天が覗いていた。

周りのは部屋を見て回っても人がいる気配もなく、下の階を回ろうと階段をくだっていくと踊り場のあたりで見えない壁にぶつかり下の階にはいけないようになっているようだった。上に向かう階段はそんな壁はなかった。


「・・・・・誰かに合えればいいけど」


階段を上るとあっという間に屋上にたどり着いた、そこには晴れまわった青空の下に不自然な半開きのドアがぽつんと置いてあり、その前にティアが地面に座り込んでずっと扉を見てるようだった。


(・・・・・・なんて声をかければいいんだ。探してたって言えばいいのか? いや、でも・・・・なんか違う気がする)


大した事でもない悩みに悩んでいる自分に若干苛立ちを覚えて、地面を睨んでいるとふと影が視界に入り込んでいた。


「何してるの?」


「い、いやなんでもないんだよ? ただ、かわったけしきだなぁ・・・・・って」


そうするとおかしなものを見るかのように「フフッ」と人差し指を唇に当て軽く笑った。何かおかしなことを言ったかなと不安を感じていると。


「気を悪くさせたならごめんね、でも私もそうするなって思って」


「それって・・・・」


「別に深い意味はなくて、ただ下手に動いたら後戻りが出来なくなる可能性もあるから息抜きも兼ねてね」


「だから扉の前で・・・・」


「そ」


気が抜けていたのか足を大きく広げていた事に気にしないことして、幸いにも本人は聞いてこなかったのでホッとしているとこれからどうするかがという話になった。


「とりあえず入る?」


「私としてはお勧めできないわね、どこにつながってるか分からないし」


透き通るような晴天の下、周りを見渡しても他に移動できそうなものは見当たらないし、出る方法は扉をくぐる以外になく、どうしようかと悩んでいると視界の中央に何かの枠が表示されそこには『頑張れ♡』と煽りとも取れるようなメッセージが書かれていた。礼装を展開すれば何とかできる、それが考えすぎなのかそれとも他に方法があるのを分かっていて見守っているのかわからなかった、けれどそれが急かされているように感じた。


「・・・・・・やるしかないか」


考えすぎる思考が熱を持つ前に、歯止めを聞かせるように小声で呟き礼装を展開しようと意識を集中させる。


「・・・・・・・ッ?!」


意識を集中させたその瞬間、凄まじい頭痛が襲ってきたがそれを無視し手のひらを見ると展開は終わっていたらしくいつのまにか錆びた剣が握られていた。手の剣の柄を握る感触もおぼろげで何か違和感のある感覚に包まれていた。


「・・・・・・・・・・・・・・」


その感覚を振りほどき、無理やり握る感覚を引き寄せる。最初こそはおぼろげだったそれも徐々に感覚が実感のあるものになるのと同時にそれを拒むように頭痛がよりひどく鮮烈にノイズとなり、何とも言えない怖気と吐き気の感覚が内から湧いてきた。それを振り払うように剣をぶん投げると反動で前のめりに地面に倒れこんだ、それと同時にバギンッと何かが砕ける響くような音が聞こえてきた。


「い、今の音は・・・・・?」


「そ、そんなことよりおとうさんは怪我してない?」


「吐き気と鳥肌がすごかったけど問題ない」


「・・・・・・・・・・・はぁ、そういうのはちゃんと言ってくれないと・・・・で何するの?」


「い、いや。とりあえずこれを使えば何とかなるかな・・・って」


何かを聞きたそうにしていた雰囲気があった気がしたのを疑問に思いアリサの方を見ると何かを聞きたそうな表情が徐々に首を傾げ頭に?を浮かべていた。


「どうかした?」


「・・・・・・・・・・どうすればティアと合流できるかって考えてたんだけど、方法が分からなくて」


「なるほどね、ちょっと待ってて」


「?」


そういうとつかつかと扉のところまで歩いて行き閉まっている扉を開き、中の様子を覗き込んでいた。どうやら念のために扉の先を確認しているみたいだったが少し覗き込んだ後、戻ってきた。


「やっぱり正攻法じゃ無理ね、中の風景がめちゃくちゃ・・・・・・常に変化してて下手したら一瞬であの世送りになりかねないわ」


ティアさんのいるであろう花畑を想像し剣を握る手に力を入れ、腕を振り上げ一気に扉に向かって振り下ろすと剣から放たれた銀色のエネルギーが扉ごとその後ろの青空とビル群を切り裂いた。

すると、その裂け目から徐々に空間に伝播して、そこから光が漏れ出し空間が揺らぎ、さっきまでの青空が、その一瞬一瞬で様々な風景に入れ替わっていった。

 その風景は都市や町、田舎の村。家や建物の中に電車の中、ゲームセンター、学校の教室。山の奥に海の底。神社や廃墟。惑星を宇宙から眺める光景。不気味な神殿などの光景が瞬きの間に消えていった。



「(前も似たようなものを・・・)今のは一体・・・・」


「あれってお花畑?」


困惑しているとアリサが目の前、さっき作った裂け目の指さしていった、そのあたりにうっすらとした輪郭で確かに花畑らしきものが見えてきた。

 

「あそこに行けばようやく合流できるかも」


「そうなんだ・・・・・じゃあ、あそこにおかあさんもいるかもしれないのね」


「・・・・・いつでも油断ならないって事かぁ」


「・・・・・・・・ギャンブルみたいなものだからそこは諦めるしかないのよね」


そんな風に話していると空気にさっきまでの澄んだ空気だった物が徐々に熱を帯び始めているのが分かった。


そしてそれと同時に裂け目が徐々に大きくなっていき、裂け目の光が大きくなり視界を覆い尽くそうとしたその直前、アリサが右手を勢いよく握ってきた。


まるで離れるのを拒むように。握る力はとても力強かった。



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