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島の朝とトラブル

気がついたら朝になっていた、周りを見ると他の二人はまだすやすやと寝ていたのでテントを出て朝の陽ざしを浴びている中、彼女の────虹色ちゃんが言っていたことが気になってきた。


「・・・・・別に変った感じはしないけどな・・・・少しお腹が減ってきたぐらいかな」


手を伸ばし朝日を浴びる。調子はいいし、身体が重いというわけでもない。


「明日から大変というのは嘘か・・・・・・嘘であってほしいなぁ」


そんなことを呟いていると横に魔法陣が現れ、そこから虹色ちゃんが横になってゆっくりと出てきたが。


「おはよう・・、あぁそうだ一つ聞きたい事が・・・・・・!?」


「おはようマスター・・・・・どうしたのかな。こっちをじっと見て」


その服装は昨日のものと打って変わってとても露出度が高いモノになっていた、肩やへそが露出していて、背中も思いっきり出てるしスカートで隠れていた足も美脚だった・・・・・いや、そこはまだいい、まだ分かるがミニスカートなのに色気を感じる。


「いやぁ~熱いねぇ・・・・・・ねぇ?マスター」


こっちの気持ちを知ってか知らずかスカートの袖をつかみ煽るようにひらひらとさせている。


「・・・・・・・・・そ、それよりも色々とき、聞きたい事があるんだけど」


「何を聞きたいのかな、この巨人の事?昨日の事?それとも彼女の事?」


「それと君の事もだ」


ピクリと虹色ちゃんの動きが止まった。


「うんやっぱり、そうなるよね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうしようか」


何か逡巡するかのようなしぐさをとり、意を決して決めたかのようにこっちを見つめてきた。


「僕はね、元神様なんだ」


「ふむ、なるほど?」


「想定の範囲内の反応だけど・・・・・・・・久々だからだろうか結構きついな、これ」


なんか勝手に肩を落としてがっくりしている。


「何故、神様がサポートAIみたいなことを?」


「・・・・・・・・・・・それは面倒だし、もう終わったことだし話しても面白くないから」


簡単にはぐらかされてしまった。


「どのくらい?」


「どうしようもない程くだらない夢を見て目を覚ましたあと、夢だったんだって安心するぐらい」


そう語る彼女は欠伸をしながらつまんなそうにそう言った。


「じゃあ、君の神様としての名前は?」


「うーーーーーーーーーーーん、どうしようか。前だったら適当に話せたんだけどビッグネームだからなぁ言いたいなぁ、でもなぁ、あ。眠たくなってきたからあと、二つか三つぐらいね」


「じゃあ魔法の種類とか────」


そんなマイペースな元神様について次の質問をしようとした時。


「・・・・・・・聞きたくないの?」


「何を?」


「ほ、ほら。神様だったころの名前とか気にならないの?」


「・・・・まぁ、気にはなるけどそんなに言いたいほどなのか」


「アーカーシャっていうんだけど。どう?すごいだろマスター?」


背伸びをしながら、平べったい胸を張って威張っている。その様子は元神様というにはいささか微笑ましいし、その名前の凄さもすごい神様というのも分かる────が。


「・・・・・・・・・・・・すごいよ。すごいけどさ」


仮に本当だったとしてもなんで俺なんだろうか、すごいっていう実感もない、何の因果でそんな神様が相棒ポジみたいことになるってどんな前世だったんだ。



「それに関してはいつか話す時がやってくるかもしれないから待ちわびておくといいよ」


「・・・・・・・一応、聞きたいんだけどこの世界って前世の記憶を持っている人がいるっていうのは本当なのか?」


俺は念には念を入れてこれを聞くことにした、彼女が言っていたことが嘘だとは思わないが確認してみたかった。


「ボクのこと聞きたいんじゃないんだ・・・・・・・・まぁあの娘の言っていたことを信用して大丈夫だよ、わざわざ君に嘘をつくような子じゃないし」


「もしかして飛行艇の中の会話を聞いてた?」


そんなことを聞くとニヤニヤしながらゆっくりとうなずいて。


「もちろん最初から全部聞いていたとも」


名前の通り、最初から最後まで全部知ってるらしくニヤニヤしている。顔を見ていると本当にいろいろ知っているのだろうし、聞けば勝手に解決するような問題じゃないのはわかっているし、彼女たちやあの化け物の事、なんで俺がこの世界に来たのかなんにも分からないが、まぁとりあえず────。


「もう一回寝る・・・・・・・」


そう言ってテントの中に戻ろうとした時ふと出発の時間を聞いていなかったのを思い出した。


「・・・・・あれ出発の時間とか言ってなかったような・・・・・・」


「いつ出発でも大丈夫なんじゃない?・・・・・だってほら」


そういって彼女は他のテントを見ながらそう言った、テントから外に出て腕を伸ばしている人もいればまだ人が起きた様子のないテントもあってまるで時間を意識してないようにばらばらにすごしているようだった。


「・・・・・・アーシャはどうするんだ?」


「アーシャ?・・・・・ふぅん、マスターはそういう風に読んでくれることにしてくれたんだ・・・・ぼくはもう少し起きてるよ、初めて見る朝陽だからね」


その初めての出来事に嬉しさが顔色に表れていた、全てを知っていても見るのは別という事なのかこっちの事を気にも留めずにただ手をかざして朝陽を浴びていた。


「・・・・・・・やっぱりこの感覚だよなぁ」


俺はテントに入り再び寝袋に身を沈めたあと、この心地の良い暖かさに身をゆだね目を閉じたのとほぼ同じタイミングでティアさんが起きたようで腕を伸ばしてリラックスしていた。


「うぅん、良く寝たぁ・・・・・・・・・」


そうすると彼女は立ち上がり、テントの幕を開けて外に出ていったのを半目で見送った後、眼を閉じた。







「えぇ、遺跡の方の調査は半分も終わってはいませんし、調査はまだ続けます。結晶の量は想定したより少し多かったぐらいで()()()()()()問題じゃなかったし」


とあるテントの一角、日に当たらない場所でシスターは通信機の向こうの相手にこの島で起きたことを報告していた。


《彼女の力はどうだったんだ?》


「えぇ、そっちは全然問題じゃない、彼等についても期待できます」


「・・・・・・・・・・・」


報告を受けた画面越しの相手は何かを考えるように沈黙に付したあと口を開いた。


《こっちに帰り次第、彼らにこっちに来るように言っておいてくれないか》


「・・・・・・早くない?もっと依頼をこなさせてからでもいいと思うんだけど」


《出来る限り早く顔を合わせておきたいんだ、これからのためにも仲良くなりたいしな》


「・・・・・・・まぁ、それならしかたない・・・・・ほかには?》


《あの魔法陣についての分かったことがある》


「彼らが壊したあれね、出どころ不明の新たな魔法陣っていう話だったけ」


《まぁ、そこらへんも彼らに会う時に話すとしようか、ところで新しい任務の話なんだけど》


「・・・・・・切るね」


《あ、待っ────》


シスターは画面越しの相手はまだ何か言おうとしたのを面倒のあまり通話を切り、機器を適当に投げ捨てその足で外に出たもうすでに陽は登り切っておらず、探査隊のすでに起きている隊員は朝ご飯の準備をしているその中に彼らの姿もあった。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・どんな風になっていくかな」


そんな一言をシスターは呟きそのまま近くにあったタッチパネルで全体にこれからの予定表を隊全体と希堂たちに送り、荷物を前に帰り支度をし始めた。






外でティアさん達と朝陽を浴びていると腕輪に何かの通知音が鳴ったので確認してみるとそこにはいつ帰るのかの予定表が乗っていた。


「あと三十分後か、何してようかな・・・・」


三十分も何もしないで待っているというのは体感的には苦痛なものなのでちょっとテントでの寝袋で寝ようかと考えてテントの幕を開けるとそこには穏やかに寝息をたて寝ているアリサがいた。


「・・・・・・起こした方がいいかな」


穏やかに寝ているのを起こすのははばかられるが三十分ほどで帰り支度をしなきゃいけない事を考えると今起こした方がきっと準備もできるしいいだろう。


「って言ったって持ち物は少ないから気にするほどじゃないだろうけど・・・・・もうそろそろ起きたほうが────」


横になって寝ていたアリサが仰向けになった瞬間、腕を回してきた。


「・・・・・・えへへ・・・・・・もう離さないからね・・・・・・・」


「・・・・・・!」


何とか離れようとすると大切なものを離さないようにするようにとても強い力で抱きしめながら頬ずりしてきた、その抱きしめている表情はとても嬉しそうな顔をしていた、そんな表情を見ていると離れちゃいけないそんな気になった。


「・・・・・・まぁいいか」


抱き着かれていると当然ながら体温を感じとても暖かく心地の良い眠気に襲われ、そのまま眠気に負けてしまいそうになってしまったが。


「眠たいのは分かりますけど、今は起きれませんか?」


「・・・・いや、あのこれは・・・・」


「わかってます、抱き着かれているんですよね?」


「うん、放してくれなくて・・・・・・・優しく起こせないだろうか」


「大丈夫です、こうすればいいんです」


そういうと、ティアさんはほっぺたを触りつつ耳元にフッっと息を吹きかけると、さっきまで穏やかに寝ていたアリサがビクッっとしてゆっくりと瞼が開いた。


「うぅ・・・・・・・・な、なに、どうしたのぉ?」


徐々に意識がはっきりしてきたのだろう、こちらに顔が向き。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」


動きが止まった。


そうしているとゆっくりと顔が赤くなっていき────。


「・・・・・・・・・・・・・・・・うぅ」


泣き出してしまった、そのあと何故か泣きながら謝るアリサに対しこちらも謝りながら出発の時間になるまで過ごしたのだった。


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