夢の中の出来事②
「ど、どう? この服」
ひらひらの服を着ながらくるりと一回転するのを二人は興味深そうに凝視し、見られているせいか流さんの白い肌は恥ずかしさで赤く染まっているが、そんなことは二人は気にしてないのか、そんなことは関係ないのか舐めまわすように見ていた。
「どう思う?」
「え、何が・・・・・・」
「そりゃねぇ。見ればわかるでしょ」
とても真面目な顔でこちらに振り返り聞いてくるアーシャとひらひらの服を着るのに慣れていないのか恥ずかしさで肌が赤みを帯びていた。
「に、似合ってる・・・・と思います」
「・・・・・・・・・・・・・あぁ、そっちか惜しい」
自らを奮い立たせてなんとか言い放った言葉にホッとする流さんのとは別にそんなそっけない返しが返ってきた。
「お、惜しい・・・・?」
そんな返しに若干イラっとしつつ、視線で返すと分かんないのとでも言いたそうな表情で見つめ返してきた。
「な、何を・・・・・・」
「一目で分かるでしょ」
「ちょ、ちょっとやめてよぉ。恥ずかしいんですから!!」
「そうですかね?」
「え。あ、当たり前じゃないですか・・・・・!」
「嫌ならごめんなさい。でもとても似合ってますよ」
「うん。ほんとに」
そう言うティアに同意しながらアリサがずっと胸部を凝視しているので、顔を真っ赤にして恥ずかしそう隠していた。そんなやり取りをデパートにある服屋にある着替え室の前で会話をしていた、なぜこういう事になったのかと言うと理由は至極単純で親睦を深めようという話になったからだ。
当の本人は気恥ずかしそうにカーテンに隠れてるし、何となく隠れる理由は分かるけど似合っているのも事実だからとりあえずだまってそのまま店の外に出て待つことにした。背後で謝りながらほめているという珍しい事が続いていたが。
店の外に出て近くにあったベンチにゆっくりと座って待っていると。
「ふぅ・・・・・・やっと終わったぁ」
疲れた様子で流さんが出てきた。他の二人はまだ中にいるみたいだし、アーシャはここに来る途中で知り合いを見つけたから行ってくるよ、と言い残しどこかに行ってしまった。
「やっぱりこういうところは苦手みたい」
「ごめん、無理やりつき合わせちゃって」
「・・・・・べつに気にしてないから。ちょっと慣れてないだけだから。ほらこういうのも体験だし?」
「まぁ、そう言うなら」
そこで会話は途切れ。デパートの活気に押し流されていった。
「ひ、一つ聞いてもいい・・・かな?」
「まぁ、いいですけど」
「前の世界に未練ってある?」
そう聞かれて、家族の事を思い出す。未練といえるほどのものはないけれどあえて言うなら────。
「・・・・ないかな」
「ないの?」
「家族の仲もいいし、姉と妹とも仲は良いんですけどね」
「ほんとにないんだ・・・・・そうなんだ。私だけじゃなかったんだ」
安心したかのようにホッと息をついたようだった。
「あ、いや別になんでもないんだよ?」
「お互い大変だったんですね」
ちょっと変な言い方になってしまったが、それに不機嫌な様子を見せるわけもなく俯き。
「・・・・・・・・・うん、そうだね」
消えそうなぐらいか弱くそう呟いたその声は確かに耳に届いていた。
そして俺たちはそのあと出てきた二人とデパートやゲームセンターといったところをはじめ様々なところを回って親交を深めていった。




