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闇が降る②

夜の都市、人工的な光が都市を照らし活気にあふれ夜の雰囲気が町中を支配する中、私は大通りを息を荒くしながら通行人とぶつかりそうになりながらも今まで運動をしてこなかったのを身体に無理やり走らせていた。


「おい、あんた 危ねぇだろうが!!」


そんな怒鳴り声が後ろの方から聞こえてきたの内心、申し訳なく思いながらも走り続け走る気力も体力も尽きて乱れた息を整えるために近くの適当なベンチに腰を掛け寝っ転がり。


────またやってしまった。昔から面倒なことに巻き込まれると自然とその場から逃げたくなる自分がいる。

たとえそれが自分に関係のあることだとしても面倒なことは嫌いだったからだ。

試験とかは最たるものだったなぁ、とかが頭をよぎったがそんなことはすぐに意識の外に飛んでいった。


そんな事ばかり考えながらも、自己嫌悪から逃げようとするが夜でも眩い都市の光がそれをさせてくれなかった。そんな思いが胸に冷たいものを感じさせながらもなんとか帰るために重い体を何とか動かそうとしたが体が言う事を聞かない。


「・・・・はぁ」


日々の運動不足を身をもって実感しつつ、ベンチで横になって目を閉じ、逃げてしまったことに胸が痛くなりつつ瞼を閉じた。


「大丈夫ですか?」


そんな声が聞こえて瞼を開けるとそこにはこちらを心配そうにのぞき込む少年がいた。








「どうしましょう?」


「・・・・・・う~ん」


「すまない‥‥いや、ほんとに」


町の中で俺たちは三人で固まって、どうすればいいのか頭を悩ませていた。


本当だったら人混みの中を魔眼で痕跡をたどっていけば簡単にたどり着きすぐに見つかるはずだったのだが・・・・・。


「こうなることも考えておけばよかったわ」


「まさか痕跡が追えなくなるなんて・・・・・」


そう、街のまだ人通りが少ない所では普通に追えていたのだが、街の中心・・・・人通りが多い所に近づくたびに残った魔力の痕跡が薄くなって追えなくってしまった、そうなったあと周辺を探したがどこにも姿は見えず、申し訳なさが心に襲来していた。


「・・・・・ないとは思うけれど、何か面倒ごとに巻き込まれてたりして」


「リベレア全体は治安も良いほうですし、それにこの時代にそんなこと考える人はいないと思います。たぶん」


「どちらにせよ早めに見つけないとね。待たせてるわけだし」


とはいうもののこれだけの人が行きかう街中で一人の人間を見つけるのは至難の業だ。


「これだけの人の中から見つけだすのは時間がかかりそうですね」


「いや、すぐに見つかると思う。ただ・・・・・」


「「ただ・・・・?」」









「・・・・・・なんでこの場所が分かったんですか、別にほっといてくれてもいいじゃないですか」


公園の中、静寂に包まれる中、申し訳なさそうな声音でベンチからよろよろと立ち上がりながら、か細い声が目の前のぼさぼさの黒髪にメガネの女性から発せられた。


そんな彼女の問いに答えず、不安そうな表情をした女性に近づくと、


「とりあえず座りません?」


警戒をしているのか不安そうな表情でこちらをじっと見つめてきた。


「ど、どうしました?」


「・・・・・・何で追いかけてきたんですか。連れて来いって言われたからですよね?」


そう聞いた彼女は不安を顔に滲ませながらも、理解しているのだろう。ストレートに言葉を投げつけてきた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・行けばいいんですよね、行けば」


「休んでから行きません?」


「私のせいで夜が明けそうになってるのに急がなくていいの? 急いでいった方が迷惑にならないんじゃ・・・・・・」


「まぁ、確かに」


急いだほうがいいんだろうし、視界の端に映っている二人が若干、不機嫌そうな目でこっちを見てきてるのに魔眼を通じてのアイコンタクトで『ごめんちょっと待って』と返し。


女性の方に振り向き。


「え、えっと・・・・・」


「?」


首をかしげる女性に対して内心、ビクつきながらなんとか声を絞り出した。


「お、お名前は・・・・」


「え?」


「い、いや。別に変な気持ちがあるわけじゃなくて! 名前を聞いてなかったなぁって思っただけでして・・・・」


「・・・・・・淵ヶ原 流っていいます」


「・・・・・・あ、ありがとうございます」


その後、何故か気まずさが公園の空気を支配することになったと同時に二人はこの瞬間にお互いが同じ分類の人間だと理解したが、理解したが故に。


((何、話せばいいんだろう・・・・))


その場の空気を断ち切るようにその場に立ち。


「・・・・・とりあえず、行きません?」


「・・・・・・・・・・はい」


待たせている二人の事を心配しつつ歩き出そうとすると、後ろから軽く引っ張られる感覚があったので後ろを振り向くと。


「?」


流さんは首をかしげる様子でこっちを見ていた。


(・・・・・・・気のせいか?)







二人は見守っていた。さほど離れてはいない場所、公園付近のかろうじて二人を同時に見える。電柱の下でひっそりと見守っているのが見えたのでそちらに向かった。


「・・・・・もしかして、待たせすぎた?」


「私は大丈夫です。ただ、アリサが限界みたいで・・・・」


ふと横を見ると、白銀の長髪を眠たそうに上下に揺らしながら何か小さい声でぼそぼそと呟いているので近づくと。


「ごめんなさい・・・・」


それで限界だったのか寝息を立て寝てしまった



「まぁ、昨日からずっと眠る時間を惜しんであっちこっち走り回ってましたから」


そういいながら、ティアも頬をはたき、眠気を振りほどくように頭を横に振った。


「とりあえず、病院に行きますか」


「・・・・・・はい」


そんなこんなで俺たちは近くの病院に行くと、そこにはフェレンスたちが待っていた。


「あとはこっちに任せて」


「じゃあ、あとは・・・・・」


流さんはそのまま入口の方に歩いていき、少しのところでこちらに振り替えりお辞儀をして去っていった。


「・・・・・やっと帰れる。もう歩けないよぉ、おとうさん」


眠気に襲われとしているアリサがうとうとして意識がはっきりしてないのかそんな幼さが残る『おとうさん』にびっくりしていると。

太陽が水平線から顔を出し、空が明るくなってきていた。


「・・・・・さて歩いて帰りますか」


「歩くの? 乗り物にしない?」


「寝ます。絶っっっ対に寝ます」


朝日を浴びて出来た足元の影が伸びていく。


「どうしました?」


二人は、ふと影が足りない事に気が付き振り返る。


「どうしたの?」


「・・・・・流さん。大丈夫だろうか」


「だいじょうぶでしょ。びょういんまでおくりとどけたんだし」


眠気と戦っているせいなのか。さっきより心配してしまうほどに幼さを感じる話し方になっている。大人びたその雰囲気とミスマッチで何か愛らしさを感じさせる。


「・・・・・ならいいんだけど」


あの別れ際のあの思い悩んだ。どこか危うさをはらんだ険しい表情がその日から頭から離れなかった。



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