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リベレア その2

意識が目覚め、上半身を起こしカーテンを開けると陽はもう落ちていた。


「外行くか・・・・・・」


どのくらい寝たのか分からないがすでに頭痛は収まっており、頭痛や眩暈も落ち着いてきたので部屋を出て外に向かうことにしたが、部屋の中に緑色の粒子が少しだけ視界の端に映ったの横目にしつつ玄関に向かい、靴を履き外に出る。


隣室を見ると明かりはすでに落ちているし、こんなな時間まで寝てしまうとは思ってなかった。


「さて、どうしたもんか」


そんなことを考えていると、お腹の方もなった。


「・・・・とりあえず食べれるとこがないか探すか」


ここで悩んでいても仕方ないのでとりあえずアパートを離れ、町の方へ向かいつつ所持金を確認していると結構なお金が入っていたのでファミレスと思わしきレストランに入った。


「お客様はおひとりですか?」


頷きで返すと店内は深夜ということもあり、かなり空いているようで適当な席についてそこでメニューを開いて適当に頼んで暇をつぶしていると。


「ホントに駄目な人間だなぁ私って」


そんな声が聞こえてきたのが隣の席から聞こえてきたので、横目でちらっと見てみるとぼさぼさの黒と青い色のツートンカラーの髪の女性が机に突っ伏して唸っていた。


「ど、どうしました?」


「・・・・・・・・・・・あぁ。うるさかったですねごめんなさい」


机に頬を押し付け名ながらこっちに顔を向け彼女は申し訳なさそうにそう言いだしたその表情は落ち込んでいるように感じられ、そのまま女性は黙ってしまったので俺は頼んだ料理が来たので食べ始めた。


それから数十分後、料理を食べ終え横を見るとまだ女性は突っ伏したままだった。


「・・・・大丈夫ですか?」


「全然、大丈夫じゃないです・・・・・・・・私、何もかも悪くて朝起きたら、昨日食べたものが悪かったのか腹を下しました、今も腹の調子は良くないですし」


「それだけなら・・・・」


「それだけで済んだら良かったんですけどね、他にも────」


彼女は上半身を上げて、大人びた整った顔立ちと虚ろ気味な目の元にクマがある顔をこちらに向け語り始めた。小指を机にぶつけたこと、カップルのけんかを止めようとしたら魔法をくらったこと、車のはねた水をまともに浴びたこと、スライムに襲われたこと、PCが壊れたこと、友人とけんかしてしまった事を語った。


「・・・・・ごめんなさいこんなことを聞かせてしまって」


「もしかして酔ってません?」


「酔ってないよぉ」


そういう彼女の視線は定まってないようだった。それに俺は自分でも気が付かないうちに衝動的に頭をなでて、そういう風にしてどれくらいたっただろうか、なでている女性の顔がこちらを見ているのに気が付いた。その表情からはどこか戸惑いを感じられた。


「あ・・・ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃ」


後ろから何か声が聞こえたが俺は勢いのままレストランを出ようとしたら「お客様、お代金がまだですが」という声が聞こえてきたので急いで戻って支払いをし店を出た。


「つい妹にやるみたいにしてしまった・・・・・・・」


そのまま自宅へ一目散に帰ったがアパートの階段前にアーシャが座っていた。


「どうしたの。マスターこんな時間に何してたんだい?」


白く透き通った肌に感情を感じられない緑色の眼。銀色の髪が月の光に照らされ、座っているだけなのに絵みたいになることに何故か背筋に寒いものを通るのに感嘆とかよりも困惑を感じた。


「起きちゃって散歩を・・・・・・・そっちこそ、そんなところで何を?」


「い、いや。ちょっと空をね」


「やっぱり神様の時と色々違うもんなのか?」


「うん、色々とね」


そう言って夜空を見上げて思いにふけっている様子を横目に階段を上り、自室に入りベットに横になると。


「寝んの?」


いつのまにか部屋の中に戻ってきていたアーシャがそんな言葉をかけてきた。


「あれ、外にいたはずじゃ・・・・」


「このくらいの事で疑問に思っちゃったらやってけないよ、慣れろね」


「・・・・・・・・・・・」


「わかった、わかったよね」


「・・・・・・わかった、わかったからせめて何か合図を出してくれ。ただいまとか」


短い言葉に何処か圧を感じながらそう返すと。


「・・・・一応、考えとく」


そう呟くと魔法陣の光に包まれて消えいったのと同時にふと窓の外が明るくなりはじめてきたのを感じたがとりあえず、目をつぶった。

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